退職代行でバイトを辞めてもいい? 判断基準と使う前の注意点を解説

最終更新:

2026/9/9 08:01

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前提として、退職代行を使わなくてもバイトは辞められます。民法により、申し入れから2週間で雇用は終了すると定められています。

そのうえで使う場合は、運営元を見る必要があります。一般企業、労働組合、弁護士の3つで、法律上できることが違います。

この記事では、それぞれの違い、使ったほうがよい場面、申し込む前の確認点までを、国家資格キャリアコンサルタントが解説します。

退職代行を使わなくても辞められる

まず、前提を確かめておきます。

民法627条が定めるもの

民法第627条第1項は「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する」と定めています。

辞めることに、相手の同意は必要ありません。申し入れてから2週間で終了するとされています。

バイトでも同じ扱いになる

この規定は、雇用形態で分けられていません。期間の定めのない雇用であれば、アルバイトでも同じです。

辞めさせてもらえない、という状態は法律上は想定されていません。ここを知っておくだけで、使うかどうかの判断が変わります。

NG例(辞めるときの考え方)

  • 認めてもらえないと辞められないと思う

  • 連絡を止めて行かなくなる

OK例(辞めるときの考え方)

  • 申し入れから2週間で終了すると知っておく

  • 日付を入れて意思を伝える

運営元によってできることが3つに分かれる

ここが一番大事な部分です。同じ退職代行という名前でも、中身は違います。

一般企業は伝えるだけ

弁護士法第72条は「弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない」と定めています。

つまり、一般企業が運営するサービスは、本人の意思を伝達することはできても、代理して交渉することはできません。有給を使いたい、未払い分を請求したいといった交渉は対象外です。

労働組合は交渉ができる

労働組合法第6条は「労働組合の代表者又は労働組合の委任を受けた者は、労働組合又は組合員のために使用者又はその団体と労働協約の締結その他の事項に関して交渉する権限を有する」と定めています。

労働組合が運営する場合は、この交渉権を根拠にしています。退職日や有給の扱いについて、職場と話し合うことができます。

弁護士は請求までできる

弁護士が対応する場合は、交渉に加えて、未払い賃金の請求や損害賠償を求められた場合の対応まで含められます。

賃金の未払いがある、損害賠償を求められているといった場合は、ここまで対応できる先を選ぶことになります。

退職代行を使ったほうがよい2つの場合

使うのが適している場面もあります。

辞めると言っても取り合われない

何度伝えても話を進めてもらえない場合です。人手が足りないからという理由で、退職届を受け取ってもらえないことがあります。

この場合、本人から伝え続けても変わらないことがあります。第三者からの連絡に切り替えることで、進むケースがあります。

心身が限界で連絡できない

もう一つは、職場に連絡すること自体が難しい状態です。体調を崩している場合や、職場で強い言葉を受けている場合が該当します。

無理をして連絡を先延ばしにすると、無断欠勤になります。それよりは、費用をかけてでも区切りをつけるほうが、後の就職活動にとっても安全です。

申し込む前に確かめておく3つのこと

使うと決めた場合でも、先に見るべき点があります。

運営元がどれか

最初に確かめるのはここです。サイトの運営会社の表記や、特定商取引法に基づく表記を見れば、一般企業か、労働組合か、弁護士事務所かが分かります。

自分が交渉したいことがあるのであれば、一般企業では対応できません。伝達だけで済むのかを、先に整理しておきましょう。

費用に何が含まれるか

金額だけでなく、どこまでやってもらえるかを見ます。連絡回数に制限があるか、書類の受け取りまで含むかを確かめます。

安さだけで選ぶと、途中で追加の費用が発生することがあります。事前に範囲を書面で確認しておくことです。

貸与品と書類の扱い

見落とされがちなのがここです。制服や鍵などの貸与品は、返す必要があります。郵送で返せるか、手続きを代行してもらえるかを確かめます。

もう一つが源泉徴収票です。同じ年に次の職場に入る場合、年末調整に必要になります。この受け取りまで進めてもらえるかを、事前に確かめておきましょう。

退職代行を使った後の就職活動への影響

使ったことで不利にならないかを気にされる方がいます。

応募先に伝わるか

退職代行を使ったことを、履歴書や面接で申告する義務はありません。職歴として記載するのは、在籍していた期間と退職の事実です。

辞め方の手段を書く欄は、履歴書にはありません。ここを心配して使わないという判断は、必要ありません。

職歴としては残る

一方で、働いていた期間は職歴として残ります。短期間で辞めていれば、その理由を聞かれることはあります。

聞かれたときに答えられる形を用意しておくことは必要です。使ったかどうかではなく、なぜ辞めたのかを短く説明できれば十分です。

自分で辞める意思を伝えるときの例文

ここからは、実際に口に出せる形で見ていきます。いずれも30秒前後で話せる長さです。

対面で伝える例文

「お忙しいところ申し訳ありません。退職させていただきたく、ご相談です。次の仕事が決まっており、来月末を最終出勤日にさせていただければと考えております。シフトの引き継ぎは対応いたします。」

日付を入れるのがポイントです。相談という形でも、具体的な日を出すと話が進みます。

電話で伝える例文

「お世話になっております。退職のご連絡でお電話いたしました。体調の関係で続けることが難しく、今月末をもって退職させていただきたいです。必要な書類があれば、郵送で対応いたします。」

理由を長く説明する必要はありません。辞める意思と日付、そして手続きに応じる姿勢の3点を伝えます。

まとめ

  • 民法627条により、申し入れから2週間で雇用は終了する

  • 退職代行は、一般企業・労働組合・弁護士でできることが違う

  • 一般企業は伝達のみで、交渉はできない

  • 申し込む前に、運営元・費用の範囲・貸与品と書類を確かめる

  • 使ったことを履歴書や面接で申告する義務はない

まず確かめるのは、自分が交渉を必要としているかどうかです。伝えるだけで済むのであれば、選べる先は広がります。

よくある質問

Q. 退職代行を使わないと辞められませんか。

民法627条により、期間の定めのない雇用はいつでも解約を申し入れられ、申入れから2週間で終了するとされています。相手の同意は必要ありません。

Q. 一般企業のサービスでも交渉してもらえますか。

弁護士法72条により、弁護士でない者が報酬を得て法律事務を取り扱うことはできません。伝達はできても、代理しての交渉は対象外です。

Q. 有給を使って辞めたい場合はどこを選びますか。

交渉が必要になるため、労働組合か弁護士が運営する先になります。労働組合法6条は、組合員のために交渉する権限を定めています。

Q. 使ったことが次の応募先に伝わりますか。

履歴書や面接で申告する義務はありません。職歴として記載するのは、在籍期間と退職の事実だけです。

Q. 制服や鍵はどうやって返しますか。

郵送で返せることが多くあります。貸与品の返却や源泉徴収票の受け取りまで進めてもらえるかを、申し込む前に確かめましょう。