
転職面接で必ず聞かれる「なぜ転職しようと思ったのですか」という質問。本音では「給料が低かった」「上司と合わなかった」と言いたいけれど、そのまま答えていいのか迷ってしまいますよね。
結論から言えば、ネガティブな転職理由でも、正しく言い換えれば面接官に好印象を与えられます。大切なのは「何から逃げるか」ではなく「何に向かうか」を伝えることです。
この記事では、転職支援実績を持つ国家資格キャリアコンサルタントが、面接官が転職理由で見ているポイントと、ネガティブをポジティブに変える5ステップ、具体的なNG・OK例を解説します。
厚生労働省の調査では、転職理由として「給料などの収入が少なかった」「労働時間・休日などの労働条件が悪かった」といった待遇への不満が上位を占めています。
これらはいずれも「職場への不満」に起因する動機ですが、面接でそのまま伝えると「うちの会社でも同じことを言うのでは」と受け取られるリスクがあります。面接官は転職理由を通じて、自社との相性、長く働いてくれるか、ネガティブな環境でも前向きに取り組めるか、という3点を確認しています。
本音を前向きな動機に変えるには、順を追って整理するのが近道です。次の5ステップで進めましょう。
まず、本音をそのまま紙に書き出します。「残業が多い」「評価されない」「人間関係が辛い」など、何でも構いません。自分が何に不満を感じているかを明確にすることが、言い換えの出発点になります。
「残業が多い」を「効率よく成果を出せる環境で働きたい」、「評価されない」を「成果を正当に認めてもらえる環境に移りたい」といった形で、不満の裏にある自分の価値観に変換します。
「〜が嫌だから辞める」ではなく「〜を実現したいから転職する」という構造に変えます。面接官に伝えるのは「何から逃げるか」ではなく「何に向かうか」です。
書き換えた前向きな動機が、なぜ志望企業で実現できるのかを具体的に説明できるようにします。「御社では〜という制度があり、自分の目指す働き方が実現できると感じました」という流れです。
転職理由は簡潔に話すほど好印象です。結論(転職理由)→背景(現職での状況)→展望(転職先で実現したいこと)の順で、1分以内にまとめましょう。
代表的な3つのケースで、NG例とOK例を見比べてみましょう。
NG例(給料への不満)
現職は給料が低く、頑張っても評価されないので転職したいと思いました
OK例(給料への不満)
成果を正当に評価していただける環境でさらに成長したいと考え、転職を決意しました。現職では成果を出しても昇給の仕組みが整っておらず、モチベーションを保つのが難しい状況でした。御社の成果連動型の評価制度に魅力を感じています
NG例(人間関係)
上司とそりが合わず、毎日職場に行くのが辛かったです
OK例(人間関係)
チームで課題を共有し、協力して問題を解決できる環境で働きたいと考えています。現職では情報共有の仕組みが整っておらず、個人作業が中心でした。御社のチーム制の働き方に惹かれて応募しました
NG例(残業・労働時間)
残業が多く、毎月100時間以上働かされていて体が限界です
OK例(残業・労働時間)
限られた時間で生産性を高め、プライベートも充実させながら長くキャリアを築きたいと思っています。現職では効率化よりも長時間労働が評価される文化があり、自分の目指す働き方と合わなくなってきました
OK例はいずれも特定の業界・職種に限定せず使える表現です。「現職での状況」の部分を自分の状況に合わせて差し替えて活用しましょう。
面接官は転職理由から「自社との相性」「継続性」「前向きさ」を見ている
ネガティブな本音は「不満の裏にある価値観」を探ることでポジティブに変換できる
転職理由は「結論→背景→展望」の順で1分以内にまとめる
言い換えに自信がないときは、エージェントの模擬面接を活用するのが近道
転職理由に正解はありませんが、「前向きな動機を自分の言葉で伝える」という軸を意識すれば、どんな理由でも面接官に響く答えに変えられます。
Q. 本音の転職理由(給料・人間関係)は絶対に言ってはいけませんか?
完全に言ってはいけないわけではありませんが、そのまま伝えるのはリスクがあります。不満の事実を認めつつ、「だからこういう環境を求めている」という前向きな言い換えをセットで伝えることが大切です。
Q. 複数の転職理由がある場合、全部話すべきですか?
理由は1〜2つに絞るのがおすすめです。多すぎると「不満が多い人」という印象を与えかねません。最も核心にある動機を1つ選び、それに付随するエピソードを簡潔に添えましょう。
Q. 転職理由と志望動機は別々に準備すべきですか?
セットで準備するのがおすすめです。転職理由(なぜ辞めるか)と志望動機(なぜここに来たいか)が一貫していると説得力が増します。転職理由で「不足していたもの」を、志望企業が「提供できる環境」として結びつけるのが理想です。
Q. エージェントに頼むと転職理由の準備もしてもらえますか?
できます。転職エージェントでは模擬面接を提供しているところが多く、転職理由の言い換えや話し方についてもアドバイスをもらえます。一人で悩むより、一度プロに相談してみるのがおすすめです。
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