最終更新:
2026/8/27 06:36

「転職したいけど、何がしたいかわからない」。この悩みを抱えている20代は、決して少数派ではありません。こども家庭庁「こども・若者の意識と生活に関する調査」(令和4年度)によると、15〜39歳の若者のうち「今の自分を変えたいと思う」と回答した人は65.9%にのぼります。多くの人が現状を変えたいと感じながらも、方向性を見つけられずにいるのが実態です。この記事では、やりたいことがまだ見つかっていなくても正社員転職を実現するための具体的な手順を、公的データとMyStyle転職の支援実績をもとに解説していきます。
20代で将来の方向性がはっきりしない背景には、構造的な要因があります。
厚生労働省編職業分類(令和4年版)では、大分類・中分類・小分類をあわせて数百の職業カテゴリーが設定されています。改定前の細分類まで含めると約17,000種の職種名が収録されていた実績もあり、社会人経験が浅い20代がこのなかから「やりたいこと」を見つけるのは簡単ではありません。そもそも知らない仕事を「やりたい」とは思えないものです。
同じ内閣府調査では、「自分自身に満足している」と回答した15〜39歳は49.0%にとどまりました。約半数が自己評価に自信を持てていない状態であり、そこから「何をやりたいか」と問われても答えが出にくいのは当然のことではないでしょうか。
同世代が転職成功や昇進を発信しているのを見て、自分だけが取り残されているような感覚に陥るケースも少なくありません。焦りが強いほど「早く正解を見つけなければ」と考えてしまい、かえって動けなくなる悪循環に入りやすくなります。
方向性が見えないからといって行動を先延ばしにすると、状況は改善するどころかむしろ厳しくなっていきます。
厚生労働省の資料によると、フリーター期間が半年以内の場合、男性の約7割が正社員に転換しています。一方でフリーター期間が3年を超えると、正社員になれた男性は約6割、女性では約4割まで低下するというデータがあります。「もう少し考えてから」と待っている間にも、選択肢は確実に狭まっているのです。
令和5年若年者雇用実態調査(厚生労働省)では、若年正社員の採用選考で最も重視されたのは「職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神」(79.3%)でした。一方、中途採用者に対しては「業務に役立つ職業経験」(42.3%)が重視されており、年齢が上がるほど実務経験を問われる傾向が強まります。20代前半の今だからこそ、意欲やポテンシャルで勝負できる求人が多い点は覚えておいて損はありません。
やりたいことを「見つけてから動く」のではなく、「動きながら見つける」。このアプローチが、実際に多くの20代の転職を前に進めています。
やりたいことではなく「これだけは避けたい」条件を最初に洗い出します。「毎日終電まで残業」「ノルマで詰められる環境」「一人きりで黙々作業」など、思いつくままに書いてみてください。嫌なことを除外するだけで、選択肢は自然に絞られていきます。
アルバイトや短期の仕事で構いません。「コンビニのレジは嫌じゃなかった」「飲食のホールで常連さんと話すのは楽しかった」「倉庫作業の黙々とした時間は苦ではなかった」など、苦痛ではなかった経験を3つ挙げてみましょう。「楽しかった」まで行かなくても「まだマシだった」で十分です。その経験に含まれる要素、たとえば正確さ、対人、ルーティンといったキーワードが、職種選びのヒントになります。
ステップ1と2の結果をもとに、候補となる職種を3つ選びます。そして各職種で求人を5件、合計15件だけ見てみてください。応募する必要はありません。求人票を見たときの「ちょっと気になる」「これは無理」という自分の反応そのものが、一番リアルな判断材料になります。
MyStyle転職の支援現場では、相談時に「やりたいことがない」と話していた方が最終的に選ぶ職種にはいくつかの傾向が見られます。
「人前に出るのが苦手」「決まったことをきちんとこなすのは得意」というタイプに選ばれやすい傾向があります。PC基本操作ができれば未経験でも応募できる求人が多く、残業が比較的少ない点も決め手になっているようです。
「人と話すのは嫌いではない」「成果が目に見える仕事がいい」という方が選ぶケースが目立ちます。既存顧客のルート営業や問い合わせ対応型の内勤営業など、未経験者向けのポジションも豊富に存在しており、意外とハードルは高くありません。
アルバイトで接客経験がある方にとっては、その経験がそのまま実務スキルとして評価される点が大きな魅力です。「接客は嫌じゃなかった」という感覚をそのまま活かし、正社員としてのキャリアをスタートさせる方が多くいらっしゃいます。
「転職したいけど何がしたいかわからない」のは、20代の大多数が感じている悩みであり、決して甘えや怠けではありません。内閣府調査でも6割以上が「今の自分を変えたい」と回答しており、方向性が定まらないこと自体はごく普通のことです。ただし、フリーター期間が長くなるほど正社員転換率は下がり、未経験歓迎の求人も年齢とともに減っていきます。「やりたいことを見つけてから」ではなく、嫌なことを除外し、過去の経験からヒントを拾い、求人を実際に見てみる。この3ステップで、転職活動は十分に始められます。一人で考え続けて止まってしまっているなら、MyStyle転職の無料キャリア相談で、まずは今の状況を話すところから始めてみてください。
この記事を書いた人
池田 康希 | Koki Ikeda
国家資格キャリアコンサルタント / 転職支援事業責任者
全国3万社の中から、信頼できるエージェント14社に選出
日本最大手通信キャリアでの就業を経てAITAIDに参画。 転職支援サービス『MyStyle転職』の立ち上げを行い、事業推進に加えて自身もキャリアコンサルタントとして累計 1,000名以上 のキャリア支援に従事。 主に「未経験者」や「短期離職経験者」の支援を得意としている。
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