企業はフリーター経験をどう見ている? 国の調査で見る採用の実態を解説

最終更新:

2026/9/15 04:56

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フリーター経験を、企業はそれほど気にしていません。厚生労働省の調査では、フリーターだったことが評価に「ほとんど影響しない」と答えた事業所が68.1%でした。

企業が採用で重視していたのは、経験や学歴よりも、働く意欲やマナー、コミュニケーションです。フリーターだった期間そのものより、選考でそれをどう見せるかで差がつきます。

この記事では、国の調査の数字、企業が見ている点、選考での伝え方を、国家資格キャリアコンサルタントが解説します。

企業の約7割は「ほとんど影響しない」

まず、企業がフリーター経験をどう見ているかを確かめます。

フリーターだったことの評価

厚生労働省の平成30年若年者雇用実態調査は、正社員を採用する予定があった事業所に、フリーターが正社員の求人に応募してきた場合の評価を尋ねています。15〜34歳のフリーターについての結果は次のとおりです。

評価

事業所の割合

プラスに評価する

3.1%

評価にほとんど影響しない

68.1%

マイナスに評価する

13.5%

不明

15.2%

同じ調査は、「マイナスに評価する」事業所の割合のほうが高いものの、「評価にほとんど影響しない」事業所が全体の約7割を占めているとしています。

年齢が上がるとマイナスが増える

同じ調査で、35〜44歳のフリーターについては「マイナスに評価する」が26.0%でした。15〜34歳の13.5%と比べて、2倍近くになっています。

フリーターだったこと自体より、年齢が上がるほど見られ方が厳しくなるということです。20代のうちに動く意味は、ここにあります。

なお、令和5年の同じ調査の概況には、フリーターの評価を尋ねた項目が見当たりません。そのため、この数字は平成30年のものを使っています。

NG例(フリーター経験が気になるとき)

  • フリーターだった期間を隠そうとする

  • 不利だと思い込んで応募を控える

OK例(フリーター経験が気になるとき)

  • 期間の中でしてきたことを整理する

  • 働く意欲を具体的な行動で示す

実際にフリーターを採用している企業

評価だけでなく、実際の採用の状況も見ておきます。

応募があった企業と採用した企業

同じ平成30年調査では、正社員を採用する予定があった事業所のうち、フリーターから応募があった事業所は25.4%、実際にフリーターを正社員として採用した事業所は18.5%でした。

応募があった事業所の多くが、実際に採用までしているということです。フリーターからの応募を最初から門前払いしている企業ばかりではありません。

正社員への転換制度がある事業所

令和5年の若年者雇用実態調査では、正社員以外の労働者を正社員へ転換させる制度が「ある」事業所は59.9%でした。平成30年調査の53.4%から増えています。

正社員以外の働き方から正社員を目指す道は、以前より広がっているといえます。

企業が見ているのは経験より姿勢

採用で何が重視されているかです。

フリーターを採用するときに重視した点

平成30年調査で、15〜34歳のフリーターを正社員として採用した事業所が重視した点(複数回答)の上位は次のとおりです。

重視した点

事業所の割合

職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神

68.7%

マナー・社会常識

59.8%

コミュニケーション能力

52.5%

業務に役立つ職業経験・訓練経験

17.5%

学歴・経歴

7.9%

職業経験や学歴・経歴よりも、働く意欲やマナーが重視されています。

中途採用全体でも同じ傾向

令和5年調査で、若年の中途採用者の選考で重視した点も、「職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神」が72.7%、「コミュニケーション能力」が66.9%、「マナー・社会常識」が58.1%の順でした。

フリーターかどうかに関わらず、若い人の中途採用では同じ点が見られているということです。経験が少なくても、ここで評価される余地があります。

選考で伝えるべきこと

この結果を、応募と面接にどう生かすかです。

意欲は理由と行動で示す

「やる気があります」と言うだけでは、意欲は伝わりません。なぜ正社員を目指すのか、そのために何をしてきたのかを、具体的に話すことです。

例えば、応募先の仕事について調べたこと、バイトで任されるようになった役割などは、行動として示せる材料になります。

マナーは応募の時点から伝わる

マナー・社会常識は、面接の受け答えだけで判断されるとは限りません。応募書類の丁寧さや、日程調整のメールの返し方も材料になり得ます。

連絡への返信を早くする、時間を守るといった基本を、応募の段階から意識しておくと安心です。

伝えるときの例文

ここからは、実際に使える形で見ていきます。

面接で意欲を伝える例文

「アルバイトでは3年間、同じ店舗で接客を続け、昨年からは新人の教育も任されていました。人に教える中で、決まった役割を長く任される働き方をしたいと考え、正社員を目指しています。御社の研修内容を拝見し、ここで基礎から身につけたいと思いました。」

期間、任された役割、正社員を目指す理由、応募先を選んだ理由の順に話します。意欲を行動と理由で裏づける形です。

書類の自己PRの例文

「アルバイトでは、遅刻や欠勤をせずに3年間勤務を続けてきました。忙しい時間帯でも、周りのスタッフと声をかけ合って作業を分担することを心がけてきました。正社員としても、決められたことを確実に続けながら、仕事の幅を広げていきたいと考えています。」

勤労意欲とコミュニケーションを、具体的な行動で示しています。企業が重視する点に合わせて書くのがポイントです。

まとめ

  • フリーター経験が評価に「ほとんど影響しない」事業所は68.1%

  • 「マイナスに評価する」は15〜34歳で13.5%、35〜44歳で26.0%に上がる

  • 応募があった事業所の多くが、実際にフリーターを正社員として採用している

  • 重視されるのは、勤労意欲、マナー、コミュニケーション

  • 意欲は、正社員を目指す理由と具体的な行動で示す

まずは、バイトで任されてきた役割と続けてきたことを書き出してみてください。

よくある質問

Q. フリーター経験は就職で不利になりますか。

厚生労働省の平成30年調査では、評価に「ほとんど影響しない」事業所が68.1%で、最も多くなっていました。

Q. マイナスに見る企業はどのくらいありますか。

15〜34歳のフリーターについては13.5%でした。35〜44歳では26.0%に上がります。

Q. 実際にフリーターを採用している企業はありますか。

正社員を採用する予定があった事業所のうち、18.5%が実際にフリーターを正社員として採用していました。

Q. 経験や資格がないと厳しいですか。

フリーターを採用した事業所が重視した点では、業務に役立つ職業経験は17.5%で、勤労意欲の68.7%を大きく下回っていました。

Q. 数字は最新のものですか。

フリーターの評価は平成30年調査の数字です。令和5年調査の概況には、同じ項目が見当たりませんでした。