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面接練習の回数に決まった正解はありません。よく聞かれる質問に、原稿を見ずに自分の言葉で答えられる状態を目安にし、原稿作り、声に出す練習、人との模擬面接の順に重ねるのが基本です。
面接が苦手だと、何回練習すれば足りるのか分からず、不安なまま本番を迎えてしまうことがあります。回数だけを目標にするより、練習ごとに何ができるようになったかを確かめると、準備の進み具合が分かりやすくなります。
この記事では、面接練習の考え方と、苦手な人が本番までにやる準備の手順を、国家資格キャリアコンサルタントが解説します。
面接練習は何回すればよいかという問いに、全員に当てはまる回数はありません。人によって、苦手な点や本番までの期間が違うためです。回数を決める前に、自分の状況を確かめます。
質問と答えがずれる人、緊張で言葉が出なくなる人、話す内容が決まっていない人では、必要な練習が違います。答えの内容が決まっていない場合は原稿作りに時間をかけ、内容は決まっているのに緊張する場合は、人の前で話す練習を増やします。自分の苦手な点を先に書き出しておくと、何を重点的に練習すればよいかが見えてきます。
MyStyle転職の支援事例では、面接練習が20回を超えた方が複数います。1年ほど活動しても見送りが続いていた25歳の方は、質問と回答のずれを直すために面接練習を20回を超えて重ねました。夜勤のある製造業から転職した28歳の方も、面接対策を20回を超えて重ねる中で、夜勤のつらさを今後大事にしたい働き方として言葉にできるようになりました。フリーターから正社員を目指した24歳の方も、面接練習を20回を超えて重ね、アルバイトの接客経験を営業の強みとして話せるようになり、営業職で正社員の内定を得ています。
厚生労働省の令和2年転職者実態調査で、転職活動を始めてから前の勤め先を辞めるまでの期間を見ると、「1か月以上3か月未満」が28.8%、「転職活動期間なし」が23.6%、「1か月未満」が18.3%でした。25~29歳では「1か月以上3か月未満」が29.6%、「3か月以上6か月未満」が18.5%です。活動の期間は人によって違うため、応募から面接までの日程を確かめ、残りの日数から1日にどれくらい練習するかを決めます。
面接の準備は、次の4つの手順で進めます。いきなり模擬面接から始めるより、順番に進めるほうが、苦手な点を一つずつ直しやすくなります。
自己紹介、転職理由、志望動機、強みと弱み、前職で頑張ったこと、逆質問など、面接で答える機会がある質問を書き出し、それぞれの答えを原稿にします。原稿は、結論、理由、具体例の順に、自分が普段話す言葉で書きます。応募先ごとに変える部分は、志望動機と逆質問を中心に分けておきます。最初から完璧な原稿を目指さず、箇条書きでも書き出すことを優先します。
原稿ができたら、声に出して読み、スマートフォンで録音して聞き返します。書いたときには気にならなかった言い回しの不自然さや、話の長さに気づくことがあります。気になった部分は原稿を直し、もう一度声に出します。声に出すと原稿が長すぎることにも気づけるため、一つの答えが1分ほどに収まるように削ります。
原稿の内容を声に出すことに慣れたら、原稿を見ずに答えます。一字一句を覚えるのではなく、結論と話す順番を覚え、細かい言葉はその場で話します。質問を書いたカードを作り、引いた質問に答えるようにすると、順番を変えても答えられるようになります。
一人での練習に慣れたら、家族や友人、転職の相談先の担当者に面接官役を頼み、入室から退室までの流れで模擬面接をします。原稿にない質問をしてもらったり、答えに対して深く聞き返してもらったりすると、本番に近い練習になります。終わった後は、良かった点と直す点を聞き、次の練習で直します。
練習の回数を数えるより、次の状態になっているかを確かめると、本番に向けた準備の進み具合が分かります。自分だけでは判断しにくい場合もあるため、模擬面接の相手にも意見を聞きます。
よく聞かれる質問に、原稿を見ずに、最初の一文で結論を答えられるかを確かめます。結論が出てくれば、理由や具体例は後から続けやすくなります。質問の順番を変えても答えられれば、本番で順番が違っても慌てにくくなります。答え始めるまでに長い沈黙がないかも、合わせて確かめます。よく聞かれる質問のうち、結論が出てこないものがあれば、その質問の原稿から見直します。
「なぜそう考えたのですか」「具体的にはどのような場面ですか」と聞き返されても、自分の経験をもとに答えを続けられるかを確かめます。原稿の言葉を思い出そうとして止まる場合は、原稿の内容をもう一度自分の言葉で書き直します。一つの答えに使う具体的な場面を、あらかじめ二つほど用意しておくと、深く聞かれたときにも話を続けやすくなります。
模擬面接のたびに直す点を書き出し、前の回と比べます。同じ指摘が続く点は、重点的に練習します。直す点が減り、指摘の内容が細かいものに変わってきたら、準備が進んでいる目安になります。回数が少なくても、この状態に近づいていれば、練習の量が足りていないとは限りません。反対に、何度練習しても同じ質問で止まる場合は、その質問への答え方を相談先の担当者と一緒に考えてもらうのも一つの方法です。
面接練習には、一人でできるものと、人に頼んで行うものがあります。それぞれの良さを生かして組み合わせます。どちらかに偏らず、準備の段階に合わせて比率を変えます。
録音や録画、鏡の前での練習は、時間や場所を選ばずにでき、回数を重ねやすい方法です。通勤時間や寝る前の10分など、短い時間でも取り組めます。録画すると、表情や姿勢、視線も確かめられます。オンライン面接の場合は、実際に使う機器で録画しておくと、声の聞こえ方や画面の映り方も確かめられます。録画は時間をおいてから見返すと、気になる点に気づきやすくなります。
人の前で話す練習は、一人の練習では分からない緊張に慣れる機会になります。相手の反応を見ながら話すことや、想定していない質問に答えることも練習できます。終わった後に相手の感想を聞くと、自分では気づかない話し方の癖が分かることもあります。人との練習は準備に時間がかかるため、一人の練習で答えがある程度固まってから行うと、限られた機会を生かしやすくなります。
本番の前日や当日は、新しい答えを作るより、これまで練習してきた答えの結論と順番を見返すことに時間を使います。直前に内容を大きく変えると、練習してきた話し方が崩れることがあります。応募先について調べた内容と、逆質問だけは最後にもう一度確かめておきます。当日の朝は、自己紹介と志望動機の結論だけを声に出して確かめておきます。前日は長時間の練習を避け、疲れを残さないようにします。
人に練習を頼むときは、何を見てほしいかを伝えると、役立つ意見をもらいやすくなります。練習の後は、振り返りを書き残しておきます。例文は、頼む相手や自分の状況に合わせて言葉を変えて使います。
「来週、転職の面接があるので、面接官の役をお願いできないかな。質問はこの紙に書いてあるものを、順番を変えて聞いてほしい。答えが長くなっていないか、質問とずれていないかを見て、終わったら気になったところを教えてくれるとうれしい。10分くらいで終わるようにするね。」
質問のリストを渡し、見てほしい点を具体的に伝えています。かかる時間も先に伝えておくと、相手も引き受けやすくなります。質問のリストは、答えの原稿とは別の紙に書いて渡します。転職の相談先の担当者に頼む場合は、応募先の業界や職種を伝え、その会社で聞かれそうな質問も混ぜてもらいます。
「今日の模擬面接では、志望動機は結論から話せたが、転職理由の答えが長くなり、前の職場の説明が多かった。深く聞かれた質問では、具体的な場面がすぐに出てこなかった。次回までに、転職理由の原稿を一つの場面に絞って書き直し、具体例をもう一つ用意しておく。」
できたこと、直す点、次にやることの3つに分けて書いています。振り返りを書き残しておくと、次の練習で何を確かめればよいかがはっきりします。振り返りは、模擬面接が終わってすぐ、指摘された内容を覚えているうちに書きます。書いた振り返りは、次の模擬面接の前に見返し、直す点を意識してから始めます。
面接練習の回数に決まった正解はなく、支援事例では20回を超えて練習した人もいる
原稿作り、声に出して録音、原稿を見ずに答える、模擬面接の順に準備する
原稿を見ずに結論から答えられ、深く聞かれても続けられる状態を目安にする
一人の練習で回数を重ね、人との練習で緊張と想定外の質問に慣れる
まずは、よく聞かれる質問を5つ書き出し、一つずつ原稿を作ってみてください。
Q. 面接練習をしすぎると、答えが棒読みになりませんか。
原稿の言葉を一字一句覚えようとすると、読み上げるような話し方になることがあります。覚えるのは結論と話す順番にとどめ、細かい言葉は練習のたびに変わっても構わないと考えます。人との模擬面接で、会話として自然に聞こえるかを確かめます。
Q. 面接練習は、応募する前から始めたほうがいいですか。
自己紹介や転職理由など、どの応募先でも答える機会がある質問は、応募する前から練習を始められます。応募先が決まったら、志望動機や逆質問など、応募先ごとに変える部分を加えて練習します。共通の部分を先に準備しておくと、面接の日程が近くても慌てにくくなります。
Q. 1日にどのくらい練習すればいいですか。
決まった時間はありませんが、長時間まとめて行うより、短い時間でも毎日続けるほうが取り組みやすくなります。1日に数問ずつ声に出す、週末に模擬面接をするなど、生活に合わせて予定を立てます。疲れているときは、原稿を見返すだけでも構いません。
Q. 模擬面接を頼める人がいません。
家族や友人に頼みにくい場合は、転職の相談先で模擬面接を受けられるかを確かめます。一人で練習する場合は、質問を録音しておき、再生して答える方法もあります。答える様子を録画して見返すと、話し方や表情を落ち着いて確かめられます。
Q. 練習では話せるのに、本番で緊張して話せません。
本番では、練習と違う場所や相手の前で話すため、緊張しやすくなります。服装をそろえたり、初めて会う人に面接官役を頼んだりして、本番に近い形で練習します。言葉に詰まったときは、「少し考えてもよろしいですか」と伝えて、一呼吸置いても構いません。
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