
内定をもらってほっとしたのも束の間、届いた雇用契約書を前に「このまま署名してしまっていいのだろうか」と、小さな違和感を覚えたことはないでしょうか。聴いていた条件と本当に同じなのか、不安になる方も少なくありません。
雇用契約書は、一度署名すると内容に合意したものとして扱われます。だからこそ、署名前にどこを見ればよいかを知っておくだけで、入社後のすれ違いやトラブルを大きく減らすことができます。
この記事では、転職支援実績を持つ国家資格キャリアコンサルタントが、雇用契約書で確認すべきポイントと、疑問点を会社に確認するときの伝え方を解説します。
雇用契約書には、入社後の働き方を左右する重要な情報がまとめられています。まずは以下の項目が掲載されているか、一つひとつ確認しましょう。
雇用形態(正社員・契約社員など)と契約期間
就業場所と従事すべき業務内容
労働時間、休日、残業の有無と手当の扱い
給与の金額や支払方法、試用期間中の条件
退職に関する規定(退職申出の期限など)
これらはいずれも、入社後の安心を左右する基本情報です。特に注意したいのが、テレワーク可の求人であっても、実際の出社頻度やリモート勤務の範囲が想定と違うことがある点です。内定のタイミングで、実際の働き方を確認しておくと安心です。
雇用契約書を確認するときは、単独で読むだけでなく、内定時に提示された労働条件通知書と内容が一致しているかを照らし合わせることが大切です。面接や選考中に聴いていた条件と給与や勤務地が異なっていないか、ひとつずつ見比べていきましょう。
もし相違が見つかった場合でも、慌てる必要はありません。単なる記載ミスのこともあれば、条件が変更されていることもあります。まずは事実を確認し、必要に応じて会社に問い合わせることから始めましょう。
雇用契約書の内容に疑問があっても、「今さら聞きにくい」と感じて黙って署名してしまう方がいます。しかし、入社後に思っていた条件と違うと気づいても、その場ではどうにもできないことがほとんどです。疑問は署名前に、落ち着いて具体的に伝えることを心がけましょう。
NG例(曖昧なまま流してしまう伝え方)
「特に問題ありません」と伝えてそのまま署名してしまう
聞きたいことがあっても「今さら聞きにくい」と我慢する
口頭でのやりとりだけで済ませ、回答内容を記録に残さない
OK例(疑問を落ち着いて確認する伝え方)
「提示いただいた条件と一部異なる点があるようなので、確認させていただけますか」と具体的に伝える
「入社前に認識をすり合わせておきたく、この点について教えてください」と丁寧に聞く
回答をメールなど書面でも受け取り、後から確認できる形にしておく
こうした伝え方をするだけで、会社側も誠実に対応しやすくなります。
雇用契約書を受け取ってから署名するまでは、次のステップで進めると安心です。
内定時に受け取った労働条件通知書を手元に用意し、雇用契約書の内容とひとつずつ照らし合わせます。
見直しの中で気になった点や不明な点を、小さなことでもメモしておきます。
リストアップした点を人事担当者などに確認し、可能であれば回答を書面やメールでもらっておくと、後から見返せて安心です。
確認した内容に納得できたら、安心して署名に進みましょう。不明な点が残ったままの署名は避けるのがおすすめです。
雇用契約書は、入社後の安心を左右する大切な書類です。
雇用形態・業務内容・給与・退職の規定など基本項目を一つずつ確認する
労働条件通知書と内容が一致しているか照らし合わせる
疑問点は曖昧にせず、具体的に会社に確認する
すべて納得してから署名する
小さな疑問も見逃さず、安心できる形で新しいスタートを切れるようにしましょう。
Q. 雇用契約書と労働条件通知書は何が違いますか。
労働条件通知書は会社が条件を一方的に伝える書面ですが、雇用契約書は双方が合意したことを示す書類です。両方の内容が一致しているか確認しましょう。
Q. 雇用契約書が送られてこない場合はどうしたらいいですか。
入社日が近づいても届かない場合は、人事担当者に存在を確認しても大丈夫です。確認することを避ける必要はありません。
Q. 提示された条件と違う場合、内定を断ることはできますか。
可能です。まずは会社に確認し、説明や修正で納得できない場合は、内定辞退も選択肢の一つとして検討できます。
Q. 署名後に条件の違いに気づいたらどうすればいいですか。
まずは人事担当者に事実を伝え、話し合いで解決できない場合は、必要に応じて専門家への相談も検討しましょう。
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