発達障害(ADHD・ASD)がある方の向いている仕事と転職の進め方を解説

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「発達障害があるから、自分に合う仕事が見つからないのでは」と不安を感じている方は少なくありません。

実は、ADHD・ASDなどの特性は仕事選びの難しさにつながる一方、特定の環境や職種では大きな強みにもなります。

この記事では、転職支援実績を持つ国家資格キャリアコンサルタントが、特性に合った仕事の選び方・障害者雇用と一般雇用の考え方・転職活動でのNG・OK例・成功する3ステップを解説します。

発達障害を持つ方の就労状況と統計データ

厚生労働省の「令和4年生活のしづらさなどに関する調査」によると、医師から発達障害と診断された方の推計数は87.2万人(2022年時点)で、前回調査(2016年)の48.1万人から約1.8倍に増加しています。

また、2024年3月に公表された「令和5年度障害者雇用実態調査」では、調査対象事業所で雇用される発達障害者の数が前回比で約2倍となり、働く業界や職種の多様性が広がっていることが示されています。

発達障害がある方の就労人口が増えている背景には、社会的な認知の広がりや、企業側の合理的配慮が進んでいることがあります。「発達障害があるから就職・転職は難しい」という時代は確実に変わりつつあります。

ADHD・ASDの特性と向いている仕事

ADHDとASDでは、得意なことや働きやすい環境の傾向が異なります。それぞれの特性と仕事選びのポイントを見ていきましょう。

ADHDの主な特性と仕事選びのポイント

ADHD(注意欠如・多動症)の方には、集中力のムラ・衝動的な行動・マルチタスクへの苦手意識といった特性がある一方、「好きなことへの高い集中力」「アイデアの豊富さ」「行動力の高さ」という強みもあります。

向いている仕事の例として、クリエイティブ職(デザイン・コピーライター)、営業職(行動力・熱量が活きる)、エンジニア(集中環境があれば高いパフォーマンスを発揮)、料理人・技術職(身体を動かす、手順が明確)などが挙げられます。

ASDの主な特性と仕事選びのポイント

ASD(自閉スペクトラム症)の方には、曖昧な指示が苦手・環境変化への対応が難しいという特性がある一方、「強いこだわりと集中力」「ルールへの誠実な遂行力」「視覚・論理的な処理の得意さ」という強みがあります。

向いている仕事の例として、データ分析・プログラミング(明確なルールと論理性)、経理・事務(正確さ・手順どおりの処理)、研究職・専門技術職(専門分野への深い集中)、製造・検品(一定作業の正確な繰り返し)などが挙げられます。

障害者雇用か一般雇用か、選び方の考え方

障害者雇用とは、精神障害者保健福祉手帳などの手帳を取得した方が利用できる雇用枠です。企業が合理的配慮を提供する体制が整いやすく、職場への自己開示ができる安心感があります。一方、給与水準は一般雇用より低い傾向があります。

一般雇用は障害を開示しないケースも多く、給与水準・職種の選択肢が広い反面、職場環境の調整が自分で行いにくい場面もあります。

どちらが正解とは言い切れません。大切なのは「自分の特性の程度」「どのくらい配慮が必要か」「どんなキャリアを築きたいか」を整理した上で判断することです。

転職活動でやりがちなNG例とOK例

同じ場面でも、考え方を少し変えるだけで結果は大きく変わります。よくあるNG行動とOK行動を3つの場面で比べてみましょう。

NG・OK例① 転職先の選び方

NG例 「発達障害だからできる仕事は少ない」と思い込み、求人を絞りすぎる

特性を「できないこと」の軸だけで見ると、選択肢を不必要に狭めてしまいます。

OK例 「自分の得意なこと・苦手なこと・合う環境」を整理してから、その条件に合う求人を探す

強みを軸に仕事を探すことで、特性が活きる職場との出会いが増えます。

NG・OK例② 職場への特性の伝え方

NG例 入社後に突然「実は発達障害があります」と告知し、急に配慮を求める

職場側が事前に準備できないため、双方にとって難しい状況が生まれやすくなります。

OK例 採用面接・内定後の条件確認の場で、「静かな環境があると集中しやすい」など具体的な配慮を穏やかに伝える

事前の具体的な相談が、入社後のミスマッチを防ぐ最善策です。

NG・OK例③ 求人票の読み方

NG例 「給与が高い・勤務地が近い」だけを基準に転職先を決める

環境面の相性を確認しないと、入社後に特性との摩擦が生じやすくなります。

OK例 求人票でチームの規模・業務の明確さ・リモートワーク可否・裁量の度合いなど「環境」に関する情報を確認する

環境の相性が合う職場を選ぶことが、長期的な定着につながります。

転職を成功させる3つのステップ

ここからは、特性を強みに変えて転職を成功させるための進め方を、3つのステップで整理します。

ステップ1 自分の特性(得意・苦手・合う環境)を言語化する

まず、自分の特性を具体的に書き出しましょう。「長時間集中できる分野」「苦手な状況」「働きやすかった環境」「職場でよく褒められたこと」など、過去の経験を棚卸しすることで、自分に合う仕事像が見えてきます。

ステップ2 障害者雇用か一般雇用かを検討する

配慮がどの程度必要か、また手帳の取得状況を踏まえて、雇用形態の選択肢を検討します。就労支援センターやハローワークでも相談が可能です。どちらにするか迷う場合は、複数の選択肢を並行して情報収集することをおすすめします。

ステップ3 発達障害の理解があるキャリア支援を活用する

転職エージェントの中には、発達障害や精神障害への理解があるカウンセラーが在籍するサービスもあります。一般的な転職サービスと並行して活用することで、特性に合った求人情報や面接対策のサポートを受けやすくなります。

まとめ

発達障害があることは、仕事選びを複雑にする要因になりますが、自分の特性を正しく理解すれば、強みを活かせる職場を見つけることは十分可能です。

大切なのは「できないこと」に焦点を当てるのではなく、「得意なことが活きる環境」を探すアプローチです。まずは自分の特性を言語化することから始め、必要に応じてキャリア支援の力を借りながら、一歩ずつ進んでみてください。

よくある質問

Q. 発達障害があっても一般雇用で働けますか?

はい、多くの方が一般雇用で活躍しています。特に特性が軽度の場合や、得意分野にはまる職種であれば、一般雇用でも問題なく働けます。ただし、合理的配慮を求めにくい点は念頭に置いておく必要があります。自分の特性の程度と、どの程度の配慮が必要かを考慮した上で判断することが大切です。

Q. 障害者雇用を選ぶとキャリアに不利になりますか?

一概に不利とは言えません。障害者雇用では合理的配慮を受けながら安定して働ける環境が整いやすく、長期的な定着につながるケースも多くあります。一方で、給与水準や職種の幅が限られる場合もあります。「今の自分にとって何が重要か」を軸に選択することをおすすめします。

Q. 転職活動で発達障害を開示するべきですか?

開示の判断は個人の状況によります。障害者雇用枠で応募する場合は開示が前提ですが、一般雇用では義務ではありません。ただし、必要な配慮がある場合は、採用プロセスの中で「働く上での希望環境」として具体的に伝えておくと、入社後のミスマッチが防ぎやすくなります。

Q. 発達障害がある方向けの転職支援はありますか?

あります。ハローワークや就労移行支援機関では、発達障害のある方の就職・転職をサポートするプログラムが提供されています。また、民間の転職エージェントの中にも、発達障害への理解があるカウンセラーが対応するサービスがあります。複数のサポートを組み合わせて活用するのが効果的です。

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