業績悪化が転職理由のときの伝え方|面接で不利にならない例文

最終更新:

2026/9/18 00:25

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業績悪化が転職理由のときは、会社の状況を事実として短く伝えたうえで、その中で自分が取り組んだことと、次の職場で実現したいことを中心に話すのが基本です。

業績悪化を理由にすると、会社の悪口に聞こえないか、自分から逃げたように見えないかと心配になることがあります。ただ、会社の状況を責めるのではなく、自分がどう考えて行動したのかを話せば、前向きな転職理由として伝えられます。

この記事では、会社の将来性や経営の事情で仕事を辞めた人のデータと、面接での伝え方と例文を、国家資格キャリアコンサルタントが解説します。

会社の将来性や経営の事情で辞めた人を数字で知る

会社の業績や将来性をきっかけに仕事を変える人が、どのくらいいるのかを国の調査で見ておきます。会社の事情が転職のきっかけになること自体は、珍しいことではありません。

会社に将来性がないと辞めた若年労働者は11.5%

厚生労働省の令和5年若年者雇用実態調査で、在学していない若年労働者が初めて勤務した会社を辞めた理由(3つまでの複数回答)を見ると、「会社に将来性がない」は11.5%でした。年齢別では、20~24歳で9.1%、25~29歳で12.2%で、20代の後半では前半より高い割合です。同じ調査で最も高かったのは「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」の28.5%で、会社の将来性は、辞めた理由の一つとして挙げられています。

倒産や人員整理で辞めた転職者は5.8%

令和2年転職者実態調査で、転職者が前の勤め先を辞めた主な理由を見ると、「倒産・整理解雇・人員整理による勧奨退職」は5.8%でした。年齢別では、20~24歳で2.5%、25~29歳で5.3%です。「自己都合」の76.6%に比べると少ないものの、会社の経営の事情が理由で前の勤め先を辞めた人もいます。

数字の項目と自分の状況を分けて考える

業績悪化といっても、会社から退職を求められた場合と、将来を考えて自分から辞めた場合では、状況が違います。調査の数字は目安として見て、面接では、自分がどちらに近いのかを事実どおりに伝えます。自分の状況を整理しておくと、伝え方を選びやすくなります。会社から退職を求められた場合はその経緯を短く伝え、自分から辞めた場合は、なぜその時期に決断したのかを説明できるようにしておきます。

業績悪化を転職理由にするときの伝え方の基本

業績悪化を伝えるときは、次の3つを基本にします。会社の状況を説明することより、その中で自分がどう考え、どう動いたのかを伝えることを意識します。

会社の状況は事実として短く伝える

「売上が数年続けて下がり、部署の縮小が決まった」「新しい事業への投資が止まった」など、会社の状況は事実として短く伝えます。「会社がだめだった」「経営陣が悪い」といった評価の言葉は使わず、起きたことだけを話します。社外に公表されていない社内の情報は、面接で話さないようにします。

業績が悪くなる中で自分が取り組んだことを話す

業績が悪くなる中で、自分が担当の仕事で工夫したことや、会社のためにできることを考えて行動したことを話します。たとえば、経費を減らす方法を提案した、お客様との取引を続けるために連絡を増やしたといったことです。状況に対して自分がどう動いたかを伝えると、会社の事情だけで辞めたのではないことが伝わりやすくなります。取り組みの結果が思うように出なかった場合も、何を考えて行動したのかを話せます。

転職で実現したいことを話の中心にする

退職の理由より、次の職場で実現したいことに多くの時間を使って話します。MyStyle転職の支援事例では、派遣で製造ラインの仕事をしていた25歳の方が、この先もこのままでいいのか分からないという漠然とした不安を抱えていました。過去の仕事を振り返り、人とやり取りする場面のほうが楽しかったことに気づき、なぜ正社員になりたいのかを明確にしてから求人を選び、営業職の正社員として働いています。先行きへの不安をきっかけにする場合も、次に何を大切にしたいのかを先に言葉にしておきます。

業績悪化を理由にするときに避けたい伝え方

業績悪化は、伝え方によって受け取られ方が変わることがあります。次のような伝え方は避けます。避けたい伝え方を知っておくと、面接で話す内容を準備するときの確認にも使えます。

会社や上司を責める言葉ばかりの話し方

業績が悪くなった原因を、会社の方針や上司の判断のせいにする話し方は、聞く側に不満の強さが印象に残ることがあります。原因の分析を詳しく話す必要はなく、状況と自分の行動、これからの考えに絞ります。たとえば「会社の方針が悪かった」ではなく、「会社の方針が変わり、担当していた事業が縮小された」のように、評価ではなく出来事として話します。前の会社への気持ちが整理できていない場合は、面接の前に書き出して、話す内容と分けておきます。

安定だけを求めていると受け取られる話し方

「つぶれない会社に入りたい」「安定していればどこでもいい」といった話し方は、応募先の仕事内容への関心が伝わりにくくなることがあります。安定を大切にしたい気持ちは隠す必要はありませんが、安定した環境で何に取り組みたいのかをあわせて伝えます。応募先の事業や仕事内容のどこに関心を持ったのかを、具体的に話せるようにしておきます。「長く働ける環境で経験を積みたい」と伝える場合も、その環境で何を身につけたいのかを一言添えます。

事実と違う理由にすり替える話し方

業績悪化で辞めたことを隠そうとして、別の理由を作って話すと、深く聞かれたときに説明が合わなくなることがあります。業績悪化がきっかけであることは正直に伝え、そこから何を考えたのかを話します。話の食い違いを防ぐため、履歴書や職務経歴書に書いた退職理由とも内容をそろえておきます。

業績悪化で転職するときに応募先で確かめたいこと

同じ不安を繰り返さないために、応募先の状況も確かめます。確かめた内容は、志望動機や逆質問を考えるときにも使えます。応募先の状況を知っておくことは、入社後に同じ不安を抱えないためにも役立ちます。

会社の事業内容と今後の方針を調べる

会社のホームページで、事業の内容や、今後力を入れる分野を確かめます。上場している会社であれば、決算の資料などで業績の推移を見ることもできます。資料を読んでも分からない点は、面接の逆質問で聞きます。調べた内容は、応募先を選んだ理由を話すときの材料にもなります。ニュースや業界の動きも合わせて調べると、応募先がどのような環境で事業をしているのかが分かりやすくなります。調べた内容は、応募先ごとにメモにまとめておきます。

配属先の仕事と求められる役割を聞く

入社後の配属先や、任される仕事の範囲、求められる役割を面接で確かめます。前の会社で部署の縮小を経験した場合は、配属先の部署が会社の中でどのような役割を担っているかを聞いておくと、入社後の働き方を考えやすくなります。任される仕事が会社の事業のどこにつながっているのかが分かると、入社後の目標も立てやすくなります。

業績を聞く逆質問は前向きな聞き方にする

業績について聞くときは、「今後、どの分野に力を入れていく予定ですか」「入社後、どのような形で事業に関われますか」のように、自分がどう関われるかを確かめる聞き方にします。業績の数字だけを細かく聞くと、条件だけを気にしているように受け取られることがあるため、聞き方を工夫します。逆質問の数は、面接の時間に合わせて1つか2つに絞り、特に知りたいことから聞きます。

業績悪化が転職理由のときに使える面接の回答例文

例文は、自分の状況に合わせて置き換えて使います。会社の状況は、自分が知っている事実の範囲で話します。どちらの例文も、会社の状況、自分の行動、これからの考えの順に話しています。

自分から転職を決めたときの例文

「前職では、主力の商品の売上が3年続けて下がり、私のいた部署も縮小が決まりました。その中で、既存のお客様への連絡を増やし、取引を続けていただけるよう努めてきました。この経験から、お客様に長く必要とされる商品を扱い、成長している分野で経験を積みたいと考え、転職を決めました。」

会社の状況は最初に事実として短く伝え、その中で自分が取り組んだことを話しています。最後は、次の職場で実現したいことにつなげています。応募先の事業のどこに関心を持ったのかを続けて話すと、志望動機にもつなげやすくなります。部署の縮小など、自分の仕事に直接関わった出来事から話すと、状況が伝わりやすくなります。

会社から退職を求められたときの例文

「前職では業績の悪化により人員の見直しが行われ、私の所属していた部署も対象となり、退職することになりました。在籍中は、限られた人数の中で仕事の手順を見直し、残った業務を期限どおりに進めることに取り組みました。これまでの経験を生かし、長く腰を据えて力をつけられる環境で働きたいと考えています。」

会社の判断による退職であることを事実として伝え、そのうえで在籍中に取り組んだことと、これからの考えを話しています。退職の経緯に不満があっても、面接では事実と行動を中心にします。人員の見直しの対象になったことを、自分の評価が低かったためと決めつけて話す必要はありません。

まとめ

  • 令和5年若年者雇用実態調査では、初めて勤務した会社を辞めた理由で「会社に将来性がない」は11.5%

  • 会社の状況は事実として短く伝え、その中で自分が取り組んだことを話す

  • 会社や上司を責める話し方、安定だけを求める話し方、事実と違う理由は避ける

  • 応募先の事業の方針や配属先の役割を、前向きな聞き方で確かめる

まずは、業績が悪くなる中で自分が取り組んだことを書き出してみてください。

よくある質問

Q. 業績悪化の具体的な数字は話したほうがいいですか。

面接では、状況が伝わる程度に、大まかに話せば十分なこともあります。「売上が数年続けて下がった」のように伝え、細かな数字にこだわる必要はありません。数字より、その中で自分が何をしたかを話すことに時間を使います。

Q. 会社が倒産した場合も、同じ伝え方でいいですか。

倒産の場合も、事実を短く伝え、在籍中に取り組んだことと、これからの考えを中心に話す点は同じです。倒産は本人の意思とは関係なく起きることなので、必要以上に申し訳なさそうに話す必要はありません。応募先には、次の職場でどう働きたいかを中心に伝えます。

Q. 業績悪化の前から転職を考えていた場合は、どう伝えればいいですか。

業績悪化の前から考えていた理由があるなら、その理由を中心に話し、業績悪化は決断のきっかけの一つとして伝えます。事実と違う順番で話さないよう、転職を考え始めた時期と、そのときの理由を前もって整理しておきます。

Q. 業績が悪い会社に残るか、転職するかで迷っています。

会社の今後の方針や、自分の部署への影響、生活への影響を書き出して比べます。会社に残る場合に身につけられることと、転職した場合に得られることの両方を考えます。迷ったまま時間が過ぎないよう、判断する時期を決めておきます。

Q. 転職先も業績が悪くならないか不安です。

どの会社でも、業績が変わる可能性はあります。会社の状況を事前に調べることに加えて、どの会社でも生かせる経験を積むことを意識すると、先の不安を小さくできます。入社後に身につけたい力を、応募の段階から考えておきます。