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人間関係で転職を繰り返さないためには、これまで辞めた理由を、特定の人との問題と、職場の環境や仕組みの問題に分けて振り返り、次の職場では面接や見学で関わり方を確かめて選ぶのが基本です。
人間関係の悩みは、入社してみないと分からない部分があります。ただ、辞めた職場に共通する点を見つけておくと、次に応募する会社で何を確かめればいいかが分かります。
この記事では、人間関係で辞めた理由の振り返り方と、次の職場の見極め方を、国家資格キャリアコンサルタントが解説します。
人間関係を理由に仕事を辞めることは、珍しいことではありません。国の調査で、どの時期に人間関係を理由に辞める人が多いかを確かめます。数字を知っておくと、自分だけが人間関係で辞めているわけではないと分かり、落ち着いて振り返りに取り組めます。
厚生労働省の令和5年若年者雇用実態調査で、初めて勤務した会社を辞めた若年労働者の理由(3つまで回答)を見ると、「人間関係がよくなかった」が26.4%でした。「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」の28.5%に次いで高くなっています。
同じ調査で、初めて勤務した会社で現在も働いている若年労働者は55.5%、働いていない人は42.7%でした。初めての会社を辞めることは珍しくありませんが、辞めた理由を振り返らないまま次を選ぶと、同じ理由で辞めることになりかねません。
同じ調査で、初めて勤務した会社での勤続期間別に辞めた理由を見ると、1年未満の期間では「人間関係がよくなかった」と答えた割合が最も高くなっています。3か月未満で辞めた人では52.3%、3か月~6か月未満では40.1%、6か月~1年未満では37.4%でした。10年以上勤めてから辞めた人でも、「人間関係がよくなかった」が39.5%で最も高くなっています。
入社してすぐの時期は、職場の人と関係を築いている途中でもあります。短い期間で辞めることを繰り返している場合は、辞めた理由を振り返り、次の職場で何を確かめるかを決めておくことが大切です。
これまで辞めた職場ごとに、人間関係で何があったのかを振り返り、特定の人との問題か、職場の環境や仕組みの問題かに分けます。
特定の上司の言い方がきつかった、同僚の一人と合わなかったなど、特定の人との相性が原因の場合は、次の職場で同じ人に出会うわけではありません。
ただし、どんな言い方や接し方が苦手だったのかを言葉にしておくと、面接で上司になる人の話し方を見る手がかりになります。
忙しすぎて誰にも質問できなかった、教える人が決まっていなかったなど、職場の環境や仕組みが原因の場合は、次の職場も同じ環境なら、同じことが起こりやすくなります。
MyStyle転職の支援事例では、入社半年で退職した22歳の方の話を丁寧に聞くと、入社前に聞いていた話と、実際の業務や教育の体制に大きな違いがありました。次の会社選びでは、入社後にどう育ててもらえるかを確かめる軸を作り、研修体制が整った事務職に転職しています。
支援事例には、販売や事務など3社で短期離職を繰り返した28歳の方もいます。人間関係と、「思っていた仕事内容じゃない」という理由が重なって、転職と退職を繰り返していました。自分史を作って振り返ると、それまでの仕事選びが、周りからどう見られるかや親が喜ぶかを基準にしていたことに気づき、自分の基準で仕事を探して転職しています。
辞めた職場を並べて、人数、忙しさ、教え方、仕事を選んだ理由に共通点がないかを書き出すと、次に避けたい環境が見えてきます。
人間関係は入社してみないと分からない部分がありますが、入社前に確かめられることもあります。確かめられることを知っておくと、応募先を比べるときの材料が増えます。
面接で「配属先は何人くらいで、どのような年齢層の方がいますか」「入社後は、どなたに仕事を教えていただけますか」と聞きます。教える人が決まっているか、質問しやすい仕組みがあるかは、職場の環境を知る手がかりになります。前の職場で困ったことがあれば、「分からないことがあったときは、誰に相談する流れになっていますか」のように同じ場面を想定して聞くと、答えから職場の仕組みが見えてきます。
職場見学ができる場合は、社員同士のあいさつや声のかけ方、忙しい時間帯の雰囲気を見ます。見学を頼むときは、「働く環境を具体的に知りたい」と目的を伝えます。見学ができない会社でも、面接の会場が職場と同じ建物にある場合は、受付や通路での社員同士のやり取りを見ておきます。見学や面接の後は、感じたことを忘れないうちにメモしておきます。
面接官は、入社後に一緒に働く上司になることもあります。質問への答え方や、こちらの話を聞く姿勢を見ておくと、職場でのやり取りを想像する材料になります。前の職場で苦手だった接し方を思い出し、同じような場面がないかを確かめます。面接の最後に質問の時間があれば、「入社した方が職場になじむまでに、どのような声かけをしていますか」と聞くのも方法です。口コミサイトなどの評判は、書いた人の立場や時期によって内容が偏ることがあるため参考程度にとどめ、自分で見聞きした様子を重視します。
確かめる方法を知ったら、自分にとって人間関係で悩みにくい職場の条件を決めておきます。条件を決めておくと、面接や見学で何を見ればいいかがはっきりし、求人を比べるときにも迷いにくくなります。
大人数の中で働くほうが楽か、少人数で深く関わるほうが楽か、チームで進める仕事と一人で進める仕事のどちらが合うかを考えます。これまでの職場やアルバイトで、どんな環境のときに楽だったかを振り返ると、好みが見えてきます。好みが分かったら、求人票の仕事内容や面接で、配属先の人数や仕事の進め方が合っているかを確かめます。
教えてくれる人がいる、大きな声で怒る人がいないなど、人間関係で譲れない条件と、多少は合わなくても続けられる条件を分けて書き出します。すべての条件がそろう職場を探すより、譲れない条件を満たす職場を選ぶほうが、応募先を決めやすくなります。たとえば「質問できる相手がいる」を譲れない条件にした場合は、面接で教える担当者がいるかを必ず確かめます。反対に、職場のにぎやかさなどは入社してから慣れることもあるため、調整できる条件に入れておきます。
応募を考えている求人ごとに、譲れない条件を満たしているか、面接や見学で確かめたことを表にまとめます。複数の会社を並べると、条件を満たす会社と、まだ確かめていない点がある会社が分かり、応募や入社を決めるときの判断材料になります。表にまとめておくと、面接で聞き忘れたことにも気づきやすくなります。
面接では、転職の回数や辞めた理由を聞かれることがあります。人間関係の不満を話すのではなく、振り返って気づいたことと、次の職場で大切にしたいことを伝えます。話す内容は、辞めた理由、振り返って気づいたこと、今回の選び方の順にまとめると、短く伝えやすくなります。
「これまで3社で働きましたが、どの職場も短い期間で退職しています。振り返ると、仕事を教わる体制が整っていない職場で、質問できずに一人で抱え込んでしまったことが共通していました。今回は、研修と相談できる体制を重視して会社を選んでおり、御社で基礎から学びながら長く働きたいと考えています。」
辞めた回数を隠さずに伝え、振り返って見つけた共通点と、今回の会社選びの基準を話しています。共通点を自分の行動や選び方の問題として話すと、同じことを繰り返さないための工夫が伝わりやすくなります。
「前の職場では、忙しい時期に質問しづらい雰囲気があり、自分から相談するのが遅れてしまったことがありました。今は、困ったことは早めに相談し、分からないことはメモにまとめてから質問するようにしています。周りの方と協力しながら仕事を進められるよう、自分からも声をかけていきたいと考えています。」
前の職場の人を悪く言わず、自分が改めたことを具体的に話しています。相談の仕方を変えたことなど、実際に取り組んでいることを話すと、入社後の働き方も想像してもらいやすくなります。前の職場の説明が長くなりすぎないように注意します。
人間関係で辞めた理由を、特定の人の問題と環境の問題に分ける
辞めた職場に共通する点を書き出し、次に避けたい環境を決める
面接や見学で、配属先の人数、教え方、社員同士の様子を確かめる
面接では、不満ではなく振り返って気づいたことを伝える
まずは、これまで辞めた職場ごとに、人数、忙しさ、教え方を書き出し、共通する点を探してみてください。
Q. 転職回数が多いと、書類選考で落ちやすいですか。
転職回数だけで判断されるとは限りませんが、短い期間での退職が続くと、理由を気にされることがあります。職務経歴書では、それぞれの職場で担当したことと身につけたことを具体的に書き、面接で辞めた理由と今回の選び方を説明できるようにしておきます。
Q. 人間関係が理由で辞めたことは、正直に伝えるべきですか。
うそをつく必要はありませんが、特定の人への不満をそのまま話すと、同じことが起こるのではと心配されやすくなります。事実を簡潔に伝えたうえで、振り返って気づいたことと、次の職場で自分がどう行動したいかに話の中心を置きます。
Q. 入社してすぐ人間関係が合わないと感じたら、どうすればいいですか。
入社してすぐの時期は、職場の人と関係を築く途中でもあります。困っていることを具体的に書き出し、教える担当の人や上司に相談します。心身の不調が続く場合は、無理を続けず、休むことや社内外の相談窓口を利用することも考えます。
Q. 入社後に人間関係のトラブルを避けるために、気をつけることはありますか。
入社して最初の数か月は、あいさつや報告、相談をこまめにすることを意識します。分からないことを一人で抱え込まず、質問するときは内容をまとめてから聞くと、相手も答えやすくなります。合わない人がいても、仕事で必要なやり取りは丁寧に続けます。
Q. 人間関係がつらくて、次の職場を探す気力がありません。
気力がわかないときは、無理に転職活動を始める必要はありません。まずは休む時間を確保し、気持ちが落ち着いてから、辞めた職場の振り返りなど小さなことから始めます。一人で整理しにくい場合は、信頼できる人や相談先に話を聞いてもらうと、考えをまとめやすくなります。