この記事を書いた人 - 池田 康希
この記事を書いた人
池田 康希 / Koki Ikeda
国家資格キャリアコンサルタント/転職支援事業責任者
全国約 3万社 の中から
「信頼できるエージェント14社」へ選出
日本最大手通信キャリアでの就業を経てAITAIDに参画。
転職支援サービス『MyStyle転職』の立ち上げを行い、事業推進に加えて自身もキャリアコンサルタントとして累計 1,000名以上 のキャリア支援に従事。
主に「未経験者」や「短期離職経験者」の支援を得意としている。
保有資格
- 国家資格キャリアコンサルタント
- メンタルヘルスマネジメントⅡ種
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この記事でわかること
- ✓施工管理技士7種類の特徴と自分に合う選び方
- ✓未経験でも受検できる仕組みと制度改正のポイント
- ✓2級技士補から1級へ進む具体的なステップ
- ✓資格取得を目指しながら働くための準備の進め方
こんな人に読んでほしい
- ✓施工管理職への転職・就職を検討している20〜30代の方
- ✓建設・建築業界が未経験で、どこから始めればよいか迷っている方
- ✓資格と仕事の経験を並行して積みながらキャリアを築きたい方
「施工管理技士の資格を取りたいけれど、未経験でも受けられるのか不安…」と感じている方は多いのではないでしょうか。確かに、実務経験が必要なイメージが強い国家資格の取得は、ハードルが高く見えます。とはいえ、制度改正によって未経験者でも最初の一歩を踏み出しやすくなっています。
この記事では、転職支援実績を持つ国家資格キャリアコンサルタントが、施工管理に役立つ資格の種類・取得ステップ・難易度を解説します。
施工管理技士とは何か まずは基本を整理しましょう
施工管理技士は、建設工事の現場を管理・監督する国家資格です。工事の工程管理、品質管理、安全管理、原価管理などを担い、現場を円滑に進める中心的な役割を果たします。
施工管理技士が担う4つの管理業務
施工管理技士の主な役割は、次の4つの管理業務です。
工程管理 工事スケジュールを計画・調整し、期日どおりに完成へ導きます
品質管理 設計図どおりの品質が確保されているかを確認・記録します
安全管理 作業員や第三者の安全を守るための措置を講じます
原価管理 予算内で工事を完結できるよう費用をコントロールします
これらの業務は専門的な知識が求められるため、国家資格として技術水準が担保されています。資格を持つことで、一定規模以上の工事現場において「主任技術者」や「監理技術者」として配置されることができます。
1級と2級の違い
施工管理技士には1級と2級があり、担当できる工事規模が異なります。2級は比較的小規模な工事の主任技術者として活躍でき、1級は大規模工事の監理技術者も担えます。未経験の方はまず2級から目指すのが一般的なルートです。
また、第一次検定に合格した時点で「技士補」という資格が与えられ、現場で監理技術者を補佐する役割を担えます。第二次検定まで合格すると「施工管理技士」として正式に認められます。
施工管理技士7選 種類と特徴を確認しましょう
施工管理技士は工事の種別によって7つの資格に分かれています。まず自分が携わりたい工事の種類を把握することが、資格選びの出発点です。
1 建築施工管理技士
建築物全般(住宅・ビル・商業施設など)の工事を管理する資格です。受験者数が7種類のなかで最も多く、転職市場での求人ニーズも高い資格です。建設業界への転職を考える未経験者に最初に検討してほしい資格といえます。
2 土木施工管理技士
道路・橋梁・河川・トンネルなどの土木工事を管理する資格です。インフラ整備の現場を支える資格で、公共工事との関わりが深い分野です。
3 電気工事施工管理技士
変電設備・送電設備・照明設備などの電気工事を管理します。電気系の専門知識が必要になるため、電気工事士などの関連資格と組み合わせて取得するケースが多いです。
4 管工事施工管理技士
空調設備・給排水設備・ガス配管などの管工事を管理します。建物に不可欠な設備工事を担う資格で、安定した需要があります。
5 電気通信工事施工管理技士
電話・LANネットワーク・放送設備などの電気通信工事を管理します。2019年に新設された比較的新しい資格で、デジタルインフラの需要拡大に伴い注目度が高まっています。
6 造園施工管理技士
公園・緑地・庭園などの造園工事を管理する資格です。7種類のなかでは難易度が高めとされ、合格率も低い傾向にあります。
7 建設機械施工管理技士
ブルドーザー・ショベルカーなどの建設機械を用いた工事を管理します。機械操作の実技試験があることが特徴で、機械系の現場経験がある方に向いています。
未経験でも受検できる仕組み 制度改正のポイントを押さえましょう
「未経験だから受検できない」と思い込んでいる方も多いですが、実際には段階的に受検できる仕組みが整っています。
第一次検定は年齢要件のみで受検可能
令和6年度(2024年度)の制度改正により、第一次検定は実務経験不要になりました。受検できる条件は次のとおりです。
2級第一次検定 受検年度末に17歳以上であること
1級第一次検定 受検年度末に19歳以上であること
年齢条件さえ満たせば、業界未経験でも受検できます。第一次検定の合格で「技士補」の資格が与えられ、現場で施工管理技士の補佐として働きながら実務経験を積むことができます。
第二次検定には実務経験が必要
一方、「施工管理技士」として正式に認められる第二次検定には実務経験が必要です。令和6年度改正後の主な要件は次のとおりです(学歴別の区分は廃止され、検定合格後の実務経験年数で統一されました)。
2級第二次検定の場合
2級第一次検定合格後、実務経験3年以上
または1級第一次検定合格後、実務経験1年以上
1級第二次検定の場合
1級第一次検定合格後、実務経験5年以上
または特定実務経験1年以上を含む実務経験3年以上
または監理技術者補佐としての実務経験1年以上
なお、令和10年度(2028年度)までは旧受検資格(学歴別要件)も経過措置として利用できます。制度改正の詳細は国土交通省や各試験実施団体の公式サイトで最新情報をご確認ください。
実務経験として認められる業務
工程・品質・安全・原価管理や施工図の作成・検討などが実務経験として認められます。一方、単純な事務作業や設計のみの業務、営業活動は実務経験に含まれません。入社後にどのような業務を担当するか確認しておきましょう。
ステップ解説 未経験から施工管理技士を目指す流れ
未経験から施工管理技士を取得するまでの流れを4つのステップで整理します。
ステップ1 目指す工種と資格の種類を決める
まず「どの工事に携わりたいか」を明確にしましょう。建築・土木・設備など、興味のある分野を絞ることで、受けるべき資格と求人の方向性が定まります。転職活動と並行して検討しても構いません。
ステップ2 現場経験を積める企業に入社する
未経験歓迎の求人を活用し、施工管理補助や現場アシスタントとして入社します。入社後すぐに実務経験を積み始めることができ、後の受検要件を満たすための土台になります。企業によっては資格取得支援制度があるため、入社前に確認しておきましょう。
ステップ3 2級第一次検定を受検して「技士補」を取得する
入社後、早めに2級第一次検定を受検しましょう。実務経験が不要なため、入社後すぐに挑戦できます。合格すると「2級施工管理技士補」の称号が得られ、現場での役割も広がります。試験は学科中心の択一式で、テキストと過去問を活用すれば独学でも対応できます。
ステップ4 実務経験を積んで第二次検定へ進む
技士補として実務を積みながら、第二次検定の受検要件を満たしましょう。2級第二次検定では実務経験3年以上(1級第一次合格者は1年以上)が必要です。第二次検定は記述式問題が中心のため、現場での経験が直接活きます。2級取得後はさらに経験を積み、1級を目指すことでキャリアの幅がさらに広がります。
資格取得を目指す際の準備 押さえておきたい3つのポイント
施工管理技士の取得をスムーズに進めるために、あらかじめ知っておきたいポイントを整理します。
試験日程と試験回数を把握する
施工管理技士の試験は種類によって実施回数が異なります。2級第一次検定は年2回実施されるものもあり、チャンスが広がっています。試験日程は各試験実施団体(一般財団法人建設業振興基金など)の公式サイトで確認しましょう。申込期間が限られているため、年間スケジュールを早めに把握しておくことが重要です。
学習時間の目安と教材の選び方
2級第一次検定の学習時間は、一般的に100〜200時間程度が目安とされています(個人差があります)。テキストと過去問を組み合わせた学習が基本で、市販の問題集や通信講座を活用する方も多くいます。仕事と並行して学習する場合は、毎日少しずつ積み上げるペースが長続きします。
企業の資格取得支援制度を活用する
建設業界では、資格取得を支援する制度を設けている企業が多くあります。受験費用の補助、学習教材の提供、勉強時間の確保など、サポートの内容は企業によって異なります。転職・就職先を選ぶ際に確認しておくと、資格取得を並行して進めやすくなります。
まとめ
施工管理技士は未経験からでも段階的に目指せる国家資格です。制度改正により第一次検定は年齢要件のみで受検できるため、まず技士補を取得しながら実務経験を積む流れが基本となります。
施工管理技士は工事の種類によって7種類あり、自分の志望分野に合わせて選ぶことが大切
2級第一次検定は17歳以上で受検可能で、実務経験は不要
第二次検定には一定の実務経験が必要なため、現場経験を積める職場選びが重要
企業の資格支援制度を活用しながら、学習と実務を並行させることで取得を目指せる
「取れるかどうか不安」な状態でも、まずは情報を集めて受検計画を立てることから始めましょう。一歩踏み出すことでキャリアの可能性は確実に広がります。
よくある質問
Q. 未経験でも施工管理技士の試験を受けられますか?
2級第一次検定は受検年度末に17歳以上であれば誰でも受検できます(令和6年度改正後)。実務経験は不要なので、業界未経験でも挑戦できます。ただし「施工管理技士」として正式に認定される第二次検定には一定の実務経験が必要です。
Q. 施工管理技士の資格は何種類ありますか?
工事の種別によって7種類あります。建築・土木・電気工事・管工事・電気通信工事・造園・建設機械の各分野に分かれており、自分が携わりたい工事に合わせて選びます。それぞれに1級と2級があります。
Q. 未経験から2級施工管理技士を取得するまでどのくらいかかりますか?
一般的な流れでは、入社後に第一次検定を受検して技士補を取得し、その後実務経験3年以上(または1級第一次合格者は1年以上)を満たしてから第二次検定に進みます。最短ルートであれば数年単位での計画が目安になります。正確な要件は受検する種類の試験実施団体へ確認しましょう。
Q. 施工管理技士の資格を取るとどのようなメリットがありますか?
一定規模以上の工事現場で「主任技術者」や「監理技術者」として活躍できる可能性が広がります。資格手当が支給されるケースも多く、年収アップにつながることも少なくありません。また、建設業界では資格保有者への需要が高いため、転職時の選択肢も広がります。
Q. 資格なしで施工管理の現場経験を積むことはできますか?
資格がなくても施工管理補助や現場アシスタントとして採用される求人は多くあります。むしろ最初は資格なしで入社し、実務経験を積みながら試験勉強を進めるスタイルが一般的です。未経験歓迎の求人を活用しましょう。
「施工管理って実務経験がないと受けられないんじゃないですか?」という相談を現場でよく受けます。お話を聞くと、制度改正前のイメージを持ったままの方が多く、実は年齢さえ満たせば第一次検定を受けられることをご存じない方がとても多いんです。まずは技士補という入口から踏み出し、現場経験と資格を並行して積んでいく流れをぜひ知ってほしいと思います。