最終更新:
営業を辞めたいと感じたら、つらさの原因が営業という仕事そのものにあるのか、飛び込みや数字の追い方など営業のやり方にあるのかを切り分けてから、次の仕事を選ぶのが基本です。
営業には、新しいお客さまを自分から探す仕事もあれば、決まった取引先を担当する仕事や、問い合わせに対応する仕事もあります。原因を分けずに辞めると、営業で身についた力まで手放してしまうことがあります。
この記事では、営業の種類ごとの違いと、辞めたい理由に合わせた次の仕事の選び方を、国家資格キャリアコンサルタントが解説します。
営業を辞めたいと考える前に、営業の種類による違いを知っておきます。同じ営業でも、お客さまとの出会い方や、毎日の動き方が大きく違います。自分が今どの種類の営業をしていて、どの部分がつらいのかを確かめる材料になります。
飛び込み営業は、面識のない会社や家庭を訪問して、商品やサービスを提案する営業です。電話で新しいお客さまを探すテレアポも、自分から接点を作る点で似ています。テレアポでは、1日に何件電話をかけるかの目安が決まっている会社もあります。
断られる回数が多くなりやすく、断られることに気持ちの負担を感じる人もいます。一方で、自分の工夫で結果を出す面白さを感じる人もいます。
反響営業は、広告やホームページを見て問い合わせをしてきたお客さまに対応する営業です。お客さまのほうから連絡があるため、知らない相手に自分から声をかける場面は少なくなります。
ただし、問い合わせへの対応の早さや、限られた機会で契約につなげることが求められます。問い合わせの内容はお客さまによって違うため、商品の知識をもとに、相手の状況に合わせて提案する力も必要です。
ルート営業は、すでに取引のある会社を定期的に訪問し、注文を受けたり、新しい商品を提案したりする営業です。同じ相手と長く付き合うため、関係を築く力が生かせます。担当する取引先の数や、訪問の頻度は会社によって違います。新しいお客さまを探す機会が少ない分、担当先からの注文を増やすことや、取引を続けてもらうことが求められます。
営業を辞めたい理由を書き出し、営業という仕事そのものが合わないのか、今の営業のやり方が合わないのかに分けます。書き出すときは、つらいと感じた場面と、やりがいを感じた場面の両方を挙げると、分けやすくなります。
飛び込みで断られ続けることや、毎月の目標の数字に追われることがつらい場合は、営業のやり方が合っていない可能性があります。反響営業やルート営業など、お客さまとの出会い方が違う営業では、同じつらさを感じにくいこともあります。
つらさが「断られること」なのか「数字に追われること」なのかによって、次に選ぶ営業の種類も変わります。
お客さまと話すこと自体が毎日負担に感じる場合は、営業以外の仕事も視野に入れます。ただ、「人と話すのが負担」の中身も、初対面の相手と話すことなのか、提案して契約をお願いすることなのかで違います。苦手な場面を細かく書き出してから判断します。たとえば、困っているお客さまの話を聞いて手続きを進めることが苦にならないなら、営業以外でも人と関わる仕事を選べます。
MyStyle転職の支援事例では、飲食、不動産の営業、土木作業と仕事を変えてきた24歳の方が、人と話すのは好きだが、不動産営業のような押しの強い営業は向いていないし怖いと感じていました。3社でよかったことと、つらかったことを一緒に言葉にし、趣味の音楽への興味と人と話すのが好きなことを掛け合わせて、楽器の買取を担当する営業職で内定を得て、長く働いています。
営業で身についた力は、ほかの仕事でも生かせます。辞めたい理由に合わせて、次の3つの方向から考えます。今の営業で何がつらく、何ならできるかを踏まえて選ぶと、次の仕事で同じつらさを繰り返しにくくなります。
営業の仕事内容そのものは嫌いではない場合は、反響営業やルート営業など、お客さまとの出会い方が違う営業に移る方法があります。求人票では、「反響営業」「ルート営業」「既存顧客中心」などの言葉を手がかりに探します。
厚生労働省の一般職業紹介状況で、2026年3月のパートを含む常用の有効求人倍率を見ると、営業職業従事者は2.14倍で、職業計の1.10倍を上回っています。営業の求人の中から、自分に合う種類を選べる可能性があります。
お客さまと直接やり取りする量を減らしたい場合は、営業事務や受注の管理など、営業を支える仕事も選択肢です。営業の流れを知っていることは、営業担当とのやり取りで生かせます。
同じ統計で、営業・販売事務従事者の有効求人倍率は0.97倍、一般事務従事者は0.37倍で、求職者に対する求人の数は営業職業従事者より少なくなっています。
営業で身についた、お客さまの話を聞いて困りごとを整理する力は、窓口の仕事などでも生かせます。お客さまの要望を正確に聞き取り、社内の担当者に伝えてきた経験は、窓口や受付の仕事でも伝えられる強みになります。支援事例には、配達のアルバイトで配達先の店長と関係を築いていた23歳の方が、その力を強みとして、配送と営業を組み合わせた正社員の仕事に就いた例もあります。
辞めると決める前に、次の3つを確かめておくと、次の仕事選びで同じつらさを繰り返しにくくなります。勢いで辞めるのではなく、確かめたことをもとに判断します。
既存のお客さまの担当に移る、営業企画など別の部署に移るなど、今の会社の中で働き方を変えられる場合もあります。上司に相談できる場合は、つらいことと、続けられることを具体的に伝えます。「新しいお客さまを探す仕事はつらいが、既存のお客さまとのやり取りは続けたい」のように伝えると、会社も配置を検討しやすくなります。
お客さまの話を聞いて提案した経験、断られても次に切り替えた経験、訪問の計画を立てて動いた経験など、営業で身についたことを書き出します。数字の成果がなくても、工夫したことや続けてきたことは、次の仕事で伝えられる材料になります。上司やお客さまから言われてうれしかった言葉も、あわせて書いておきます。書き出した内容は、職務経歴書や面接で話す自己PRの材料にもなります。
次も営業を選ぶ場合は、求人票で新規と既存のどちらのお客さまが中心か、目標の決め方、1日の訪問件数などを確かめます。書かれていない場合は、面接で聞きます。新規と既存のお客さまの割合は求人票に書かれていない場合もあるため、面接で「新規と既存のお客さまの割合はどのくらいですか」と具体的に聞きます。職場見学ができる場合は、営業担当が事務所で過ごす時間や、外回りの流れも聞いておくと、入社後の一日を想像しやすくなります。
面接では、営業がつらかったことだけを話すのではなく、営業で身についたことと、次の仕事でどう生かしたいかを伝えます。営業の経験を否定するような言い方は避け、営業で身についた力が応募先の仕事でどう役立つかまで話します。
「前職では飛び込み営業で、1日に30件ほど訪問していました。断られることも多い中で、話を聞いてくださったお客さまに、困りごとに合わせた提案をすることにやりがいを感じていました。今後は、一人ひとりのお客さまとじっくり向き合える環境で力を発揮したいと考え、問い合わせへの対応が中心の御社の営業職を志望しました。」
飛び込み営業のつらさではなく、その中でやりがいを感じた場面を話しています。応募先の営業のやり方と、自分が力を発揮しやすい場面がつながっていることを伝えています。訪問件数など数字を入れると、前職での働き方が具体的に伝わります。
「前職では法人営業として、取引先への提案資料や見積書の作成を担当してきました。営業の仕事の中で、資料を分かりやすく整えたり、受注後の手配を正確に進めたりすることに、自分の強みがあると気づきました。営業の流れを知っている経験を生かし、営業担当の方が動きやすくなるよう支える仕事に取り組みたいです。」
営業から離れる理由を、営業が嫌だったからではなく、営業の中で気づいた強みを生かすためと伝えています。資料作成や受注後の手配など、営業の中で実際に担当していた作業を挙げると、事務の仕事への理解も伝わります。
飛び込み・反響・ルートなど、営業の種類の違いを知る
つらさの原因が営業そのものか、営業のやり方かを分ける
種類の違う営業、営業を支える仕事、聞く力を生かす仕事から次を考える
営業で身についた力を書き出し、面接では次の仕事への生かし方を伝える
まずは、今の営業の仕事でつらいことと、やりがいを感じることを3つずつ書き出してみてください。
Q. 営業を1年未満で辞めると、次の転職で不利になりますか。
短い期間で辞めると、面接で理由を聞かれることがあります。何がつらかったのかと、次は何を確かめて仕事を選んだのかを説明できれば、同じ理由で辞めるのではという心配を和らげられます。辞める前に、営業で身についたことも書き出しておきます。
Q. 数字の目標がない営業の仕事はありますか。
個人の数字の目標を設けていない会社や、チーム全体の目標で評価する会社もあります。ただし、求人票に「ノルマなし」と書かれていても、目安となる数字がある場合もあります。面接で、評価の決まり方と、目標に届かなかったときの扱いを聞いておきます。
Q. 営業の経験は、事務職の選考で評価されますか。
営業で身についた、お客さまとのやり取りや、期限を守って仕事を進める力は、事務の仕事でも生かせる場面があります。応募先の事務の仕事内容に合わせて、どの経験が生かせるかを具体的に伝えると、営業経験を評価してもらいやすくなります。
Q. 営業の手当がなくなると、給料が下がりませんか。
営業職の給与には、成果に応じた手当が含まれていることがあります。次の仕事を選ぶときは、今の給与のうち毎月決まって支払われる額を確かめ、応募先の月給の下限や賞与、手当の内訳と比べます。手当に頼らない給与の額で比べると、生活の見通しを立てやすくなります。
Q. 上司に営業に向いていないと言われたら、辞めたほうがいいですか。
上司の言葉だけで決める必要はありません。どの場面を見てそう言われたのかを確かめ、今の営業のやり方が合わないのか、営業そのものが合わないのかを分けて考えます。言われた内容に思い当たることがあれば、次の仕事選びの参考にします。
業績悪化が転職理由のときの伝え方|面接で不利にならない例文
業績悪化で転職する方へ。会社の状況は事実として短く伝え、その中で自分が取り組んだことと、次の職場で実現したいことを中心に話すのが基本です。例文も紹介します。
職歴に一貫性がないときの面接対策は?経験をつなげる話し方と例文を解説
職歴に一貫性がないと悩む方へ。職種や業界が違っても、それぞれの仕事で身につけたことと、応募先を選んだ理由を共通の軸でつなげて話すのが基本です。例文も紹介します。
持病は面接で言うべき?伝え方の例文と体調に合う会社の選び方
持病を面接で伝えるか迷う方へ。働くうえで配慮が必要な点があるなら、今の状態とできることを合わせて伝え、通院や勤務の条件が合う会社を選ぶのが基本です。
契約満了の転職理由はどう伝える? 正社員を目指す面接の例文を解説
契約満了で転職する方へ。契約満了は事実として短く伝え、契約社員として身につけた経験と、正社員として長く働きたい理由を中心に話すのが基本です。例文も紹介します。