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人見知りでも、人と関わる仕事を選ぶことはできます。初対面の人と話すのが苦手なことと、人と関わる仕事が向いていないことは別の問題です。どんな相手と、どんな関わり方をするなら苦にならないかを確かめ、それに合う仕事を選ぶのが基本です。
人と関わる仕事にも、毎日新しい人と会う仕事と、決まった相手と長く付き合う仕事があります。人見知りだからと人と関わる仕事をすべて避けると、自分に合う仕事まで選択肢から外してしまうことがあります。
この記事では、苦手意識と適性の分け方と、自分に合う関わり方の仕事の探し方を、国家資格キャリアコンサルタントが解説します。
人見知りの方が「人と関わる仕事は無理」と感じるとき、苦手なのは人と関わること全体ではなく、特定の場面であることがあります。仕事を選ぶ前に、苦手な場面を細かく分けてみます。人見知りだから人と関わる仕事は向かないと決める前に、苦手の中身を確かめます。
人見知りの方の中には、初対面の相手と話し始めるまでは緊張しても、何度か会って慣れた相手とは楽に話せる方もいます。一方で、慣れた相手とでも長く話すと疲れてしまう方もいます。
自分がどちらに近いかは、アルバイトや学校生活を振り返ると分かります。常連のお客さまや、同じシフトの仲間と話すのは苦にならなかったのか、それとも人と話す場面そのものに疲れていたのかを思い出します。アルバイトを始めた頃と、数か月たった頃で、話しやすさが変わったかを比べるのも手がかりになります。
「電話に出る」「知らない人に声をかける」「決まった相手と打ち合わせる」「困っている人の話を聞く」など、人と関わる場面を細かく分けて、苦手か、苦にならないかを書き出します。
場面ごとに分けると、「人と関わる仕事は全部無理」ではなく、「知らない人に自分から声をかけるのは苦手だが、相談を受けて答えるのは苦にならない」のように、自分の傾向が見えてきます。この傾向が、仕事を選ぶときの基準になります。書き出すときは、仕事以外の場面も含めて構いません。友人との集まりや学校のグループ活動で、どんな役割のときに楽だったかも思い出します。
人と関わる仕事といっても、相手や関わり方は仕事によって違います。同じ職種名でも、会社や部署によって関わる相手や頻度が大きく変わることがあります。関わり方の違いを知ると、人見知りの方でも選べる仕事が見えてきます。
営業の仕事でも、新しい取引先を自分から探す仕事もあれば、決まった取引先を定期的に訪問するルート営業や、問い合わせをしてきたお客さまに対応する反響営業もあります。反響営業は、お客さまのほうから連絡があるため、知らない相手に自分から声をかける場面は少なくなります。ルート営業も、同じ相手と何度も会うため、関係ができてからは話しやすくなる場面が増えます。
事務の仕事でも、社内の決まったメンバーとやり取りすることが中心の仕事と、来客や電話の対応が多い仕事があります。求人票の仕事内容で、誰と、どのくらいの頻度で関わるのかを確かめます。
人と関わる仕事には、自分から説明や提案をする量が多い仕事と、相手の話を聞いて対応する量が多い仕事があります。人見知りの方の中には、自分から話し続けるのは苦手でも、相手の話をじっくり聞くのは得意という方もいます。
たとえば、お客さまの困りごとを聞いて手続きを進める窓口の仕事は、聞く力が生かせる場面が多くあります。自分が話す側と聞く側のどちらが楽かも、仕事選びの基準に入れます。どちらが楽かは、アルバイトで注文を受けていたときと、商品をすすめていたときなど、場面を比べると分かりやすくなります。
MyStyle転職の支援事例から、人と関わる場面を振り返り、自分に合う関わり方を見つけて仕事を選んだ方を紹介します。
23歳の方は、接客や事務の正社員の仕事を短い期間で辞め、お酒の配達のアルバイトをしていました。配るだけでなく、配達先の飲食店の店長と雑談を重ねて仲良くなり、仕事を楽しんでいましたが、本人は当たり前のことをしているだけだと思っていました。
面談で、決まった相手と関係を築く力と、配達だけで終わらせない姿勢を強みとして言葉にし、配送と営業を組み合わせた正社員の仕事に就いています。
24歳の方は、飲食、不動産の営業、土木作業と仕事を変えてきました。3社でよかったことと、つらかったことを一緒に言葉にすると、人と話すのは好きだが、不動産営業のような押しの強い営業は向いていないし怖い、夜勤もきついという条件が見えてきました。
趣味の音楽への興味と、人と話すのが好きなことを掛け合わせ、楽器の買取を担当する営業職で内定を得て、長く働いています。人と関わる仕事の中でも、合わない関わり方を先に分けたことで、選べる仕事が見つかった例です。
25歳の方は、派遣で製造ラインの仕事をしていました。過去の仕事を振り返ると、モノを黙々と扱う作業より、人とやり取りする場面のほうが楽しかった事実が見つかり、営業職で正社員になっています。向いている関わり方は、思い込みではなく、実際の場面を振り返ることで見えてきます。
苦手な場面と苦にならない場面が分かったら、それを基準に仕事を探します。求人票で分かることと、面接や見学で確かめることを分けて進めます。焦って応募先を増やすより、関わり方が合いそうな求人に絞って確かめるほうが、入社後のずれを減らせます。
求人票の仕事内容の欄で、関わる相手が社内の人か社外の人か、新しい相手か決まった相手か、対面か電話かを確かめます。「ルート営業」「既存顧客への対応」「反響営業」などの言葉は、関わる相手を知る手がかりになります。書かれていない場合は、面接で一日の流れを聞きます。「コミュニケーション能力を重視」と書かれている場合は、それが社内の連携を指すのか、お客さまへの提案を指すのかを面接で聞いておきます。
職場見学ができる場合は、実際に働いている人が、どのくらいの頻度で人と話しているかを見ます。作業の合間に、社員同士がどのように声をかけ合っているかも見ておきます。面接で「一日のうち、お客さまと話す時間はどのくらいですか」と聞くのも方法です。数字で答えてもらえなくても、話を聞くことで、入社後の働き方を具体的に思い描けます。
同じ相手と何度も会ううちに、緊張が和らいでいくこともあります。入社後すぐに一人でお客さまを担当するのか、先輩に同行して慣れる期間があるのかを面接で確かめると、苦手な場面に少しずつ慣れていけるかを判断できます。同行の期間がある場合は、何か月くらいで一人で担当するようになるのかも聞いておくと、慣れるまでの見通しが立ちます。
面接で短所や性格を聞かれたとき、人見知りであることを隠す必要はありません。苦手な場面と、それに対してどう工夫しているかをあわせて伝えます。人見知りを隠して明るくふるまうより、自分の傾向を理解していることが伝わるほうが、入社後の働き方も想像してもらいやすくなります。
「私の短所は、初対面の方と話すときに緊張しやすいところです。アルバイトでは、自分から話しかけるのが苦手だったため、お客さまの名前や前回の注文を覚えて、次に来店されたときに一言添えるようにしました。何度かお会いするうちに自然に話せるようになり、常連のお客さまから声をかけていただけるようになりました。」
短所を伝えるだけで終わらせず、苦手な場面に対して自分で考えた工夫と、その結果を話しています。工夫の内容が具体的だと、入社後も苦手なことに向き合える人だと伝わりやすくなります。工夫は、アルバイトや学校生活の中で実際にやったことを選びます。
「私は、相手の話を最後まで聞いてから答えることを大切にしています。飲食店のアルバイトでは、アレルギーの有無など、お客さまの細かい要望を聞き取り、キッチンに正確に伝える役割を任されていました。御社の窓口の仕事でも、お客さまの困りごとを丁寧に聞き取り、正確な対応につなげたいと考えています。」
人見知りを言い換えるのではなく、自分が得意な関わり方を強みとして伝えています。応募先の仕事で、その関わり方がどう生かせるかまで話すと、仕事への理解も伝えられます。
苦手なのが初対面か、人と話すこと自体かを分けて考える
人と関わる場面を細かく分け、苦手な場面と苦にならない場面を書き出す
求人票で、誰とどのくらい関わる仕事かを確かめる
面接では、人見知りを隠さず、工夫していることとあわせて伝える
まずは、アルバイトや学校生活で人と関わった場面を5つ挙げ、苦手だったか、苦にならなかったかを書き出してみてください。
Q. 人見知りは、働いているうちに直りますか。
直るかどうかは人によって違います。同じ相手と何度も話すうちに慣れる場合もあれば、初対面の緊張は続く場合もあります。無理に直そうとするより、緊張する場面で使える準備や工夫を増やし、苦手な場面が少ない仕事を選ぶと、負担を減らしながら働けます。
Q. 電話対応が苦手でも、事務の仕事はできますか。
事務の仕事でも、電話対応の量は会社や部署によって違います。求人票に「電話対応」「来客対応」と書かれているかを確かめ、面接で一日にどのくらい電話を受けるかを聞きます。最初は先輩の対応を聞き、よく使う言い回しをメモしておくと慣れやすくなります。
Q. 人見知りだと、職場の人間関係になじめるか不安です。
入社前に、配属先の人数や年齢層、チームで進める仕事か一人で進める仕事かを面接で聞いておくと、職場の様子を想像しやすくなります。入社後は、あいさつや返事など、自分から続けやすい小さな行動から始めると、周りとの距離が少しずつ縮まります。
Q. 人と関わらない仕事を選んだほうが楽ですか。
人と関わる量が少ない仕事でも、社内での報告や相談など、人とのやり取りが必要になる場面はあります。「関わらない仕事」を探すより、「苦にならない関わり方の仕事」を探すほうが、選べる求人の幅が広がります。関わる量の少ない仕事を選ぶ場合も、理由を自分の言葉で説明できるようにしておきます。
Q. 面接で緊張して、うまく話せなかったらどうすればいいですか。
緊張していることを最初に一言伝えると、気持ちが落ち着く場合があります。よく聞かれる質問への答えを声に出して練習しておくと、緊張しても言葉が出やすくなります。うまく話せなかった質問は面接の後に書き出し、次の面接までに答え方を見直します。
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