退職が申し訳ないと感じる... 恩がある会社から転職する決断

最終更新:

2026/10/22 01:01

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退職が申し訳ないと感じても、恩がある会社を辞めることは裏切りではありません。お世話になった感謝と、転職したい理由を分けて考え、辞めると決めたら引き継ぎの時期を決めて誠実に伝えるのが基本です。

仕事を教えてくれた上司や、困ったときに助けてくれた社長がいると、辞めたい気持ちがあっても言い出せなくなります。ただ、申し訳なさから決断を先延ばしにすると、自分の将来の選択肢が狭まることもあります。

この記事では、恩がある会社から転職するかを決める考え方と、感謝を伝えながら退職を切り出す方法を、国家資格キャリアコンサルタントが解説します。

退職が申し訳ないと感じる気持ちの中身を整理する

申し訳ないという気持ちの中には、いくつかの気持ちが混ざっています。何に申し訳なさを感じているのかを分けると、辞めるかどうかを落ち着いて考えやすくなります。申し訳なさを感じるのは、それだけ今の職場で人との関係を大切にしてきたからでもあります。

恩を返せていないと感じる気持ちを見つめる

仕事を一から教えてもらった、困ったときに助けてもらったなど、恩を感じる経験があるほど、辞めることが恩を裏切るように感じます。

ただ、恩は辞めるまでの働きぶりや、辞めた後の関係の中でも返していけます。在籍している間に任された仕事をやりきり、丁寧に引き継ぐことも、感謝を伝える方法の一つです。辞める前に、お世話になった人に何を伝えたいかを書き出しておくと、感謝の伝え方を具体的に考えられます。

残る人に迷惑をかけるという不安を分ける

人が少ない職場ほど、自分が辞めた後に残る人の仕事が増えることを心配します。ただ、人の配置や採用を考えるのは会社の役割です。

自分にできるのは、辞める時期を早めに伝え、引き継ぎの資料を用意することです。できることとできないことを分けると、申し訳なさを必要以上に抱えずに済みます。

辞めることへの引け目を次に生かす

MyStyle転職の支援事例では、入社半年で退職代行を使って退職した22歳の方が、そのことに強い引け目を感じていました。面談では本人を責めず、なぜそこまで追い詰められたのかを丁寧に聞き、過去を否定せずに、何を学んで次に生かすかに目を向けました。

辞めることへの引け目は、次の会社選びで何を確かめるかに生かすと、前に進む力に変えられます。

恩がある会社から転職するかを決める判断基準

申し訳なさを整理したら、感謝の気持ちとは別に、自分の将来から転職するかを判断します。申し訳なさが強いと、残る理由ばかりを探してしまうことがあるため、次の3つの基準で、残る理由と辞める理由を同じ重さで比べます。

辞めたい理由が今の会社で解決できるか

辞めたい理由が、仕事内容や働き方、給与などにある場合、上司に相談することで変えられるかを考えます。恩を感じている上司なら、相談しやすいこともあります。相談するときは、いきなり辞めたいと伝えるのではなく、「今の働き方で悩んでいることがある」と切り出すと、落ち着いて話し合えます。

相談しても変わらない場合や、会社の中では実現できない理由の場合は、転職を考える材料になります。

5年後も今の会社で働く姿を思い描けるか

今の会社で5年後にどんな仕事をしているかを思い描きます。担当している仕事の内容、任される役割、働く時間や休日など、具体的な場面まで考えます。思い描いた姿に納得できるなら、恩を感じている会社で働き続けることも自然な選択です。

反対に、今のままでは自分がやりたいことに近づけないと感じるなら、申し訳なさだけを理由に残ると、後悔が残ることがあります。

感謝と転職したい理由を分けて書き出す

紙を2つに分け、片方に今の会社に感謝していること、もう片方に転職したい理由を書き出します。感謝していることが多くても、転職したい理由がなくなるわけではありません。

書き出すと、感謝は辞めた後も持ち続けられるもので、転職するかどうかは別に決めることだと整理できます。書き出した紙は、実際に退職を伝えるときに感謝の言葉を考える材料にもなります。

恩がある会社に退職を切り出す前に準備すること

辞めると決めたら、切り出す前に準備をしておくと、申し訳なさがあっても落ち着いて伝えられます。準備が整っていないまま切り出すと、引き止められたときに答えに詰まり、決断を先延ばしにしてしまうことがあります。

転職先を決めてから退職を伝える

引き止められたときに気持ちが揺れないよう、転職先の内定を得てから退職を伝えるのが基本です。次の仕事が決まっていない状態で伝えると、「もう少し考えてみたら」と言われたときに、辞める理由を説明しにくくなります。転職活動は今の仕事を続けながら進めると、収入が途切れず、焦らずに応募先を選べます。内定をもらったら、入社日を転職先と相談し、引き継ぎに必要な期間を確保できるように調整します。

退職を伝える時期を就業規則で確かめる

民法第627条では、期間の定めのない雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過すると終了すると定められています。ただし、会社の就業規則に退職の申し出の時期が決められていることもあるため、確かめたうえで、引き継ぎに必要な期間を考えて伝える時期を決めます。伝えてから最終出社日までの期間は、担当している仕事の量や、後任が決まるまでの時間も考えて決めます。

引き継ぎの資料を先に用意しておく

担当している仕事の一覧、取引先の連絡先、仕事の手順などをまとめておきます。退職を伝えるときに「引き継ぎの資料も準備しています」と話せると、残る人への配慮が伝わり、申し訳なさを行動で示せます。資料には、進行中の仕事の状況と、次に何をすればよいかも書いておくと、後任の人が困らずに済みます。

お世話になった上司に感謝を伝えて退職を切り出す例文

退職は、まず直属の上司に、直接会って伝えます。感謝の言葉を先に伝え、辞める理由は前向きな内容にします。伝える場所はほかの人に聞かれない会議室などを選び、「ご相談したいことがあるので、お時間をいただけますか」と事前にお願いしておきます。

上司に退職を切り出すときの例文

「お忙しいところお時間をいただき、ありがとうございます。入社してから、仕事を一から教えていただき、本当に感謝しています。ずっと悩んできましたが、以前から挑戦したかった仕事に携わるため、3月末で退職させていただきたいと考えています。引き継ぎの資料も準備していますので、最後まで責任を持って務めます。」

感謝を先に伝えてから、退職の意思と時期をはっきり伝えています。「悩んできました」と添えると、申し訳なさを感じていることも伝わります。引き継ぎの準備を話すと、残る人への配慮も示せます。

引き止められたときに答える例文

「そのように言っていただき、本当にありがとうございます。お世話になった会社を離れることは、私にとっても簡単な決断ではありませんでした。それでも、これからの仕事について考え抜いて決めたことですので、気持ちは変わりません。残りの期間は、引き継ぎをしっかり行い、ご迷惑をできるだけ少なくしたいと考えています。」

引き止めてもらったことに感謝しながら、決めたことは変わらないとはっきり伝えています。あいまいに答えると話し合いが長引くため、感謝と決意の両方を伝えます。何度引き止められても、同じ言葉で落ち着いて答えます。

退職した後も恩がある会社との関係を大切にする方法

辞めることで、お世話になった人との関係が終わるわけではありません。退職の前後にできることを知っておくと、申し訳なさを感謝の形に変えられます。退職は関係の終わりではなく、関係の形が変わるきっかけと考えると、申し訳なさを必要以上に抱えずに済みます。

最終日にあいさつと感謝を伝える

最終日には、お世話になった人に直接あいさつをします。直接会えない人には、メールや手紙で感謝を伝えます。何に感謝しているかを具体的に一言添えると、気持ちが伝わりやすくなります。あいさつの品を用意する場合は、職場の人数に合わせて、個包装のお菓子など分けやすいものを選びます。最終日までに、借りていた物の返却や私物の片付けも済ませておきます。

転職先で働く様子を報告して恩を返す

退職後、落ち着いた頃に、転職先で元気に働いていることを伝えると、送り出した側も安心できます。前の会社で教わったことが今の仕事で役立っている場面があれば、その話を添えます。連絡するときは相手の忙しい時期を避け、短いメッセージで近況を伝えます。報告は、転職してすぐより、新しい仕事に慣れてからのほうが具体的な話を伝えられます。前の会社の人から連絡をもらったときも、できる範囲で丁寧に返事をします。

転職先で前の会社のことを悪く言わない

転職先の面接や入社後に、前の会社のことを聞かれる場面があります。前の会社を悪く言わず、そこで身につけたことを話すと、お世話になった人への感謝を形にできます。前の会社で教わった仕事の進め方を新しい職場で生かすことも、恩を返す方法の一つです。前の会社との関係を大切にしている姿勢は、転職先の人にも誠実な人柄として伝わります。

まとめ

  • 申し訳なさの中身を、恩・残る人への心配・引け目に分けて考える

  • 感謝と転職したい理由を分けて書き出し、自分の将来から判断する

  • 転職先を決め、就業規則で申し出の時期を確かめてから伝える

  • 感謝の言葉を先に伝え、引き継ぎを丁寧に行って退職する

まずは、今の会社に感謝していることと、転職したい理由を3つずつ書き出してみてください。

よくある質問

Q. 忙しい時期に退職を伝えるのは避けたほうがいいですか。

可能であれば、忙しい時期を避けて伝えると、引き継ぎの時間を取りやすくなります。ただし、転職先の入社日との調整もあるため、時期にこだわりすぎて転職の機会を逃さないようにします。伝える時期に迷ったら、引き継ぎに必要な期間から逆算して決めます。

Q. お世話になった社長に直接伝えたほうがいいですか。

基本は直属の上司に先に伝えます。上司を飛ばして社長に伝えると、上司の立場を悪くしてしまうことがあります。社長に特にお世話になった場合は、上司に伝えた後に、社長にも直接あいさつする時間をもらえるか相談します。

Q. 退職の理由は正直に言うべきですか。

会社への不満が理由の場合でも、すべてをそのまま伝える必要はありません。「挑戦したい仕事がある」など、前向きな理由を中心に伝えます。ただし、事実と違う理由を作ると後で話が合わなくなることがあるため、うそはつかず、伝える内容を選びます。

Q. 引き止めで給料を上げると言われたら、残ったほうがいいですか。

給料が理由で辞めたいのであれば、残ることも選択肢になります。ただし、辞めたい理由が仕事内容や将来の方向にある場合は、給料が上がっても解決しないことがあります。引き止めの条件は、いつから、どのように変わるのかを確かめてから考えます。

Q. 申し訳なさで、どうしても退職を言い出せません。

まずは、退職を伝える日と、伝える言葉を紙に書き出して準備します。言葉が決まっていると、当日に話しやすくなります。それでも言い出せない場合は、家族や信頼できる人に話を聞いてもらい、気持ちを整理してから伝える日を決め直します。

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