
転職活動を始める前に、これまで投稿してきたSNSを採用担当者に見られるのではと不安になり、アカウントをどうすればいいのか迷っている、という方は少なくありません。
実際、企業によっては選考の過程で応募者の名前やSNSを確認することがあるようですが、だからといって過去の投稿をすべて消したり、慌てて鍵アカウントにしたりする必要はありません。落ち着いて、今のうちに整えておきたいポイントを押さえておけば十分です。
この記事では、転職支援実績を持つ国家資格キャリアコンサルタントが、転職活動前にSNSを整えるための具体的な対策を解説します。
まずは、企業が応募者のSNSを確認する背景と、実際の向き合い方を整理しておきましょう。
応募者の人柄や雰囲気を知りたいという目的で、選考の中でSNSを確認する企業があるようです。ただし、すべての企業が必ず確認しているわけではありません。確認する場合も、履歴書や職務経歴書だけでは伝わりにくい、次のような点を補足的に見ていると考えられます。
発信内容から伝わる人柄や価値観
他者とのコミュニケーションの取り方
仕事への向き合い方が投稿からうかがえるか
プロフィールに記載された経歴と、職務経歴書の内容に大きな食い違いがないか
いずれも「粗探し」というより、応募書類や面接だけでは分かりにくい人物像を補う目的で確認されることが多いようです。
ひとことでSNSといっても、サービスごとに公開範囲の初期設定や使われ方の傾向は異なります。見直す際は、自分が使っているSNSの特徴を踏まえて優先順位をつけるとよいでしょう。
X(旧Twitter)は、初期設定で投稿が広く公開され、キーワード検索にも引っかかりやすいため、実名や勤務先を明かして発信している場合は特に見直しの優先度が高くなります。
Instagramは、フィード投稿だけでなく、ハイライトに残したストーリーズやタグ付けされた投稿も見え方に影響するため、あわせて確認しておきましょう。
Facebookは実名登録が基本のサービスのため、公開範囲を「友達まで」にしていても、共通の知人経由で見られる可能性がある設定になっていないか確認しておくと安心です。
TikTok・YouTubeは、動画の背景や音声から、勤務先や個人が特定できる情報が映り込んでいないかという視点でも見直しておくと安心です。
LinkedInは、転職活動と関連の深いSNSのため、他のSNSとは逆に、経歴やスキルが伝わるよう整えておくことがプラスに働く場合もあります。
日常的な投稿内容や仕事への取り組み姿勢が伝わる内容であれば、必要以上に恐れる必要はありません。大切なのは、すべてを非公開にすることではなく、見られても安心できる状態に整えておくことです。
ここからは、転職活動を始める前にSNSを整える具体的な手順を3つのステップで紹介します。難しく考えず、まずは自分が使っているSNSを一つずつ確認していきましょう。
まずは、現在使っているSNSアカウントを一通り確認し、見え方が気になる投稿がないかをチェックします。次のような観点でチェックすると、見落としを防ぎやすくなります。
投稿本文だけでなく、リプライやコメント欄でのやり取りに攻撃的な表現がないか
「いいね」やリポスト(リツイート)の履歴に、誤解を招きそうな内容が含まれていないか
過去の勤務先や取引先に関する不満・批判と受け取られかねない投稿がないか
投稿に添付した写真の背景から、社名や個人情報が特定できてしまわないか
一つひとつの投稿を細かく気にしすぎる必要はありません。「今の自分が読み返して、少し気になるかどうか」を基準に、優先度の高いものから見直していくと進めやすくなります。
非公開設定にするかどうかを検討しつつ、プロフィール欄の記載内容に誤解を招く表現がないかも確認します。プロフィール欄は次のようなポイントを基準にチェックしてみてください。
現在の勤務先や役職名が、転職活動中であることを踏まえても差し支えない書き方になっているか
肩書きや実績の記載が、職務経歴書の内容と大きく食い違っていないか
連絡先やメールアドレスなど、不要な個人情報が公開されたままになっていないか
アイコンやヘッダー画像に、勤務先が特定できる社章・名札・社内の様子などが写り込んでいないか
公開範囲については、必ずしも鍵アカウントにする必要はなく、「誰が見ても困らない状態」に整えることを優先すると判断しやすくなります。
転職活動中は、面接日程や企業名などの具体的な情報をSNS上で発信しないよう注意しましょう。特に次のような投稿は、選考中・選考後を問わずトラブルの元になりやすいため避けておくと安心です。
面接を受けた企業名や、選考の合否結果を実名・時期がわかる形で投稿すること
「内定をもらったが迷っている」など、選考中の企業に関する率直すぎる感想の投稿
転職活動そのものへの不安や愚痴を、詳細な状況とともに発信すること
迷ったときは、SNSで発信する前に、転職エージェントなどの信頼できる相手に相談する習慣をつけておくと、余計なリスクを避けやすくなります。
具体的にどう対応すればよいか、次のNG例とOK例を参考にしてみてください。
NG例(SNSの整え方)
過去の投稿をすべて一括で削除しようとする
プロフィール欄を空欄のまま放置する
転職活動中であることをSNS上で詳細に発信する
OK例(SNSの整え方)
見え方が気になる投稿だけを個別に見直す
プロフィール欄の情報を整理し、誤解を招く表現がないか確認する
転職活動の詳細はSNSではなく、エージェントなど信頼できる相手に相談する
アカウントの使い方に応じて、見直し方も少し異なります。自分がどちらのタイプに近いかを踏まえて、確認するポイントを絞り込みましょう。
実名で発信している場合は、プロフィール欄の表現や公開されている投稿内容を中心に見直し、仕事に影響しそうな表現がないか確認しておきましょう。特に、現職の社名を明かしたうえで発信している場合は、次の点を意識しておくと安心です。
会社や上司・同僚への不満と受け取られる投稿が残っていないか
業界内の非公開情報や、取引先に関する内容を発信していないか
転職活動中であることを匂わせる投稿を、現職に気づかれる形で発信していないか
プライベートな発信を続けたい場合は、鍵アカウントや非公開設定にしておくことも一つの選択肢です。ただし、非公開にしていても、プロフィール欄の情報は見られる場合があることを頭に入れておきましょう。非公開設定にする場合も、次の点は公開されうる前提で整えておくと安心です。
プロフィール欄に記載した名前・肩書き・自己紹介文
アイコン画像やヘッダー画像
フォロー中・フォロワーのアカウント一覧(設定によっては非公開でも一部表示される場合があります)
どこまで見直せばよいか迷ったときは、「その投稿やプロフィールを、今の上司や転職先の面接官が読んでも気まずくないか」を基準に考えると判断しやすくなります。気まずさを感じる投稿があれば、削除するか、個別に見え方を調整しておきましょう。
転職前のSNS対策は、一括削除ではなく、落ち着いて見直すことが大切です。
見られる可能性はあるがすべての企業であるわけではない
自分のアカウントを一通り見直し、公開範囲とプロフィールを整理する
転職活動中の具体的な情報はSNSではなく信頼できる相手に相談する
実名・非公開どちらの場合も、見え方を整えておけば安心できる
今のうちに少しずつ整えておけば、安心して転職活動に集中できるはずです。
Q. SNSは全て非公開にしたほうが安全ですか。
必ずしも全てを非公開にする必要はありません。公開しておいても安心できる状態に整えておくことのほうが大切です。
Q. 過去の投稿はすべて削除したほうがいいですか。
全てを削除する必要はありません。見え方が気になる投稿だけを個別に見直す方法で十分です。
Q. 鍵アカウントにすれば安心ですか。
鍵アカウントにしても、プロフィール欄の情報など一部は見られる場合があります。非公開にするだけで安心しきらず、見え方全体を整えておくことが安心につながります。
Q. 転職活動をしていることはSNSで発信してもいいですか。
具体的な企業名や面接日程などの発信は控えましょう。相談したいことがあれば、SNSではなく転職エージェントなど信頼できる相手に相談しましょう。
Q. 転職先のSNSも確認しておいたほうがいいですか。
必須ではありませんが、公開されている情報を一度確認しておくと、企業の雰囲気を知るひとつの手がかりになります。
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