複数社から内定が出たときの決め方は? 比べる順番と辞退の例文

最終更新:

2026/9/9 07:56

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内定が複数出たら、最初にやるのは返事の期限を確かめることです。期限は伝え方次第で延ばせることがあり、ここを確保できるかで判断の質が変わります。

比べる順番は、続けられるか、収入、覚えられる仕事か、通勤と生活の順です。収入だけで並べると、入社後に線が引けなくなります。

この記事では、期限の確かめ方、比べる順番、承諾後の辞退の扱い、伝えるときの例文までを、国家資格キャリアコンサルタントが解説します。

返事の期限を先に確かめる

比べる前に、使える時間を確定させます。

期限は交渉できる

提示された期限が短すぎると感じたら、延ばせないか聞いてかまいません。他社の選考が残っていることを伝えれば、考慮されることがあります。

言わなければ、提示された期限がそのまま進みます。聞くだけなら不利益はありませんので、まずは相談してみましょう。

待つ間に採用側で起きること

採用側は、返事を待つ間、その枠を埋められません。だからこそ、いつまでに返事するかを明確に伝えることが、相手への配慮になります。

連絡を止めて黙って待たせるのが一番良くありません。期日を切って伝えておけば、待つこと自体は問題になりにくくなります。

NG例(返事の仕方)

  • 期限を聞かずに考え始める

  • 返事を先延ばしにして連絡を止める

OK例(返事の仕方)

  • 期限を確かめ、必要なら延長を願う

  • いつ返事するかを日付で伝える

内定を比べるときの4つの順番

並べる順番を決めておくと、迷いが減ります。

1. 続けられるかで絞る

最初に見るのは、勤務時間と休日です。ここが成り立たなければ、他の条件が良くても続きません。

年間休日数、残業の見込み、シフトの有無を並べます。この段階で明らかに無理なものがあれば、先に外します。

2. 収入は初年度と3年後で見る

収入は、提示された額だけでは判断できません。固定残業代が含まれているか、昇給や賞与の仕組みがあるかを見ます。

初年度の手取りが同じでも、3年後に差がつくことがあります。分からなければ、採用担当に直接聞いて問題ありません。

3. 覚えられる仕事かを見る

未経験から入る場合、教えてもらえる体制があるかで定着が変わります。研修の有無だけでなく、同じ仕事をする人が何人いるかを見ます。

一人しかいない職場では、聞ける相手がいません。面接で見学させてもらっていれば、ここは判断しやすくなります。

4. 通勤と生活で最後に決める

ここまでで互角なら、通勤時間で決めます。片道で30分の差は、往復で1日1時間、月で見れば20時間前後の差になります。

毎日のことなので、続くかどうかに直接影響します。最後の決め手にするには十分な材料です。

決めきれないときに使う2つの質問

並べても決まらないことがあります。

断るとしたらどちらか

選ぶのではなく、断るとしたらどちらかを考えます。選ぶときは良い面ばかり見てしまいますが、断ると考えると引っかかる点が出てきます。

断ると想像したときに惜しさが強いほうが、実際に選びたいほうです。

3年後に何が残るか

もう一つは、3年働いたときに何が手元に残るかです。資格、経験、任せられる範囲を想像します。

今の条件が同じでも、3年後に残るものは違います。未経験から始める場合、この差が次の転職の選択肢を決めます。

承諾した後でも辞退はできるのか

承諾してから迷いが出ることもあります。

民法627条が定めるもの

民法第627条第1項は「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する」と定めています。

期間の定めのない雇用であれば、働く側からもいつでも解約を申し入れられるということです。一度承諾したら一生抜けられない、ということはありません。

できるが早いほど負担は小さい

ただし、遅くなるほど相手側の準備が進みます。制服の手配、席の用意、研修の日程調整などが進んでいきます。

迷っている段階で先に伝えるほうが、お互いの損失は小さくなります。言いにくさから後回しにするのが、一番良くありません。

辞退を伝えるときの3つの手順

伝え方には順番があります。

電話が先、メールは後

まず電話で伝え、その後にメールを送ります。メールだけで済ませると、相手に届いていない可能性が残ります。

電話はつながらないこともあります。その場合は、メールを先に送ってから改めてかけ直します。

理由は短く一つだけ

理由を並べると、反論の余地を作ることになります。他社に決めたという一点だけを伝えます。

どこの会社か、なぜそちらかを詳しく話す必要はありません。聞かれても、答えない選択肢があります。

引き止められたときの返し方

条件を上げると言われることがあります。その場で返事をしないことです。

条件で迷っていたのであれば検討する価値はありますが、仕事の内容で決めたのであれば変わりません。一度持ち帰ってから伝え直しましょう。

返事の保留と辞退を伝える例文

ここからは、実際に口に出せる形で見ていきます。いずれも30秒前後で話せる長さです。

期限を延ばしてもらう例文

「内定をいただき、ありがとうございます。前向きに考えておりますが、他社の選考が1件残っており、結果が今週末に出る予定です。来週の月曜日までお返事を待っていただくことは可能でしょうか。」

いつまでに返事するかを日付で示すのがポイントです。前向きであることを先に伝えると、話が通りやすくなります。

辞退を伝える例文

「先日内定をいただきました件でご連絡いたしました。悩んだ結果、他社にお世話になることにいたしました。お時間をいただいたにもかかわらず、申し訳ございません。」

理由は一つで十分です。長く説明すると、引き止めの材料を渡すことになります。

まとめ

  • 最初に返事の期限を確かめ、必要なら延長を願う

  • 比べる順番は、続けられるか、収入、覚えられるか、通勤

  • 決めきれなければ、断るならどちらか、3年後に何が残るかで考える

  • 民法627条により、承諾後でも解約の申入れはできる

  • 辞退は電話が先、理由は一つだけにする

まずやるのは、それぞれの返事期限を日付で書き出すことです。使える日数が見えれば、比べる順番を回せます。

よくある質問

Q. 返事の期限は延ばせますか。

他社の選考が残っていることを伝えれば、考慮されることがあります。いつ返事するかを日付で示して相談しましょう。

Q. 承諾した後でも辞退できますか。

民法627条は、期間の定めのない雇用について各当事者がいつでも解約の申入れをできると定めています。ただし早いほど相手側の負担は小さくなります。

Q. 辞退の理由は詳しく話す必要がありますか。

他社に決めたという一点で十分です。会社名や理由を並べると、引き止めの材料になります。

Q. メールだけで辞退してもよいですか。

電話で伝えてからメールを送るのが確実です。電話がつながらなければ、メールを先に送ってからかけ直します。

Q. 引き止められたらどうしますか。

その場で返事をせず、一度持ち帰ります。条件で迷っていたのであれば検討する価値はありますが、仕事の内容で決めたのであれば変わりません。