
人のキャリアや働き方の相談に携わりたいという思いが強くなり、キャリアコンサルタントという国家資格が気になり始めた方もいらっしゃるのではないでしょうか。ただ資格の種類や取得までの流れが分かりにくく、何から始めればいいのか迷っている方も多いはずです。
キャリアコンサルタントは国が定めた資格で、資格を取得するまでにはいくつかのルートがあります。産業カウンセラーなど関連する資格と混同されやすいため、まずはそれぞれの位置づけを整理しておくことが大切です。
この記事では、転職支援実績を持つ国家資格キャリアコンサルタントが、資格取得までの流れと、取得後のキャリアの活かし方を解説します。
キャリアコンサルタントは、働く人のキャリア形成を支援する国家資格です。よく比較される産業カウンセラーとの違いを整理しておきましょう。
比較項目 | キャリアコンサルタント | 産業カウンセラー |
|---|---|---|
資格の位置づけ | 国家資格 | 民間資格 |
主な支援対象 | 就職や転職、キャリア形成に関する相談 | 職場でのメンタルヘルスや人間関係の相談を含む幅広い相談 |
活躍の場 | ハローワークや企業の人事部門、転職エージェントなど | 企業の相談窓口や研修機関など |
キャリアや働き方の相談を専門的に支援したい方にはキャリアコンサルタント、メンタルヘルスを含めた幅広い相談支援に関心がある方には産業カウンセラーが向いていると言えるでしょう。どちらを目指すか迷う場合は、実際にどのような相談支援をしたいのかを整理してみることをおすすめします。
キャリアコンサルタントの資格取得までには、いくつかの段階があります。順を追って見ていきましょう。
資格取得には、厚生労働大臣が認定する養成講習を修了するルートや、労働者の職業選択や職業能力開発に関する相談業務に一定期間従事した実務経験を積んで受験資格を得るルートなど複数の道筋があります。人事や転職支援の実務経験が浅い方は養成講習ルートを選ぶケースが多く、すでに関連業務の経験を積んでいる方は実務経験ルートで受験資格を満たせないか確認してみる価値があります。自分の経歴や状況に合わせて、どのルートが現実的かを調べてみましょう。
養成講習では、キャリア理論やカウンセリングの基礎などを体系的に学びます。働きながら学習を進める方も多く、無理のないペースで計画を立てることが大切です。受講料は登録講習機関やコースの内容によって差があり、まとまった負担になることが一般的です。ただし、一定の条件を満たす講座であれば、雇用保険の教育訓練給付金制度を利用して自己負担を抑えられる場合があるため、講習を選ぶ際にはあわせて確認しておくと安心です。
学科試験と実技試験からなる国家試験に合格すると、資格取得への道が大きく前進します。学科試験は四肢択一のマークシート方式で出題され、100点満点中70点以上の得点が合格の目安とされています。実技試験は論述と面接で構成され、150点満点中90点以上の得点で合格となります。試験の実施機関によって出題傾向に違いがあるため、事前に情報を集めておきましょう。また、学科試験と実技試験をあわせて受験する場合の受験手数料は38,800円(学科のみ8,900円、実技のみ29,900円)となっており、受験計画を立てる際の目安にしておくと良いでしょう。
試験合格後は、登録手続きを経てキャリアコンサルタントとして名乗ることができるようになります。資格は取得して終わりではなく、一定期間ごとに更新講習を受講して登録を更新する仕組みになっているため、取得後も継続的に知識やスキルをアップデートしていく姿勢が求められます。手続きの詳細は実施機関の案内で確認しましょう。
キャリアコンサルタントの資格は、さまざまな現場で活かすことができます。
企業の人事部門では、社員のキャリア面談やキャリア研修の企画に携わる場面があります。近年ではセルフキャリアドックや定年後のキャリア支援など、人生100年時代を見据えた社内キャリア支援の体制づくりに資格を活かす企業も見られます。ハローワークや職業訓練校などの公的機関でも、求職者一人一人の状況に合わせた相談や職業紹介の場で、資格を活かして相談支援を行う道があります。
転職エージェントでキャリアアドバイザーとして働く道や、経験を積んだのちに独立して相談業務を行う道もあります。企業内で人事や研修の実務を経験した後に、人材事業会社や転職支援企業へ転職するケースもあれば、学校や大学のキャリアセンターで学生の進路相談に携わる道もあります。どの働き方が自分に合っているかは、実際に資格を取得した人の話を聞きながらイメージを広げていくと良いでしょう。
キャリアコンサルタントは働く人のキャリア形成を支援する国家資格で、取得までにはいくつかのステップがあります。
キャリアコンサルタントは国家資格、産業カウンセラーは民間資格という違いがある
資格取得には養成講習や実務経験などいくつかのルートがある
国家試験合格後、登録手続きを経て資格取得となる
資格取得後は人事部門やハローワーク、転職エージェントなど幅広い場で活かせる
まずは自分がどのような相談支援をしたいのかを整理しながら、資格取得への道筋を検討していきましょう。
Q. キャリアコンサルタントの資格取得に年齢制限はありますか。
明確な年齢制限は設けられていません。人のキャリア相談に関わりたいという意欲があれば、社会人経験を積んでから目指す方も多くいらっしゃいます。
Q. 働きながらでも資格取得を目指せますか。
養成講習には夜間や土日に開講されるものもあり、働きながら学習を進める方が多いのが実情です。ご自身の生活リズムに合わせて講習を選ぶと良いでしょう。
Q. 産業カウンセラーの資格を先に取得してからキャリアコンサルタントを目指すことはできますか。
それぞれ独立した資格のため、どちらから取得しても問題ありません。自分がどのような相談支援をしたいかを軸に、取得の順番を検討しましょう。
関連記事
2026/8/18
人生100年時代、20代からキャリアをどう考える?
先行きが見えにくい時代のなかで、この先の長期的なキャリアの方向性をどう考えればよいか悩む20代に向けて、人生100年時代といわれる背景の整理から、将来を見据えたキャリアとの向き合い方まで、国家資格キャリアコンサルタントがわかりやすく解説します。
2026/8/18
自分の強みがわからない20代へ | 仕事で活かす見つけ方のコツを解説
働いているものの自分の強みや得意なことがはっきりせず、キャリアに自信を持てないと感じる20代に向けて、転職を前提とせず、日常の中から自分の強みに気づくヒントと、仕事に活かしていく考え方を国家資格キャリアコンサルタントがわかりやすく解説します。
2026/8/18
ライフプランの作り方は? 20代から始める将来設計のステップを解説
結婚や住宅購入、老後など将来のお金と人生設計が漠然としていて不安な20代に向けて、今の収支の把握から将来のライフイベントの整理、目標の立て方まで、無理なく続けられるライフプランの作り方を国家資格キャリアコンサルタントがわかりやすく解説します。
2026/8/17
エニアグラムタイプ9(平和主義者型)に向いている仕事7選|適職を解説
エニアグラムでタイプ9(平和主義者型)と診断され、自分に向いている仕事や適職を探している方に向けて、タイプ9の強みを活かせる職種の特徴や、キャリアを考えるときのポイントを、転職支援実績を持つ国家資格キャリアコンサルタントがわかりやすく解説します。