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ブラック企業ばかりに入ってしまうと感じたら、これまで入社した会社の探し方や決め方に共通点がないかを振り返り、応募前と内定後に確かめる項目を決めてから会社を選び直すのが基本です。
入社した会社の働く環境が続けて悪いと、自分は運が悪いと感じるかもしれません。ただ、急いで内定の出た会社に決めていた、条件を書面で確かめないまま入社していたなど、決め方を変えることで避けられる部分もあります。
この記事では、入社先の決め方を振り返る手順と、働く環境を入社前に確かめる方法を、国家資格キャリアコンサルタントが解説します。
続けて環境の悪い会社に入ってしまう場合は、会社そのものだけでなく、会社を探して決めるまでの流れに原因がないかを振り返ります。探し方と決め方のどこを変えるかが分かると、次の会社選びで確かめる項目も決まります。
前の会社を辞めた後に収入がなく、最初に内定が出た会社にすぐ決めていなかったかを振り返ります。焦って決めると、ほかの会社と比べる時間も、条件を確かめる時間も取れません。
次は、今の仕事を続けながら転職活動を進めるなど、会社を比べる時間を確保する方法を考えます。
MyStyle転職の支援事例では、飲食、不動産の営業、土木作業と仕事を変えてきた24歳の方が、仕事を選ぶときに自分の軸がなく、なんとなくや友人の紹介で決めていました。土木作業では夜勤が続いて疲労がたまり、日勤の仕事を希望するようになっています。
3社のよかったことと、つらかったことを一緒に言葉にしたことで、人と話すのは好きだが押しの強い営業は向いていない、夜勤もきついという条件が見え、楽器の買取を担当する営業職で内定を得て、長く働いています。
給与や休日、残業時間の条件を、求人票や面接での説明だけで判断し、書面で確かめないまま入社していなかったかを振り返ります。
支援事例には、入社前に聞いていた話と、実際の業務や教育の体制に大きな違いがあり、入社半年で退職した22歳の方もいます。次の会社選びでは、入社後にどう育ててもらえるかを確かめる軸を作り、研修体制が整った事務職に転職しています。
応募する前に、求人票で働く環境の手がかりを確かめます。書かれていないことは、面接で聞く項目にします。求人票の段階で確かめておくと、面接で聞く内容を絞り込めます。
月給に固定残業代が含まれている場合は、何時間分の残業代がいくらかが書かれているかを確かめます。基本給と手当の内訳が分からない場合は、面接や内定後に確かめます。固定残業代の時間を超えて残業した分がどう支払われるかも、あわせて聞いておきます。給与の幅が広く書かれている場合は、下限の金額で生活できるかを考えます。
年間休日の日数と、月の平均残業時間が書かれているかを確かめます。厚生労働省の令和7年就労条件総合調査では、令和6年1年間の年間休日総数の1企業平均は112.4日でした。年間休日が書かれていない場合や、「休日はシフトによる」とだけ書かれている場合は、月に何日休めるかを面接で具体的に聞きます。残業時間の目安は部署や時期によって違うことがあるため、配属予定の部署の実態を聞きます。
同じ求人が長い期間出続けている場合は、応募が集まらないのか、入社した人が続いていないのかなど、理由を面接で確かめます。事業の拡大で採用を続けている場合もあるため、求人が出ているだけで判断しないようにします。「アットホームな職場」「やる気次第で高収入」などの言葉だけで判断せず、仕事内容や条件が具体的に書かれているかを重視します。求人の掲載開始日が分かる場合は、あわせて見ておきます。
働く環境を判断する材料として、国の認定制度を使う方法もあります。国の認定を受けている会社は、一定の基準を満たしていることが分かるため、会社を探すときの手がかりになります。
ユースエール認定制度は、若者の採用・育成に積極的で、若者の雇用管理の状況などが優良な中小企業を厚生労働大臣が認定する制度です。対象は、常時雇用する労働者が300人以下の事業主です。
主な基準には、直近3事業年度に新卒者などの正社員として就職した人の離職率が20%以下であること、前事業年度の正社員の月平均所定外労働時間が20時間以下で、月平均の法定時間外労働が60時間以上の正社員が1人もいないこと、正社員の有給休暇の取得率が平均70%以上または年間取得日数が平均10日以上であることなどがあります。これらの基準は、認定の有無にかかわらず、会社を比べるときに離職の状況、残業時間、有給休暇の取りやすさを確かめる目安としても使えます。
認定は、会社を選ぶときの判断材料の一つです。認定を受けている会社でも、配属先の仕事内容や人間関係が自分に合うかは、面接や見学で確かめる必要があります。
反対に、認定を受けていない会社が環境の悪い会社というわけではありません。対象は300人以下の事業主のため、それより大きな会社は含まれていない点にも注意します。認定企業の求人に応募する場合も、配属先の残業時間や休日の実態は面接で聞き、内定後は書面で条件を確かめます。
内定が出たら、入社を決める前に、労働条件を書面で確かめます。書面で確かめることで、「聞いていた話と違う」という入社後のずれを防ぎやすくなります。
内定の後に受け取る労働条件通知書で、契約期間、就業の場所と業務、始業と終業の時刻や休日、賃金の決め方や支払い方法、退職に関することを確かめます。労働基準法施行規則では、これらの事項(昇給に関する事項を除く)は書面で示すこととされており、労働者が希望した場合は電子メールなどで示すこともできます。書面を受け取ったら、求人票と並べて、項目ごとに違いがないかを確かめます。試用期間がある場合は、その期間の給与や労働条件が本採用後と違わないかも見ておきます。
労働条件通知書の内容が、求人票や面接で聞いた内容と違う場合は、入社を決める前に理由を確かめます。質問はメールなど記録に残る形で送ると、後から確認しやすくなります。口頭で説明を受けた場合も、内容をメモしておきます。違いがあった理由に納得できない場合は、入社を決める前に、ほかの会社と比べて考え直す時間を取ります。
固定残業代の時間数、試用期間中の給与、休日の決まり方など、分からない点は入社前に聞きます。入社してから確かめようとすると、条件が合わなかったときに選び直す時間がなくなります。内定の返事に期限がある場合は、確かめたいことを早めにまとめて質問し、答えを受け取ってから返事をします。期限までに答えが得られない場合は、返事の期限を延ばせるか相談します。
面接で前の会社を辞めた理由を聞かれたとき、前の会社の環境の悪さだけを話すと、不満が多い人と受け取られることがあります。事実を短く伝え、次の会社選びで大切にしていることにつなげます。話すときは、事実、そこから考えたこと、応募先を選んだ理由の順にまとめます。
「前職では、繁忙期を中心に月60時間ほどの残業が続き、仕事を振り返って改善する時間が取れない状況でした。その経験から、働く時間を管理しながら、一つひとつの仕事の質を高められる環境で力を発揮したいと考えるようになりました。御社では残業時間を管理する仕組みが整っていると伺い、長く働きたいと考えて志望しました。」
前の会社の残業の多さを事実として短く伝え、そこから考えた働き方と志望理由をつなげています。残業時間などの事実は数字で短く伝え、前の会社への不満に聞こえないよう、気持ちの話を長くしすぎないようにします。
「前職では、入社前に聞いていた休日の日数と実際の休日が違い、月に数日しか休めない状況が続きました。今回の転職では、同じことを繰り返さないよう、求人票と労働条件通知書で条件を確かめてから入社を決めることにしています。御社でも条件を確かめたうえで、腰を据えて長く働きたいと考えています。」
前の会社を責めるのではなく、その経験から会社の選び方を変えたことを伝えています。条件を確かめる手順を具体的に話すと、次の会社で長く働くために準備していることが伝わります。
入社した会社の探し方と決め方に共通点がないかを振り返る
求人票で給与の内訳、年間休日、残業時間、求人の出方を確かめる
ユースエール認定などを判断材料の一つにし、面接や見学でも確かめる
内定後は労働条件通知書で条件を書面で確かめてから入社を決める
まずは、これまで入社した会社ごとに、その会社を選んだ理由と、入社前に確かめなかったことを書き出してみてください。
Q. ブラック企業かどうかは、面接で見分けられますか。
面接だけですべてを見分けることは難しいですが、手がかりは得られます。残業時間や休日、配属先の人数などの質問に具体的に答えてもらえるか、面接の日程や連絡が急に変わらないかなどを見ます。気になる点は、内定後に書面で確かめます。
Q. 内定をもらった後に、条件について質問してもいいですか。
内定後に条件を確かめることは、入社を決めるために必要なことです。給与の内訳や休日、残業時間など、労働条件通知書で分からない点は、入社を決める前に質問します。「入社後の働き方を具体的に確認したい」と目的を添えると、前向きな質問として受け取ってもらいやすくなります。
Q. 入社してすぐに環境が悪いと気づいたら、すぐ辞めてもいいですか。
心身の不調が出ている場合は、無理に続けず、休むことを優先します。そうでない場合は、何が聞いていた話と違うのかを書き出し、上司や人事に確かめます。短い期間での退職が続いている場合は、次の会社を決めてから辞めると、焦って決める状況を避けられます。
Q. 大きな会社なら、働く環境は安心ですか。
会社の規模だけで働く環境は決まりません。高校卒の3年以内離職率を事業所の規模別に見ると、1,000人以上は26.3%、5人未満は63.2%と差がありますが、規模の大きい事業所でも辞める人はいます。規模にかかわらず、配属先の仕事内容や残業時間、休日を確かめて判断します。
Q. 環境の悪い会社で身についた経験は、面接で話してもいいですか。
話して構いません。忙しい中で工夫して仕事を進めたことや、限られた人数で任される仕事の幅を広げたことは、身についた力として伝えられます。前の会社への不満ではなく、自分がどう取り組んだかに焦点を当てて話します。
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