この記事を書いた人 - 池田 康希

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キャリアコンサルタント

池田 康希 / Koki Ikeda

国家資格キャリアコンサルタント/転職支援事業責任者

全国約 3万社 の中から 「信頼できるエージェント14社」へ選出

日本最大手通信キャリアでの就業を経てAITAIDに参画。
転職支援サービス『MyStyle転職』の立ち上げを行い、事業推進に加えて自身もキャリアコンサルタントとして累計 1,000名以上 のキャリア支援に従事。
主に「未経験者」や「短期離職経験者」の支援を得意としている。

保有資格

  • 国家資格キャリアコンサルタント
  • メンタルヘルスマネジメントⅡ種
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「前の会社は上司との関係がとてもつらくて、もう限界でした」と面接で本音を打ち明けたところ、採用担当者の表情が曇ってしまった。そんな経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。実際、退職理由として職場の人間関係を挙げる方は非常に多く、転職経験者の3割前後が人間関係を退職の一因に挙げているといわれています。

ただし、退職理由の「事実」と面接での「伝え方」は別物です。伝え方を誤ると採用担当者に「また同じことが起きそうだ」「環境のせいにしやすい人なのかもしれない」という印象を与えかねません。一方で、人間関係の問題は誰もが経験しうることであり、転職理由として挙げること自体は決して後ろめたくありません。問題は「何を言うか」ではなく「どう言うか」にあります。

この記事では、転職支援実績を持つ国家資格キャリアコンサルタントが、人間関係を転職理由にした際の面接での好印象な伝え方と、そのまま参考にできる例文を解説します。

この記事でわかること

  • 転職理由に人間関係を挙げることがNGかどうかの考え方
  • 面接でのNGワードと好印象な言い換え表現
  • 好印象な伝え方を作る3ステップ
  • シーン別に使える面接例文3パターン

こんな人に読んでほしい

  • 人間関係を転職理由にしてよいか悩んでいる20〜30代
  • 面接で本音をどこまで話せばよいか迷っている方
  • 人間関係での退職歴があり再度転職活動をしている方

転職理由に「人間関係」を挙げることは本当にNGなのか

面接で「人間関係が理由で辞めました」と答えること自体は、必ずしもNGではありません。重要なのは、その後の言葉の続け方にあります。

採用担当者が転職理由を聞く目的は、退職の経緯を知ることだけではありません。応募者の思考のクセ・問題解決力・自己認識の深さを確認するという側面もあります。そのため、同じ「人間関係が原因」であっても、「上司が嫌いだったから辞めた」という言い方と「チームのコミュニケーション方針と自分の志向が合わず、長期的な成長を見据えて環境を変える選択をした」という言い方では、採用担当者への印象がまったく異なります。前職の人や組織を悪く言わないこと、そして転職が「逃げ」ではなく「自分のキャリアを主体的に選んだ行動」として伝わるようにすることが、この場面での核心です。

面接でやりがちなNG表現と好印象なOK例

人間関係を転職理由として伝える場合、言葉ひとつが採用担当者の印象を大きく左右します。特定の言葉が無意識のうちに「前職批判」や「自己弁護」に聞こえていないかを確認するためにも、以下のNG例とOK例を見比べてみてください。

NG例(前職や周囲を批判・感情的に聞こえる表現)

  • 上司のやり方が一方的すぎて意見を全く聞いてもらえず、精神的に限界でした

  • 職場の雰囲気が悪く、チームとしてのまとまりもなかったから辞めました

  • どうしても気が合わない同僚がいて、毎日がストレスでした

OK例(環境のミスマッチとして前向きに言い換えた表現)

  • チームの意思決定スタイルと自分の働き方の志向にギャップを感じており、より主体的に意見を出し合える環境で力を発揮したいと考えました

  • 職場のコミュニケーション文化が私の志向とフィットせず、よりオープンに意見交換できる環境でキャリアを積みたいと考え、転職を決意しました

  • 役割分担の方針と自分のキャリア目標にズレがあると感じ、より成長できる環境を求めて行動することにしました

NG例に共通するのは、「相手に原因がある」「自分は被害者だ」という構図が伝わってしまう点です。OK例では「自分のキャリアを考えての選択」という主体性が前面に出ており、採用担当者に「この人は次の職場でも前向きに動けるだろう」という信頼感を生みます。

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好印象な伝え方を作る3ステップ

ここでは、人間関係を転職理由にする際に、具体的にどうやって「好印象な回答」を組み立てるかを3ステップで解説します。ぜひ自分の状況に当てはめながら確認してみてください。

ステップ1 「何が合わなかったか」を環境のミスマッチとして整理する

「上司が嫌い」「同僚と反りが合わない」という感情をそのまま言葉にするのではなく、「どんな環境・働き方の違いがあったか」という観点に切り替えることがポイントです。たとえば「上司の指示が一方的で意見が通らなかった」という体験であれば、「意思決定が上位者主導の職場と、フラットに意見を出し合える文化を求める自分の志向にミスマッチがあった」と言い換えることができます。この視点の転換だけで、同じ体験がまったく違う言葉になります。

ステップ2 「転職の理由」と「転職先に求めるもの」をセットで伝える

後ろ向きな退職理由だけで話を終わらせないことが重要です。「〜が合わなかった(後ろ向きな理由)→ だから〜な環境で働きたい(前向きな展望)」という流れで話すと、採用担当者に「この人は自分のキャリアをきちんと考えている」という印象を与えられます。特に「なぜ今回の応募先なのか」にうまくつなげると、一貫性のある志望動機として伝わります。

ステップ3 簡潔にまとめ、前職批判で締めない

全体として60〜90秒程度で話せる分量を意識するとよいでしょう。長くなるほど感情的な言葉が混じりやすくなる傾向があります。最後は「そのため、〜という点に魅力を感じている御社で力を発揮したいと考えています」という形で応募先への期待や共感で締めることで、話の印象がよい形でまとまります。

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シーン別・面接例文3パターン

実際の面接で使いやすいよう、状況別に3つの例文を紹介します。自分の状況に近いパターンを参考に、自分の言葉に置き換えてみましょう。

パターン1 上司との意思決定スタイルの違いが原因のケース

「前職では業務上の方針決定において上意下達のプロセスが中心であり、現場からの意見が反映されにくい文化がありました。私はチームでアイデアを出し合いながら課題を解決することに強みとやりがいを感じており、その点で職場の文化と自分の志向にミスマッチを感じていました。より主体的に意見を出し合えるフラットな職場環境で、自分のキャリアを積みたいと考えたことが転職の動機です。」

パターン2 チームの方向性と自分のキャリア目標のズレが原因のケース

「前職のチームは既存業務の安定運用を優先する方針でしたが、私は新しい課題に取り組みながら成長し続けることを大切にしています。その方向性の差が徐々に広がり、自分のキャリアを見直す時期だと判断しました。挑戦的な環境で自分のスキルをより伸ばしていきたいと考え、今回の応募に至っています。」

パターン3 コミュニケーション文化のミスマッチが原因のケース

「前職では部署を超えた情報共有が少なく、各自が個別に動くスタイルが中心でした。私はメンバーと連携しながらプロジェクトを前に進めることに強みがあり、その環境では自分の特性を十分に発揮できていないと感じていました。チームワークを大切にしている御社の文化に魅力を感じ、ここでなら力を発揮できると考え応募しました。」

どのパターンも「前職批判」ではなく「自分のキャリア志向と環境のミスマッチ」として語っている点が共通しています。具体性を加えるほど説得力が増すため、実際のエピソードをひとつ添えるとさらに効果的です。

まとめ

人間関係を転職理由とすること自体は問題ではありませんが、面接での伝え方が採用の可否に直接影響します。

  • 前職の人や組織を批判する言葉は避け、「環境のミスマッチ」として表現する

  • 「〜が嫌だった」という後ろ向きな言葉は、「〜な環境で成長したい」という前向きな言葉に置き換える

  • 後ろ向きな退職理由と前向きな転職理由をセットで伝え、主体的なキャリア選択として受け取ってもらう

伝え方を整理するだけで、同じ体験がまったく違う印象を与えることができます。一人では言葉が浮かびにくいと感じる場合は、転職エージェントの模擬面接サポートを活用することも有効な手段のひとつです。

池田 康希
池田 康希国家資格キャリアコンサルタント

「人間関係が理由と言ったら落とされますよね?」というご相談は本当に多いんです。実際にお話を聞くと、根底に「自分が悪いのかも」という自己否定がある方が多く、だから言葉に力が出にくいんですね。でも伝え方を整理するだけで、同じ体験が「主体的なキャリア選択」として伝わるようになりますよ。まず言葉を変えることから始めてみましょう。

よくある質問

Q. 人間関係が理由で転職することは、面接で嘘をつかないといけないのでしょうか。

嘘をつく必要はありません。大切なのは「本音を言わない」ことではなく、「本音をどう表現するか」という視点を変えることです。「上司が嫌い」も「意思決定スタイルが自分の志向と合わなかった」も、本質的には同じ体験を言葉にしています。どちらが嘘か本当かではなく、採用担当者にどう受け取られるかの違いです。

Q. 複数回転職していて毎回「人間関係」が理由です。そのまま伝えても大丈夫でしょうか。

複数の職場で同じ理由が続いている場合は「環境のせいにしやすい人だ」と受け取られるリスクがあるため、より丁寧な説明が必要です。「どの職場でも共通して感じたことは何か」「そこから学んだことは何か」という観点で言語化すると、自己成長の証として伝えられます。転職エージェントに事前に相談し、模擬面接で練習することをおすすめします。

Q. 面接で「具体的にどんな問題があったのか」と深掘りされた場合はどう答えればいいですか。

深掘りされた場合も、特定の人名や強い感情的な言葉は使わないよう心がけましょう。「具体的には、〜という状況において、私がとった対応は〜でした。それでも改善が難しいと判断し、キャリアの方向性を見直す決断をしました」という形で、状況と自分の行動・判断を事実として話すスタイルが有効です。感情より事実に重心を置くことで、冷静で信頼できる人という印象を与えられます。

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