
今の仕事で身につけた事務スキルを、もっと専門性の高い形で活かしたいと感じ、秘書やエグゼクティブアシスタントという仕事が気になり始めた方もいらっしゃるのではないでしょうか。ただ秘書は狭き門というイメージがあり、未経験からでも挑戦できるのか、不安に感じている方も多いはずです。
実際には、一般事務や営業事務の経験は秘書の仕事と重なる部分が少なくありません。スケジュール管理や来客対応、資料作成といった業務は、これまでの経験を土台にしながら専門性を積み上げていける分野です。
この記事では、転職支援実績を持つ国家資格キャリアコンサルタントが、秘書・エグゼクティブアシスタントの仕事内容と、未経験から転職を目指すためのステップを解説します。
秘書やエグゼクティブアシスタントと聞くと専門的な仕事というイメージが先行しがちですが、実際の業務にはこれまでの事務経験と重なる部分が多くあります。
上司の予定を把握し、会議や出張の調整を行う仕事です。複数の予定が重なった際にどれを優先するかを判断したり、急な予定変更が入った場合に関係者へ迅速に連絡・調整を行ったりと、優先順位を判断しながら柔軟にスケジュールを組み立てる力が求められます。営業事務で複数の担当者のスケジュールを調整してきた経験や、急な対応に追われながら業務の優先順位をつけてきた経験は、そのままこの業務の土台になります。
来客対応や電話応対、社外の関係者とのやり取りを担う場面も多くあります。丁寧な言葉遣いと、相手の立場を踏まえた対応力が活きる業務です。取引先や社外の要人を迎える際は、案内の段取りから茶菓の手配、見送りまで一連の流れを滞りなく進める気配りも求められます。営業事務や一般事務の仕事で電話取り次ぎやお客様対応を重ねてきた経験は、相手の状況を察しながら適切な言葉を選ぶ力として、そのまま秘書の仕事に活きてきます。
会議資料の作成や整理、機密情報の管理も重要な業務のひとつです。議題や出席者に応じて資料を読みやすく整えたり、会議後の議事録をスピード感を持ってまとめたりする場面もあります。人事情報や経営情報など扱う情報の機密性が高い場合も多く、口の固さや情報管理の徹底も求められます。正確性と丁寧さが求められるため、事務経験で培ったチェックの精密さや書類管理の基礎力がそのまま活かせます。
未経験から秘書やエグゼクティブアシスタントを目指す場合、段階を踏んで準備を進めることで、選考での説得力を高められます。
スケジュール調整や来客対応、資料作成など、これまで担当してきた業務を具体的に振り返ってみましょう。「誰の何を、どのような工夫で支えたか」を具体的に書き出すと、秘書の仕事と重なる部分が見えやすくなります。例えば、複数の上司のスケジュールを同時に管理した経験や、急な企画書作成を限られた時間で対応した経験などは、秘書職の選考でそのままアピール材料になります。こうした具体例をいくつか掘り起こしておくと、志望動機を組み立てる土台になります。
秘書の仕事では、言葉遣いや立ち居振る舞いなど、基本的なビジネスマナーが重視されます。特に社内外の立場の異なる相手に対して、敬語・謙譲語を使い分けたり、型にならない自然な丁寧さを保てるかといった点が見られやすいポイントです。これまでの業務で意識してきたマナーを振り返り、どのような場面でどんな工夫をしてきたかを面接で具体的に説明できるようにしておきましょう。
秘書といっても、担当する役員の人数や業務範囲は企業によって異なります。例えば代表一人を専任で支えるポジションもあれば、複数の役員を少人数のチームで分担してサポートするポジションもあり、広範な秘書業務に加えて秘書室全体の進捗管理を任されるケースもあります。求人票を丁寧に読み込み、担当人数や国際業務の有無、残業の傾向なども確認しながら、自分の経験や希望する働き方と合っているかを確認しましょう。
秘書職は非公開求人として扱われることも多いため、転職エージェントに相談しながら情報を集めると、選択肢を広げやすくなります。これまでのキャリアや希望する業務範囲を伝えておくことで、求人票だけでは分からない社風や役員の人柄についても情報を得やすくなります。面談では、自分だけでは気づきにくい強みを言語化してもらえることも、転職エージェントを活用するメリットのひとつです。
秘書やエグゼクティブアシスタントの選考では、志望動機の伝え方によって印象が大きく変わります。
NG例(志望動機の伝え方)
秘書という響きへの憧れだけを伝え、具体的な業務理解を示さない
これまでの事務経験と秘書の仕事のつながりを説明しない
OK例(志望動機の伝え方)
これまでのスケジュール調整や来客対応の経験を具体的に伝える
秘書の仕事にどう貢献できるかを、自分の強みと結びつけて説明する
このように、これまでの経験と秘書の仕事内容を結びつけて語れるかどうかが、選考突破の分かれ目になります。
秘書やエグゼクティブアシスタントの仕事は、一般事務や営業事務の経験と重なる部分が多く、段階を踏んで準備を進めれば未経験からでも挑戦できる道が見えてきます。
秘書の仕事はスケジュール管理や来客対応、資料作成など事務経験と重なる部分が多い
これまでの経験の棚卸しとビジネスマナーの整理が準備の土台になる
求人票で業務範囲を確認し、自分の希望と合っているかを見極めることが大切
志望動機は憧れだけでなく、経験との結びつきを具体的に伝えることが重要
一人で情報を集めるのが難しいと感じたときは、転職エージェントに相談しながら準備を進めていきましょう。
Q. 秘書になるために資格は必要ですか。
必須の資格はありませんが、ビジネス実務マナーやMOSなどの資格は、基礎的なスキルを客観的に示す材料として選考でプラスに働くことがあります。まずはこれまでの経験を整理したうえで、必要に応じて学習を検討しましょう。
Q. 秘書とエグゼクティブアシスタントの違いは何ですか。
明確な線引きがあるわけではありませんが、エグゼクティブアシスタントは経営層により近い立場で、意思決定を支える業務を担う傾向があります。求人票で具体的な業務範囲を確認しておくと安心です。
Q. 未経験から秘書を目指す場合、どのくらい準備すればいいですか。
個人の経験によって幅があるため一概には言えませんが、経験の棚卸しやビジネスマナーの整理には一定の時間がかかります。早めに情報収集を始め、逆算しながら準備を進めましょう。
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