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転職の第一志望に落ちたり、募集が終わったりしたときは、第一志望のどこに魅力を感じていたのかを書き出し、同じ魅力を持つ別の会社や職種に応募先を広げるのが基本です。
第一志望に向けて準備してきた分、結果を知ると落ち込み、次に進めなくなることがあります。ただ、第一志望に惹かれた理由の中には、ほかの会社でも満たせるものが含まれていることがあります。
この記事では、落ちた後の気持ちの整理の仕方と、次の応募先の広げ方を、国家資格キャリアコンサルタントが解説します。
第一志望がなくなると、もう応募したい会社がないと感じることがあります。新しい求人がどのくらい出ているのかを知っておくと、次に進む気持ちを整える手がかりになります。落ち込んでいるときほど、全体の数字を一度見ておきます。
厚生労働省の一般職業紹介状況で、令和7年度の月平均の新規求人数を見ると、パートタイムを除いて488,593件、パートタイムを含めると794,415件でした。有効求人倍率は、パートタイムを除いて1.25倍です。毎月、新しい求人が出ていることが分かります。パートタイムを除く新規求人数は前の年度より3.8%減っていますが、毎月まとまった数の求人が出ています。
この数字は、ハローワークで受け付けた求人をもとにしたもので、転職サイトや転職エージェントの求人は含まれません。第一志望と同じ会社がすぐに募集を再開するとは限りませんが、条件の近い求人が新しく出てくる可能性はあります。ハローワーク、転職サイト、転職エージェントなど、いくつかの方法で求人を探すと、見つかる求人の幅が広がります。探す方法を増やすときは、同じ求人に別々のところから応募しないよう、応募した先を記録しておきます。
MyStyle転職の支援事例では、一度ほかのエージェント経由で面接に落ちた企業に、面接練習を重ねたうえで再び応募し、内定を得た25歳の方もいます。質問と回答がずれる、回答が長すぎたり短すぎたりするという課題を、自分の話し言葉で作った原稿をもとに直していきました。第一志望に落ちたことが、そのまま最後の結果になるとは限りません。
第一志望に落ちたり、募集が終わったりすると、準備してきた分だけ落ち込みます。次の応募に進む前に、気持ちを整理する時間を取ります。気持ちが整わないまま応募を急ぐと、応募先選びが雑になることがあります。
強く望んでいた会社ほど、結果を知ったときの落ち込みは大きくなります。無理にすぐ前向きになろうとせず、1日から数日は気持ちを休める時間にします。悔しさや残念な気持ちを紙に書き出すと、頭の中が整理されやすくなります。家族や友人など、話を聞いてくれる人に気持ちを話すのも一つの方法です。落ち込みが長く続き、眠れない、食欲がないといった状態が続く場合は、医療機関に相談する方法もあります。
採用するかどうかは、募集の人数や、ほかの応募者との比較、会社が求める経験など、応募者本人の力だけでは決まらないこともあります。落ちたことを、自分に価値がないという意味に受け取らないようにします。募集が終わった場合は、選考の結果ではなく、応募の時期が合わなかったということです。第一志望の会社に合わなかっただけで、ほかの会社では評価される経験もあります。
面接での受け答えや書類の内容を振り返るのは、気持ちが落ち着いてからにします。落ち込んでいるときに振り返ると、できなかったことばかりに目が向きやすくなります。できたことと、次に直したいことを分けて書き出すと、次の選考で何を準備すればよいかが見えてきます。書き出した内容は、次の応募先の面接準備にそのまま使えます。
次の応募先を広げるには、第一志望のどこに惹かれていたのかを言葉にします。会社の名前ではなく魅力の中身で探すと、ほかの会社でも同じ魅力を見つけやすくなります。書き出すことで、第一志望の会社にこだわっていた理由が、自分でもはっきりします。
第一志望に惹かれた理由を、どのような仕事をするか、休みや勤務時間などの働き方、扱う商品やサービス、社風や会社の規模などに分けて書き出します。求人票や、面接で聞いた内容を見返すと、何に惹かれていたのかを思い出しやすくなります。書き出すときは、なんとなく良さそうと感じた理由も、できるだけ具体的な言葉にします。複数の魅力がある場合は、特に強く惹かれたものに印をつけます。
書き出した魅力を、どうしても譲れないものと、ほかの会社でも代わりがきくものに分けます。たとえば、お客様と長く関わる仕事がしたいという魅力は、同じ業界のほかの会社や、別の業界の営業でも見つかることがあります。一方、その会社でしか扱っていない商品に関わりたいという魅力は、代わりが見つかりにくいため、再応募の機会を待つかどうかも含めて考えます。
大切にしたい軸は1つでも、その軸に合う会社は複数あります。第一志望を1社に絞りすぎると、落ちたときに次の候補が見つからず、焦りが大きくなることがあります。軸に合う会社を複数挙げておくと、応募を続けながら比べることができ、どこかの結果が思わしくなくても気持ちを立て直しやすくなります。
書き出した魅力をもとに、次の応募先を広げていきます。業界、職種、条件の3つの方向で探すと、候補が見つかりやすくなります。3つを同時に進める必要はなく、書き出した魅力に近いものから始めます。
第一志望の業界に魅力を感じていた場合は、同じ業界で、扱う商品やサービスが近いほかの会社を探します。業界の大手だけでなく、取引先の会社や、同じ地域で事業をしている会社にも目を向けると、候補が広がります。第一志望の会社のホームページで、取引先や関連する会社を調べるのも手がかりになります。同じ業界の会社であれば、第一志望に向けて調べた業界の知識も、そのまま志望動機に生かせます。
職種に魅力を感じていた場合は、業界を変えて同じ職種の求人を探します。たとえば事務職なら、メーカー、物流、医療など、業界が違っても仕事の流れが似ていることがあります。求められる知識は違っても、身につけてきた経験を伝えやすい場面があります。業界を変える場合は、応募先の業界で使われる言葉や仕事の流れを、求人票や会社のホームページで調べておきます。
候補が見つからない場合は、勤務地の範囲、会社の規模、雇用形態など、条件を一つだけ変えて探し直します。一度にすべての条件を変えると、第一志望に惹かれた理由から離れてしまうため、変えるのは代わりがきく条件から一つずつにします。条件を変えて見つけた求人は、書き出した第一志望の魅力をどのくらい満たしているかを照らして比べます。見つかった候補は、応募する前に一覧にしておくと比べやすくなります。
次の応募先の面接では、第一志望に落ちたことを自分から話す必要はありません。第一志望の魅力を書き出して見えた軸をもとに、その会社を選んだ理由を伝えます。志望動機は、応募先ごとに、その会社の特徴に合わせて書き直します。
「私は、お客様と長くお付き合いしながら、生活に欠かせないサービスを届ける仕事がしたいと考えています。御社は地域のお客様を担当制で継続して支えており、一人のお客様と信頼関係を築きながら働ける点に魅力を感じました。前職の接客で身につけた、相手の話を丁寧に聞く力を生かしたいと考えています。」
業界への関心だけでなく、担当制で長く関われるという、その会社ならではの点を志望理由にしています。第一志望と同じ軸を持ちながら、応募先の特徴に合わせて言葉を変えることで、使い回しの志望動機に聞こえにくくなります。応募先の特徴は、求人票や会社のホームページ、面接で聞いた話から具体的に拾います。
「お客様と長く関わる仕事ができることを軸に、同じ業界の会社を中心に応募しています。これまで選考を受けた会社の中には結果が出なかったところもありますが、軸は変えずに、自分に合う会社を探しています。その中でも、担当制でお客様を継続して支える御社の働き方に、特に魅力を感じています。」
結果が出なかった会社があることを正直に伝えつつ、軸が変わっていないことを示しています。応募先を広げても軸が一貫していると、会社を選ぶ考え方がしっかりしていることが伝わります。結果が出なかった会社の名前を出す必要はありません。
令和7年度の月平均の新規求人数は、パートタイムを除いて488,593件で、新しい求人は毎月出ている
落ち込むのは自然なことと受け止め、振り返りは気持ちが落ち着いてから行う
第一志望のどこに魅力を感じたのかを書き出し、譲れない魅力と代わりがきく魅力に分ける
同じ業界、同じ職種、条件を一つ変えるという方向で応募先を広げる
まずは、第一志望に惹かれた理由を、仕事内容、働き方、会社の特徴に分けて書き出してみてください。
Q. 一度落ちた会社に、もう一度応募してもいいですか。
再応募を受け付けているかどうかは会社によって違います。求人の案内に再応募についての記載があるかを見たり、担当者を通じて確かめたりします。再応募する場合は、前回の選考から何を改善したのかを伝えられるように準備します。
Q. 募集が終わった第一志望の会社が、また募集することはありますか。
欠員や事業の拡大などで、同じ会社が再び募集することもあります。会社の採用ページを定期的に見る、転職サイトで新着の求人の通知を受け取るなどして、再開に気づけるようにしておきます。再開を待つだけにならないよう、ほかの応募先の検討も並行して進めます。
Q. 第一志望に落ちてから、やる気が出ません。
気持ちが落ちているときは、応募の数を増やすより、まず休む時間を取ります。そのうえで、求人を1日数件見るだけ、書き出しを1つ進めるだけなど、小さな行動から再開すると、少しずつ動きやすくなります。焦りが強いときは、応募を急がず、書き出しを先に進めます。
Q. 不採用の理由を企業に聞くことはできますか。
企業が不採用の理由を教えるかどうかは会社によって違い、教えてもらえないこともあります。転職エージェント経由で応募した場合は、担当者を通じて評価や改善点を聞ける場合があります。聞いた内容は、次の選考の準備に生かします。
Q. 第一志望より条件が低い会社に応募するのは妥協ですか。
条件の一部が第一志望より低くても、譲れない魅力が満たされているなら、自分の軸に沿った選択といえます。どの条件を譲り、どの条件を守ったのかを自分で説明できるように整理しておきます。入社後に迷わないためにも、選んだ理由を書き残しておきます。
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