最終更新:
高卒2年目の転職は、早すぎるわけではありません。国の調査では、高校を卒業して就職した人の37.9%が3年以内に離職しており、就職2年目の離職率は11.5%でした。ただし、短い期間で辞めると応募先から理由を聞かれるため、辞めたい理由を切り分け、次の仕事で大切にしたいことを決めてから動きます。
20歳前後の転職は、これから経験を積める時間が長い一方で、社会人としての経験は短い状態です。今の会社で身についたことを整理し、次は自分で比べて会社を選ぶ準備をします。
この記事では、高卒就職者の離職の数字と、2年目で転職するときの注意点、面接での伝え方を、国家資格キャリアコンサルタントが解説します。
高卒2年目の転職が早いかどうかを考える前に、国の調査で、高校を卒業して就職した人がいつ、どんな理由で辞めているかを確かめます。自分だけが早く辞めようとしているのではないと分かると、落ち着いて次の行動を考えられます。
厚生労働省が令和7年10月に公表した新規学卒就職者の離職状況によると、令和4年3月に高校を卒業して就職した人のうち、3年以内に離職した人は37.9%でした。内訳は、1年目が17.9%、2年目が11.5%、3年目が8.5%です。大学を卒業して就職した人の3年以内の離職率は33.8%でした。
同じ資料で、事業所の規模別に高校卒の離職率を見ると、5人未満の事業所では63.2%、1,000人以上の事業所では26.3%でした。事業所の規模によって、離職率には大きな差があります。
厚生労働省の令和5年若年者雇用実態調査で、初めて勤務した会社を辞めた理由(3つまで回答)を見ると、最終学歴が高校の人では「人間関係がよくなかった」が28.0%、「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」が24.8%、「賃金の条件がよくなかった」が22.9%、「仕事が自分に合わない」が21.6%でした。
同じ調査で、学歴を問わず、勤続期間が1年~2年未満で辞めた人の理由を見ると、「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」が29.1%で最も高くなっています。辞めたい理由は一つとは限らないため、自分の理由がどれに当てはまるかを書き出してみます。
転職が早いかどうかは、勤めた年数だけでは決まりません。辞めたい理由が、今の会社にいても解決できるものかどうかで判断します。
仕事の覚え方や、特定の先輩との関係など、部署の異動や時間の経過で変わる可能性がある悩みは、上司や人事に相談することで解決する場合があります。一方で、休日の少なさや勤務時間の決まり方、給与の仕組みなど、会社全体のルールによる悩みは、自分の努力だけでは変えにくいものです。
つらいことを書き出すときは、「何が」「どのくらいの頻度で」つらいのかまで具体的にします。たとえば「残業が多い」ではなく「月に何日、何時まで残業がある」と書くと、会社を変えれば解決するのか、同じ業界ならどこでも起こるのかを調べやすくなります。
高校の就職活動は、学校のあっせんを通して応募するのが一般的です。令和2年に国の高等学校就職問題検討会議ワーキングチームがまとめた報告の参考資料では、45都道府県で、採用選考の開始から一定期間は、1人が同時に応募できる会社を1社とする運用がとられていました。そのため、ほかの会社とじっくり比べる機会が少なかったと感じる方もいます。今回の転職は、自分で求人を比べて選び直す機会になります。
ただ、前の会社選びを後悔しているだけでは、次の会社でも同じ迷いが残ります。最初の会社で合わなかった点と、合っていた点の両方を書き出し、次の会社選びの基準にします。合っていた点を残せる仕事を選ぶと、2年間の経験を生かしやすくなります。
20歳前後の転職では、これからの伸びしろを期待してもらえる一方で、社会人経験の短さから気をつけたい点もあります。辞める前と応募先を選ぶときに、次の3つを確かめます。
今の仕事がつらいと、とにかく早く辞めたい気持ちが先に立ちます。ただ、次にどんな仕事をしたいかが決まらないまま辞めると、焦って応募先を選び、同じ理由でまた辞めることになりかねません。辞める前に、次の仕事で大切にしたい条件を3つほど決めておきます。条件は「土日休み」「研修がある」のように、求人票で確かめられる言葉にしておくと、応募先を比べやすくなります。
仕事を続けながら転職活動をすると、収入が途切れず、焦らずに応募先を選べます。面接の日程は、休みの日や年次有給休暇に合わせて調整を相談します。入社から6か月続けて勤務し、全労働日の8割以上出勤していれば、原則10日の年次有給休暇が付与されます。ただし、心身の不調が続いている場合は、無理に続けず、先に休むことを優先します。
MyStyle転職の支援事例に、入社半年で退職代行を使って退職した22歳の方がいます。丁寧に話を聞くと、入社前に聞いていた話と、実際の業務や教育の体制に大きな違いがあったことが分かりました。次の会社選びでは、条件より先に「入社後にどう育ててもらえるか」を確かめる軸を作り、研修体制が整った事務職に転職しています。
2年目での転職も、社会人経験は長くありません。面接では、研修の内容や、分からないことを誰に聞けるかを確かめておきます。
2年目の転職では、経験の長さだけでなく、仕事への向き合い方や、2年間で身についたことを伝えます。2年間は短く感じても、毎日の仕事の中で身についたことは少なくありません。企業が若手の中途採用で何を重視しているかを知っておくと、伝える内容を選びやすくなります。
厚生労働省の令和5年若年者雇用実態調査で、若年正社員の採用選考で重視した点を見ると、中途採用者では「職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神」が72.7%で最も高く、「コミュニケーション能力」が66.9%、「マナー・社会常識」が58.1%と続きます。また、「業務に役立つ職業経験・訓練経験」を重視した割合は、新規学卒者の14.7%に対し、中途採用者では42.3%でした。
経験年数が短くても、仕事への向き合い方や、社会人として身につけたマナーは伝えられます。2年間で身についた基本を、応募先の仕事にどう生かすかまで話せるように準備します。
毎日の業務で任されていたこと、覚えた手順、工夫して改善したこと、先輩や取引先から言われたことなどを書き出します。「遅刻や欠勤をせずに勤務した」「後輩に作業を教えた」といった小さなことも、社会人としての基本が身についていることを伝える材料になります。
書き出した内容は、応募先の仕事内容と重なるものを選び、職務経歴書や面接で具体的に伝えます。数字で表せることは、「1日に何件」「何人のチームで」のように数字を入れて書くと、仕事の様子が伝わりやすくなります。
面接では、2年目で転職する理由を聞かれることを前提に準備します。前の会社への不満だけで終わらせず、次の会社で何をしたいかにつなげて話します。長く話しすぎず、要点を絞ってまとめると、面接官が続けて質問しやすくなります。
「前職では製造ラインで2年間勤務し、決められた手順を守って作業する大切さを学びました。一方で、休日が不規則で、資格の勉強の時間を取りにくいことに悩みました。今後は、休日が決まった環境で腰を据えて働き、経験を積みながら資格の取得にも挑戦したいと考え、御社を志望しました。」
休日が不規則だったことを、不満ではなく「資格の勉強をしたい」という前向きな理由と結びつけています。前職で学んだことを先に話すと、2年間の経験を大切にしてきた姿勢が伝わります。条件だけを理由にせず、応募先で何に挑戦したいかまで話すことが大切です。
「前職では2年間、店舗での販売を担当しました。お客さまに合わせて商品を提案する中で、売上の数字を追うことより、一人ひとりの困りごとを聞いて解決することにやりがいを感じていると気づきました。御社のお問い合わせ窓口の仕事で、前職で身につけた聞き取りの力を生かしたいと考えています。」
「合わなかった」とだけ伝えると、次の仕事でも合わないのではと心配されやすくなります。前職の中でやりがいを感じた場面を具体的に話し、その経験が応募先の仕事につながることを示しています。やりがいを感じた場面は前職の仕事内容の中から探すと、辞める理由と志望理由が自然につながります。
高卒就職者の3年以内離職率は37.9%で、2年目の転職は珍しくない
辞めたい理由が今の会社で解決できるかを切り分ける
在職中に次の仕事の方向を決め、入社後の育て方も確かめる
2年間で身についたことを書き出し、次の会社でどう生かすかを伝える
まずは、今の会社で合わなかった点と合っていた点を3つずつ書き出してみてください。
Q. 高卒2年目でも、第二新卒の求人に応募できますか。
第二新卒に法律で決まった定義はなく、対象の範囲は求人によって違います。高卒で社会人2年目の方を対象に含める求人もあるため、応募資格の欄に「第二新卒歓迎」「社会人経験3年未満」などと書かれているかを確かめます。迷ったときは、応募前に問い合わせて確認します。
Q. 初めての転職でも、次の選考で不利になりますか。
1回の転職だけで大きく不利になるとは限りません。気にされやすいのは、次の会社でもすぐに辞めてしまわないかという点です。前の会社を辞めた理由と、次の会社を選んだ理由がつながっていれば、長く働く意欲が伝わりやすくなります。
Q. 資格を取ってから転職したほうがいいですか。
応募したい仕事で資格が必須なら、取得を先に考えます。入社後の資格取得を支援する会社もあるため、まず求人の応募資格を確かめます。必須でなければ、資格の勉強で転職の時期を遅らせるより、応募と並行して勉強を進める方法もあります。
Q. 仕事に行くのがつらくて、転職活動をする余裕がありません。
体や気持ちの不調が続く場合は、転職活動より先に休むことを考えます。上司や人事、社内の相談窓口に話すほか、医療機関に相談する方法もあります。休んで気持ちが落ち着いてから、次の仕事の方向を考えても遅くはありません。
Q. 転職先が決まる前に、会社に辞めると伝えてもいいですか。
伝えることはできますが、次の仕事が決まっていないと、収入が途切れる期間ができます。内定が出て入社日が決まってから、就業規則に書かれた申し出の時期に合わせて伝えると、引き継ぎの期間も取りやすくなります。退職の意思は、まず直属の上司に直接伝えます。
業績悪化が転職理由のときの伝え方|面接で不利にならない例文
業績悪化で転職する方へ。会社の状況は事実として短く伝え、その中で自分が取り組んだことと、次の職場で実現したいことを中心に話すのが基本です。例文も紹介します。
職歴に一貫性がないときの面接対策は?経験をつなげる話し方と例文を解説
職歴に一貫性がないと悩む方へ。職種や業界が違っても、それぞれの仕事で身につけたことと、応募先を選んだ理由を共通の軸でつなげて話すのが基本です。例文も紹介します。
持病は面接で言うべき?伝え方の例文と体調に合う会社の選び方
持病を面接で伝えるか迷う方へ。働くうえで配慮が必要な点があるなら、今の状態とできることを合わせて伝え、通院や勤務の条件が合う会社を選ぶのが基本です。
契約満了の転職理由はどう伝える? 正社員を目指す面接の例文を解説
契約満了で転職する方へ。契約満了は事実として短く伝え、契約社員として身につけた経験と、正社員として長く働きたい理由を中心に話すのが基本です。例文も紹介します。