
「毎朝起きるのがつらい」「仕事に行く気力が湧かない」——そんな疲れを抱えながら、「これって甘えなのかな」と自分を責めていませんか。
仕事の疲れはサインです。でも、すべての疲れが転職の理由になるとは限りません。「今すぐ動くべき疲れ」なのか、「環境を工夫すれば消える疲れ」なのかを見極めることが、転職の成否を左右します。
この記事では、1,000名以上のキャリア支援をしてきた私が、疲れの正体を3つのタイプに分類し、転職を判断すべきかどうかの基準を具体的に解説します。
仕事の疲れを感じることは、あなたの能力や精神力の問題ではありません。20代が職場で消耗しやすい構造的な理由があります。
厚生労働省の「令和5年版労働経済白書」によると、20〜34歳の若年労働者が「仕事上のストレスを感じている」と回答した割合は約6割に上ります。また、メンタルヘルス不調による休職・退職は20代で増加傾向にあり、「早期離職」の背景に疲弊が関係しているケースは少なくありません。
新卒・20代のうちは業務に慣れていない分、プレッシャーも大きい。上司や職場環境にNOと言えず、無理を積み重ねることで慢性的な疲労状態になる——これは個人の弱さではなく、キャリア初期に多くの人が経験する現象です。
「転職するほどの理由でもないんだけど……」と感じていても、体や気持ちが「もう無理」と言っているなら、それは十分な理由です。
私がこれまで支援してきた方の多くは、相談に来る前に「もっと早く動いていれば」とおっしゃいます。限界まで我慢した結果、転職活動のエネルギーすら残っていない状態になってから相談に来るケースが後を絶ちません。
「なんとなく限界」という感覚は、脳や体からの警告です。理論的に説明できなくても、サインとして受け取ってください。
疲れをひとまとめに「仕事がつらい」で処理してしまうと、対策も的外れになります。まず自分の疲れがどのタイプかを把握することが、解決への第一歩です。
残業が続き、休日も仕事のことが頭から離れない。睡眠をとっても疲れが取れない。こうした状態が「身体疲労型」です。
特徴は、「仕事の内容は嫌いじゃないけど、量が多すぎる」という感覚です。ときに「好きな仕事なのに体が動かない」という矛盾した状態になります。
身体疲労型の場合、労働環境そのものに問題があることが多いです。月の残業時間が80時間を超えている、有給が取れない、休日出勤が常態化している——こういった職場では、個人の努力や工夫で改善できる余地はほとんどありません。
仕事の量ではなく、感情を削られることで消耗しているタイプです。上司からの理不尽なダメ出し、無視、チーム内のハラスメント、評価されない状況——こうした「人や組織との摩擦」が根本にあります。
感情消耗型は、身体疲労型と違い、休日に体を休めても「月曜日の朝が怖い」という感覚が消えないのが特徴です。職場の人が頭に浮かぶだけで気分が沈む、という状態になれば注意が必要です。
支援現場でよく聞くのは、「上司には問題ないんですけど、先輩の態度が……」というケースです。直接の上司ではなく、隣の席の同僚や先輩との関係が原因で毎日の仕事が苦痛になるケースは想像以上に多いです。以前、入社2年目の女性から「毎朝出勤前に体調が悪くなる」と相談を受け、話を聞くと原因は特定の先輩から日常的に受ける無視や嫌味でした。上司は把握していたものの見て見ぬふりで、「組織の文化」として定着していたため、異動申請をしても通らないまま1年が過ぎていたのです。このような場合、社内での改善は難しく、環境を変えることが最善の選択になります。
体もそこそこ動く、人間関係もまあまあ問題ない。でも、「このまま5年・10年働いたとして、自分には何が残るんだろう」という焦りや虚無感がある。これが「将来不安型」です。
成長実感がない、スキルが身につかない、キャリアが見えない——仕事の意味を見失うタイプの疲れです。体の疲れよりも「魂の疲れ」に近い状態で、気づかないうちに蓄積していきます。
将来不安型は「まだ転職するほどつらくない」と感じやすいですが、実は最も根深い疲れです。放置すると、気力そのものが消耗していきます。
疲れのタイプを把握したら、次は「動くべきか、改善を試みるか」を判断します。
以下に当てはまるものが2つ以上あれば、転職を選択肢として真剣に検討すべきです。
1. 体や心が壊れかけている
眠れない、食欲がない、気分の落ち込みが続く——これが2週間以上続いているなら、まず医療機関への相談を最優先にしてください。健康を守ることが先です。
2. 会社の構造や文化に問題がある
ハラスメントが黙認されている、残業が当たり前の文化、評価制度がまったく機能していない——個人の努力で変えられないことに消耗しているなら、場所を変えることが合理的です。
3. 成長の見込みがまったくない
「この仕事を3年続けても、市場価値が上がる気がしない」と感じるなら、キャリアの観点から転職を検討する価値があります。
4. 入社前と現実のギャップが埋まらない
「こんなはずじゃなかった」という気持ちが、入社から1年以上経っても解消されていない場合は、職場との根本的なミスマッチがある可能性が高いです。
一方で、以下のような状況は転職ではなく「職場内での改善」や「上司・人事への相談」で解決できることがあります。
特定の業務だけがつらく、他の仕事は充実している
1対1の人間関係(特定の上司のみ)が問題で、会社自体は好き
業務量が一時的なプロジェクト対応で、落ち着く見込みがある
自分のスキル不足が原因で、研修・勉強で改善の余地がある
「職場への不満」と「会社・仕事への不満」は別物です。職場への不満なら異動・交渉で変えられる可能性があります。でも、会社の文化・制度・方向性への不満は転職でしか解決しません。
「疲れているから転職したい」という気持ちは自然です。でも、疲弊した状態のまま転職活動に入ることには大きなリスクがあります。
リスク1:「今より良ければどこでもいい」になる
疲弊しているときの判断基準は「現状からの逃避」になりがちです。「残業が少なければいい」「人間関係が良ければいい」という短期的な条件だけで会社を選んでしまい、半年後にまた違う不満が出る——このサイクルを繰り返している方を、私は何人も見てきました。
リスク2:面接で本来の自分を出せない
転職活動は、ある意味でエネルギー勝負です。書類を書き、企業を調べ、面接で自分を伝える。これには相当な気力と集中力が必要です。消耗した状態では、準備が甘くなり、面接でもネガティブな印象を与えやすくなります。
転職活動の前に、まず自分の疲れの正体を言語化することが重要です。「何が辛いのか」「何が変われば働き続けられるのか」「自分が本当にやりたいことは何か」——これを整理してから動き始めると、転職活動の精度が格段に上がります。
一人では整理しにくい場合、キャリアコンサルタントへの相談が有効です。第三者に話すことで、自分でも気づいていなかった疲れの原因が見えてくることがあります。
転職の準備は、求人を探すことではなく「自分を知ること」から始まります。
「なんとなく限界」の感覚を、できるだけ具体的な言葉にしましょう。以下の問いに答えるだけで、疲れの輪郭が見えてきます。
一番つらいのは、仕事の量か、人か、内容か
去年の今ごろと比べて、気持ちはどう変わったか
もし職場環境が今の半分の負荷だったとして、仕事は続けたいと思うか
言語化の作業は、紙に書き出すのがおすすめです。頭の中で考えるだけでは、思考がループします。
転職先を選ぶ条件は、「疲れた理由の反対」が基本の軸になります。
残業の多さに疲れたなら「定時退社が基本の職場」、人間関係に疲れたなら「風通しが良く、評価がフラットな組織」、将来への不安が強いなら「スキルが身につき、キャリアパスが見える環境」——こうして軸を決めると、求人を見る目が変わります。
「何でも良くなってしまっている状態」のまま求人を見ると、判断基準がぶれます。疲れた理由を整理し終えてから求人を見ることを強くおすすめします。
転職活動を一人で進めると、不安が増幅して判断がぶれやすくなります。信頼できるキャリアコンサルタントや、転職経験のある友人・先輩に話を聞いてもらいながら進めると、精神的な安定が保てます。
相談は「転職を決めてから」ではなく「迷っているうちから」するのが正解です。「まだ相談するほどじゃないかな」と思っているうちに動くことで、余裕を持って転職の準備ができます。
甘えではありません。疲れは、体や心が「このままでは限界」と知らせる正直なサインです。国の調査でも、20代の約6割が仕事上のストレスを感じていることがわかっています。自分だけが弱いのではなく、多くの人が同じ状況にいます。疲れを感じたときは「甘えかどうか」より「何が原因か」を考えることに時間を使ってください。
できないわけではありませんが、精度が下がるリスクがあります。疲弊しているときは判断基準が「今より悪くなければいい」になりやすく、条件の絞り込みが甘くなります。まず一週間、仕事の疲れの原因を言語化することを優先し、自分の転職軸をある程度決めてから求人を見始めるのが理想です。体や心が本当に限界なら、休職を含めた選択肢を先に検討してください。
もちろんです。MyStyle転職のLINE相談は「転職を決めた人専用」ではありません。「まだ迷っている」「転職すべきか判断したい」という段階からご相談いただけます。相談したからといって転職を強要することもありません。現状整理だけでも大きな気づきにつながりますので、まずは気軽にメッセージを送ってみてください。
仕事に疲れた20代の方へ、この記事のポイントをまとめます。
仕事の疲れは「身体疲労型」「感情消耗型」「将来不安型」の3種類があり、タイプによって対処法が変わる
「転職すべき疲れ」は、会社の構造・文化・成長機会に根本原因があるケース。個人の努力で変えられない環境にいるなら転職が合理的な選択
「環境改善で消える疲れ」もある。特定の上司や一時的な業務量の問題は、異動・交渉で解決できる可能性がある
疲れたまま転職活動を始めると「逃げるための転職」になり、条件のミスマッチが起きやすい。まず現状整理を優先する
転職成功のステップは「疲れの言語化 → 転職軸の確定 → 信頼できる相談相手の確保」
疲れを感じているなら、一人で抱え込まずに動き出してください。判断するのは整理した後でも遅くありません。
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