未経験エンジニアを辞めたい|IT業界に残るか離れるかの判断

最終更新:

2026/9/16 08:31

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未経験からエンジニアになって辞めたいと感じたら、辞めたい理由がエンジニアの仕事そのものにあるのか、今の会社や働き方にあるのかを分けて、IT業界に残るか離れるかを判断するのが基本です。

未経験から入った最初の時期は、覚えることの多さや周りとの差に不安を感じやすくなります。つらさの原因を分けずに辞めると、IT業界そのものが向いていないと決めつけてしまうことがあります。

この記事では、辞めたい理由の分け方と、IT業界に残る場合と離れる場合それぞれの次の選び方を、国家資格キャリアコンサルタントが解説します。

情報通信業に就職した若手の3年以内離職率を知る

辞めたい気持ちが強いときは、IT業界全体が自分に合わないと考えてしまうことがあります。業界の若手がどのくらい辞めているかを知り、自分のつらさが業界に共通するものなのか、今の職場に特有のものなのかを考える材料にします。

情報通信業の3年以内離職率は全体より低い

厚生労働省の新規学卒者の離職状況で、令和4年3月に大学を卒業して情報通信業に就職した人は50,819人、そのうち就職後3年以内に離職した人は13,833人でした。人数をもとに計算すると離職率は27.2%で、すべての産業を合わせた大学卒の33.8%より低くなっています。高校卒では、情報通信業に就職した1,321人のうち477人が3年以内に離職し、離職率は36.1%で、全体の37.9%とほぼ同じ水準です。

辞める人は1年目だけに集中しているわけではない

同じ表で、情報通信業に就職した大学卒の離職を時期別に見ると、1年目までに離職した人は就職者の7.8%、2年目までは17.2%、3年目までは27.2%でした。1年目だけでなく、2年目、3年目にも同じくらいの割合で辞めています。入社直後のつらさだけが辞める理由とは限らないため、時期にかかわらず、何がつらいのかを分けて考えます。

数字には未経験から転職した人は含まれない

これらの数字は新卒で就職した人の平均で、ほかの仕事から未経験で転職した人の数字ではありません。また、情報通信業には、ソフトウェアの開発などを行う会社のほか、通信や放送、出版などの会社も含まれます。業界全体の数字が低くても、自分の会社が働きやすいとは限らないため、数字は考える手がかりの一つとして使います。

未経験エンジニアが辞めたいと感じやすい場面

未経験からエンジニアになった人が辞めたいと感じる場面には、いくつかの共通したものがあります。自分がどの場面でつらさを感じているかを確かめます。

覚えることが多く仕事についていけない

入社してすぐは、プログラミング言語だけでなく、開発の進め方や業界の用語、社内の道具の使い方など、覚えることが一度に押し寄せます。ほかの人が書いたプログラムを読んで直す作業では、どこに何が書かれているかを理解するだけで時間がかかることもあります。周りの先輩と比べて自分だけができないと感じ、向いていないのではと考えてしまいます。このつらさは、経験を積むことで少しずつ変わることもあれば、学ぶこと自体が負担で続かないこともあります。

研修がなく質問しにくい環境にいる

入社後の研修が短かったり、配属後すぐに実務に入ったりする会社では、分からないことを自分で調べて進める力が求められます。先輩が忙しそうで質問しにくい、質問すると自分で調べるように言われるといった環境では、分からないことが積み重なり、仕事への不安が大きくなります。このつらさは、本人の力だけでなく、会社の教え方とも関係します。

働く場所や任される仕事内容に不満がある

取引先の会社に常駐して働く場合、自社の先輩や同期と話す機会が少なく、相談相手がいないと感じることがあります。また、テストや監視など決まった作業が中心で、開発に関わる仕事を任せてもらえないことに、将来への不安を感じる人もいます。残業の多さや、急な変更への対応が負担になることもあります。こうした状況は、同じIT業界でも会社によって違います。

辞めたい理由を仕事そのものと環境に分ける

IT業界に残るか離れるかを決めるには、辞めたい理由がエンジニアの仕事そのものにあるのか、今の会社の環境にあるのかを分けます。理由によって、次に選ぶ道が変わります。

プログラミングの仕事そのものが合わないか

動くものを作れたときにうれしさを感じない、調べて解決する作業が苦痛で続けられない、新しい技術を学び続けること自体が負担になっているといった場合は、エンジニアの仕事そのものが合っていない可能性があります。反対に、大変だがうまく動いたときはうれしい、分かるようになった部分は楽しいと感じるなら、仕事そのものより環境や時期のつらさが大きいと考えられます。

今の会社の教え方や働き方が合わないか

研修や質問のしにくさ、客先での働き方、任される作業の範囲など、会社を変えれば変わる可能性がある理由は、IT業界を離れる理由とは分けて考えます。辞めたい理由を紙に書き出し、会社を変えれば解決しそうなものと、どの会社でも同じだと思うものに分けると、どちらが多いかが見えてきます。

憧れで選んだか好きなことで選んだかを振り返る

MyStyle転職の支援事例では、在宅でできそう、華やかそうという憧れで仕事を選び、入社後に希望と違う仕事に配属されて疲れ切っていた28歳の方が、ゆっくり時間をかけて自己分析をしました。幼いころの工作、家が建っていく過程を見るのが好きだったこと、自分でパソコンを組み立てることなど、共通する好きなことが見え、その方向で活動して、未経験からエンジニアとして内定を得ています。エンジニアを選んだ理由が、将来性がありそう、在宅で働けそうといった印象だけだった場合は、これまで楽しいと感じた作業に、エンジニアの仕事と共通する部分があるかを振り返ります。

IT業界に残る場合と離れる場合の次の選び方

辞めたい理由を分けられたら、IT業界に残る場合と離れる場合、それぞれで次の職場の選び方を考えます。

残るなら会社や職種を変えて続ける

教え方や働き方が主な理由なら、IT業界に残り、会社や職種を変える方法があります。たとえば、研修の期間や内容が決まっている会社、自社のサービスを開発する会社、社内のシステムを担当する仕事、パソコンやシステムの操作についての問い合わせに対応する仕事など、同じIT業界でも働き方はさまざまです。面接では、入社後の研修の内容や、最初に担当する工程、分からないことを誰に聞けるかを確かめます。

今の会社で経験を積んでから動く選択

体や気持ちに大きな負担がない場合は、今の会社で担当してきた作業や使った言語、関わった工程を書き出し、次の応募で伝えられる経験がどのくらいあるかを確かめてから動く方法もあります。経験を具体的に説明できると、IT業界の中で会社を変えるときに伝えやすくなります。体や気持ちの不調が続く場合は、経験を積むことより休むことを優先します。

離れるならIT業界で身についたことを生かす

エンジニアの仕事そのものが合わないと感じた場合も、IT業界で身についたことは次の仕事で生かせます。分からないことを調べて解決してきた経験、決められた手順どおりに確認を進めてきた経験、パソコンの操作に慣れていることは、事務やカスタマーサポート、IT関連の商品を扱う営業などで伝えられます。自分が楽しいと感じた場面が、人とのやり取りだったのか、手順どおりに進める作業だったのかを振り返り、次の職種を選びます。

IT業界に残る・離れる転職理由を面接で伝える例文

面接では、エンジニアを辞める理由を向いていなかったとだけ伝えるのではなく、経験を通して何が分かり、次に何をしたいのかを伝えます。IT業界に残る場合と離れる場合で、話す内容を変えます。

IT業界の別の会社で続けたいときの例文

「前職では未経験からエンジニアとして入社し、テストの作業を中心に1年間担当しました。不具合の原因を調べて報告する作業にやりがいを感じた一方、開発の工程を学ぶ機会はありませんでした。御社の研修で開発の基礎を身につけ、テストで培った確認の丁寧さを生かしながら、開発にも携わりたいと考えています。」

テストの作業で身についた確認の丁寧さを伝えつつ、開発を学ぶ機会がなかったことを前の会社への不満にせず、次に学びたいこととして話しています。研修制度を志望理由に入れる場合は、教えてもらうだけでなく、自分でも学ぶ姿勢をあわせて伝えると、受け身の印象になりにくくなります。

IT業界から別の職種に移りたいときの例文

「前職ではエンジニアとして1年間働き、プログラムを書く仕事よりも、利用者からの問い合わせに対応し、困りごとを聞いて解決する場面にやりがいを感じていました。IT業界で身につけたパソコンの知識と、調べて解決する力を生かし、御社のカスタマーサポートとして利用者に寄り添う仕事をしたいと考えています。」

プログラムを書く仕事が合わなかったことを否定的に話すのではなく、エンジニアとして働く中で気づいたやりがいを、次の職種を選んだ理由につなげています。IT業界での経験が応募先の仕事でどう役立つかまで話すと、これまでの経験が次の仕事につながっていることが伝わります。

まとめ

  • 情報通信業に就職した大学卒の3年以内離職率は27.2%で、全体より低い

  • 辞めたい理由を、エンジニアの仕事そのものと、今の会社の環境に分ける

  • 環境が理由なら会社や職種を変えて残り、仕事そのものが理由なら経験を生かして離れる

  • 面接では、経験を通して分かったことと、次にしたいことを伝える

まずは、辞めたい理由を書き出し、会社を変えれば解決しそうなものと、どの会社でも同じだと思うものに分けてみてください。

よくある質問

Q. 入社して1年もたたずに辞めると、次の転職で困りますか。

在籍期間が短いと、面接で辞めた理由を詳しく聞かれることがあります。短い期間で辞めた理由と、次の職場で同じことを繰り返さないために何を確かめたかを話せるように準備しておくと、落ち着いて答えられます。辞める前に、担当した作業も書き出しておきます。

Q. プログラミングスクールに通ったのに辞めるのは、もったいないですか。

学んだ時間やお金を考えると、辞めることに迷いが出ます。ただ、学んだことはIT業界に残る場合も離れる場合も、パソコンの知識や調べて解決する力として生かせます。もったいないかどうかより、この先何を続けたいかを基準に判断します。

Q. 客先で働く働き方がつらいです。IT業界に残るなら何を確かめればいいですか。

求人票や面接で、働く場所が自社か取引先か、働く場所がどのように決まるか、取引先で働く間に自社の上司や先輩とどのように連絡を取るかを確かめます。自社の人と話す機会があるかどうかで、相談のしやすさが変わります。

Q. エンジニアを辞めたら、もうIT業界には戻れませんか。

一度離れても、IT業界の求人に応募することはできます。戻る可能性を残したい場合は、離れている間も基本的な学習を少しずつ続け、前職で担当した作業や使った言語を説明できるように整理しておきます。面接では、離れていた間に何をしていたかもあわせて話せるようにします。

Q. 辞めたいと上司に相談したら、引き止められました。

引き止められたときは、辞めたい理由のうち、今の会社で変えられることがあるかを話し合います。担当する作業や働く場所が変われば続けられる場合は、その場で決めずに内容を確かめます。辞める気持ちが固い場合は、就業規則を確かめ、退職日と引き継ぎの予定を具体的に伝えます。