入社手続きに必要な身元保証人を頼める人がいないときの進め方と例文を解説

最終更新:

2026/9/9 07:46

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身元保証人を頼める人がいなくても、内定がなくなるとは限りません。数を減らす、親族以外を認めてもらう、保証会社を使うといった対応が取られることがあります。

もう一つ知っておきたいのは、保証人の負う範囲は無限ではないということです。期間も金額も、法律で制限が定められています。ここを伝えられると、頼む側も頼まれる側も楽になります。

この記事では、保証人の範囲を定めた法律、会社への相談の仕方、頼むときの例文までを、国家資格キャリアコンサルタントが解説します。

身元保証人が求められる理由と制度の位置づけ

まず、何のための手続きなのかを整理します。

入社後の手続きであって選考ではない

身元保証書の提出を求められるのは、内定が出てからの手続きの段階です。応募や面接の段階で求められることはまずありません。

つまり、保証人がいないという理由で応募をやめる必要はありません。先に選考を進め、内定が見えてから相談しても間に合います。

全ての会社で求められるわけではない

身元保証書を求めるかどうかは、会社ごとの運用です。法律で全ての企業に義務づけられているものではありません。

求められる場合でも、人数や続柄の条件は会社によって違います。条件が決まっていると思い込まず、実際に確かめることから始めましょう。

保証人の負う範囲を制限する法律の定め

頼むときに一番使えるのが、この知識です。

期間を定めなければ三年で終わる

身元保証については、身元保証ニ関スル法律という法律があります。第一条は、期間を定めない身元保証契約について「其ノ成立ノ日ヨリ三年間其ノ効力ヲ有ス」と定めています。ただし、商工業見習者の場合は五年とされています。

つまり、一度引き受ければ一生続くというものではありません。頼まれた側が一番心配するのはここなので、伝える価値があります。

金額の上限を定めることになっている

もう一つ大きな点があります。法務省の資料によれば、2020年4月1日から保証に関する民法のルールが変わり、個人が保証人になる根保証契約については、極度額と呼ばれる上限額の定めがないものは無効とされます。

これにより、いくらまで負うのか分からないまま引き受けるという状況にはなりません。書面に金額の上限が示されているはずなので、頼むときはそこをあわせて見せましょう。

NG例(保証人への頼み方)

  • 名前を書くだけでいいからと伝える

  • 期間や金額の上限を説明せずに頼む

OK例(保証人への頼み方)

  • 書面を見せて、上限額を一緒に確かめる

  • 期間に限りがあることを先に伝える

用意できないときの4つの選択肢

頼める人がいない場合でも、打てる手はあります。

1. 人数を減らせないか相談する

二名求められている場合でも、事情を伝えれば一名で認められることがあります。まずはここから相談しましょう。

2. 親族以外を認めてもらう

親族に限るとされている場合でも、事情を伝えれば知人や前の職場の方で認められることがあります。頼める相手を先に思い浮かべてから相談すると、話が早く進みます。

3. 保証会社の利用を確かめる

保証会社を使う形を認めている会社もあります。費用がかかる場合が多いため、金額と、会社と本人のどちらが負担するのかを確かめましょう。

4. 提出自体が必須か確かめる

一律に求めているだけで、事情によっては提出を求めない会社もあります。できないと諦める前に、必須なのかを確かめてみましょう。

会社と親族に伝えるときの例文

ここからは、実際に口に出せる形で見ていきます。いずれも30秒前後で話せる長さです。

会社に事情を伝える場合の例文

「身元保証書の件でご相談させてください。家族と連絡を取っていない事情があり、親族でのご用意が難しい状況です。親族以外の方でも可能か、あるいは保証会社の利用が認められているかを教えていただけますでしょうか。」

事情を詳しく話す必要はありません。難しいという事実と、代案の確認をセットで伝えます。

親族以外の方に頼む場合の例文

「入社の手続きで身元保証書が必要になり、お願いできないかと思いご連絡しました。期間は法律で区切られており、金額の上限も書面に示されます。書面をお見せしたうえで、ご判断いただければと思っております。」

頼まれた側が怖いのは、どこまで負うのか見えないことです。期間と上限額に先に触れると、返事が変わります。

提出が間に合わない場合の例文

「身元保証書について、依頼している方からの返送を待っている状況です。入社日には間に合わない可能性がありますので、先にお伝えしておきます。提出の期限を伸ばしていただけるか、確認させてください。」

黙って遅れるより、先に伝えて期限を相談するほうが、手続きは進みます。

保証人の話で避けたい対応3つと言い換え例

対応の仕方で、進み方が大きく変わります。

用意できないからと辞退する

提出できないと判断して、内定を辞退してしまうのは損です。人数や続柄の条件は、相談で変わることがあります。

言い換えるなら、まず事情を伝えて代案を確かめるという進め方になります。

負担を軽く見せて頼む

名前を書くだけだと伝えて頼むと、あとで信頼を損ねます。相手は内容を知らないまま引き受けることになります。

言い換えるなら、期間に限りがあることと、金額の上限が書面に示されることを先に伝えることになります。

入社日直前まで黙っている

頼める人が見つからないまま、何も伝えずに入社日を迎えると、手続きが止まってしまいます。

言い換えるなら、見通しが立たない時点で会社に相談し、期限を含めて調整することになります。

まとめ

  • 身元保証書は入社後の手続きで、選考の場面では求められない

  • 期間を定めない契約は、法律上三年間で効力を失う

  • 2020年4月1日から、個人の根保証には極度額の定めが必要になった

  • 人数・続柄・保証会社の可否は、相談で変わることがある

  • 頼むときは、期間と上限額を先に伝える

用意できないと判断して辞退する前に、一度相談してみましょう。条件が変わることは少なくありません。

よくある質問

Q. 身元保証人がいないと内定は取り消されますか。

人数や続柄の条件は会社ごとの運用で、相談で変わることがあります。提出自体を求めない会社もあります。

Q. 保証人はいつまで責任を負いますか。

身元保証ニ関スル法律第一条は、期間を定めない契約は成立の日から三年間効力を有すると定めています。

Q. 金額の上限はありますか。

法務省の資料によれば、2020年4月1日から、個人が保証人になる根保証契約は、極度額の定めがないものは無効とされます。

Q. 保証会社は使えますか。

認めている会社もあります。費用がかかる場合が多いため、金額と負担する側を確かめましょう。

Q. 応募の段階で必要になりますか。

なりません。求められるのは内定後の手続きの段階です。先に選考を進めてから相談しても間に合います。