この記事を書いた人 - 池田 康希
この記事を書いた人
池田 康希 / Koki Ikeda
国家資格キャリアコンサルタント/転職支援事業責任者
全国約 3万社 の中から
「信頼できるエージェント14社」へ選出
日本最大手通信キャリアでの就業を経てAITAIDに参画。
転職支援サービス『MyStyle転職』の立ち上げを行い、事業推進に加えて自身もキャリアコンサルタントとして累計 1,000名以上 のキャリア支援に従事。
主に「未経験者」や「短期離職経験者」の支援を得意としている。
保有資格
- 国家資格キャリアコンサルタント
- メンタルヘルスマネジメントⅡ種
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この記事でわかること
- ✓20代の給料が低くなりやすい構造的な背景
- ✓転職で年収アップを実現した人の割合(厚労省公的統計データ)
- ✓年収アップを狙える転職の進め方5ステップ
- ✓転職活動中の収入不安を軽減する備え方
こんな人に読んでほしい
- ✓給料の低さに不満があるが転職後の収入が心配な20代
- ✓転職で年収アップできるか不安に感じている方
- ✓年収交渉の具体的な方法を知りたい方
「今の給料では将来が不安なのに、転職して収入が下がったらどうしよう」と感じ、転職に踏み出せずにいる20代の方は決して少なくありません。現状を変えたい思いと先の見えない不安が同時に押し寄せると、なかなか行動に移せないものです。
厚生労働省「令和6年雇用動向調査」によると、転職入職者のうち前職より賃金が「増加した」と回答した割合は40.5%に上ります。準備なしに転職すれば年収が下がるリスクもありますが、正しいアプローチを取れば20代は年収を上げるうえで最も有利な時期のひとつといえます。
この記事では、転職支援実績を持つ国家資格キャリアコンサルタントが、給料の低さを理由に転職を迷っている20代が次の収入を安心して上げるための具体的な方法を解説します。
なぜ20代の給料は低くなりがちなのか
給料の低さを「自分の能力不足」と思い込んでいる方もいらっしゃいますが、多くの場合は個人の問題ではなく会社や業界の構造的な問題です。まずその背景を正確に理解しておきましょう。
年功序列・賃金テーブルの壁
日本の多くの企業では、勤続年数や年齢に応じて賃金が段階的に上がる年功序列の仕組みが根強く残っています。そのため入社間もない20代は実力や成果があっても賃金テーブルの下位に固定されやすく、特に中小企業では昇給額が少なく何年働いても大幅な年収アップが見込めないケースが少なくありません。
業界・職種による賃金水準の格差
業界や職種によって賃金水準は大きく異なります。IT・金融・コンサルティング業界では20代でも比較的高い年収水準を設定している企業が多い一方、飲食・介護・小売業は産業全体として賃金水準が低めの傾向があります。今の会社の給料が低くても業界や職種を変えることで、同じ努力でより高い収入を得られる可能性は十分にあります。
「頑張れば上がる」が幻想になっている場合
「もう少し待てば昇給する」と言われ続け、数年経っても変わらないという相談は現場でも頻繁に耳にします。昇給の仕組みが曖昧だったり会社の業績が低迷していたりする場合、待ち続けること自体がリスクになることもあります。現状の賃金カーブを客観的に確認し、将来の見通しを持つことが大切です。
転職で年収は本当に上がるのか
「転職したら年収が下がりそう」というイメージを持つ方は多いですが、データは必ずしもそうではないことを示しています。
公的データが示す転職者の年収変動
厚生労働省「令和6年雇用動向調査」によると、転職入職者のうち前職より賃金が「増加した」割合は40.5%、「変わらない」が28.4%、「減少した」が29.4%という結果が出ています。つまり転職者の約4割が収入を上げることに成功しており、現状維持を含めると約7割が年収を下げずに転職を実現しています。20代だから・経験が浅いからと諦める必要はなく、むしろ20代はポテンシャル採用が活発な年代であり、準備次第で年収アップの可能性は十分にあります。
年収アップが狙いやすい方向性
転職での年収アップが実現しやすいパターンとして、賃金水準の高い業種への移動、営業職やエンジニアなど成果・スキルが評価されやすい職種への転換、規模の大きい企業への移動などが挙げられます。自分の経験や強みを整理したうえで最もレバレッジが効く方向を探ることが、年収アップの近道といえるでしょう。
年収アップを実現する転職5ステップ
「いつかやろう」と思いながら行動できない方のために、具体的な5つのステップに整理しました。それぞれのステップを順番に踏むことで年収交渉の成功確率が大きく変わります。
ステップ1. 現職の年収を正確に把握する
まず自分の現在の年収を正確に把握しましょう。月給だけでなくボーナス・残業代・各種手当を含めた年収総額を計算します。「手取りで○万円」という把握だけでは転職交渉の際に不利になることがあるため、額面の年収額を明確にしておくことが大切です。
ステップ2. 自分の市場価値を調べる
転職サイトや求人票で「自分と近いスペックの求人がどの程度の年収で出ているか」を調べましょう。同じ職種・業界・経験年数の求人を複数比較することで自分の市場価値の目安がわかり、「現職が相場より低いか」「転職先に期待できる年収水準はどのくらいか」を客観的に判断できるようになります。
ステップ3. 狙う業界・職種を絞り込む
やみくもに求人に応募するのではなく、年収アップが見込める業界・職種を絞り込んでから動きましょう。業界によって賃金水準は大きく異なるため、スキルや経験を活かしつつより高い報酬が期待できる領域を意識的に選ぶことが重要です。
ステップ4. 年収交渉を避けない
内定後の年収交渉を「失礼ではないか」と遠慮してしまう方もいらっしゃいますが、ビジネスの場における報酬交渉は正当なコミュニケーションです。前職の年収や転職市場の相場をもとに希望年収の根拠を言語化しておくことで交渉の場での説得力が増し、転職エージェントを利用している場合はエージェントが企業との調整役を担ってくれるため一人で抱え込まなくてすみます。
ステップ5. 複数社を同時に進めて比較する
1社だけに絞って選考を進めると内定が出たときに「これしかない」という状態になり交渉力が下がります。複数社を並行して進めることで他社と比較しながら最良の条件を引き出しやすくなり、選考を通じて自分の市場価値への理解も深まります。
転職活動中の収入不安を軽減する備え方
転職活動には時間がかかることもあり、今の仕事を辞めてから活動するべきかと迷う方も多いです。
在職中に活動するのが基本
特別な事情がなければ在職中に転職活動を進めましょう。現在の収入を維持しながら活動できるため精神的な余裕が生まれ、焦りから条件の合わない企業に妥協するリスクを下げられます。面接の日程調整が少し難しくなる面もありますが、キャリアエージェントを活用することで平日夜・週末面接の調整をサポートしてもらいやすくなります。
生活費の目安を先に計算する
転職後の年収が確定する前に「最低限いくら稼げれば生活できるか」を把握しておきましょう。家賃・食費・保険料などの固定費を月単位で整理しておくと年収交渉でのボトムラインが明確になり、「この金額以上なら転職を受け入れる」という判断軸があると迷いなく行動できます。
まとめ
給料の低さを理由に転職を迷っている20代の方へ、改めて要点を整理します。
20代の給料が低い背景には年功序列や業界構造という個人では変えにくい要因がある
厚生労働省データでは転職者の40.5%が前職より年収アップを実現している
年収アップに向けた転職は、市場価値の把握・業界選び・年収交渉の3点が核心
在職中に活動を進めることで精神的余裕と交渉力を保てる
まず自分の市場価値を知ることが、転職活動の最初の安心材料になるはずです。
よくある質問
Q. 給料が低いまま転職すると、また低い会社に入ってしまいませんか?
自分の市場価値を理解せずに求人を選ぶと、同じ水準の企業に移るリスクがあります。転職前に業界の賃金相場を調べ、年収交渉を行うことで意図的に年収水準を上げることができます。転職エージェントに相談すると、年収水準をスクリーニングした求人を紹介してもらいやすくなります。
Q. 転職活動にはどのくらいの期間がかかりますか?
一般的に転職活動の期間は平均3〜6ヶ月程度といわれています。在職中に活動する場合は面接の調整に時間がかかることもありますが、エージェントを活用することでスムーズに進めやすくなります。
Q. 年収交渉をしたら内定取り消しになりませんか?
根拠のある年収交渉で内定が取り消しになることは一般的にほとんどありません。希望年収を伝える際は「現職の年収が○○万円で、転職市場の相場を踏まえて○○万円を希望します」と具体的な根拠を示すことで採用担当者にも受け入れられやすくなります。
Q. 今の会社で交渉するより転職した方が年収は上がりますか?
年功序列が根強い企業や賃金テーブルが固定されている企業では、交渉しても上がり幅に限界があることが多いです。転職市場では前職年収や経験をもとにした交渉ができるため、より大きな年収アップが狙いやすいといえるでしょう。
「給料が低いのに転職して下がったらどうしよう」と相談に来る方は本当に多いんです。実際にお話を聞くと、収入が不安で動けないというより、年収の相場感や交渉の仕方を知らないまま不安だけが先行しているケースが大半で。まずは今の自分の市場価値を知ることが、転職活動の一番の安心材料になりますよ。