内定辞退を繰り返してしまう... 自分の基準が高すぎるか見直す方法

最終更新:

2026/9/17 08:07

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内定辞退を繰り返してしまうときは、自分の基準が高すぎると決めつける前に、希望の条件を譲れない条件とあればよい条件に分け、応募する前に譲れない条件を確かめる順番に変えるのが基本です。

内定をもらうたびに迷い、辞退の連絡をするたびに、自分はどこにも決められないのではと不安になることがあります。ただ、辞退が続く理由は、基準の高さだけとは限りません。

この記事では、転職者が勤め先を選んだ理由のデータと、自分の基準を見直す手順を、国家資格キャリアコンサルタントが解説します。

転職者が今の勤め先を選んだ理由を数字で知る

自分の基準が高すぎるかを考える前に、ほかの転職者がどのような理由で今の勤め先を選んだのかを見ておきます。会社を選ぶ理由は、人によって違うことが分かります。

選んだ理由は仕事の内容が41.0%で最も高い

厚生労働省の令和2年転職者実態調査で、転職者が今の勤め先を選んだ理由(3つまでの複数回答)を見ると、「仕事の内容・職種に満足がいくから」が41.0%で最も高く、次いで「自分の技能・能力が活かせるから」が36.0%、「労働条件(賃金以外)がよいから」が26.0%でした。「転勤が少ない、通勤が便利だから」は20.8%、「賃金が高いから」は15.1%です。25~29歳では、「仕事の内容・職種に満足がいくから」が44.9%、「労働条件(賃金以外)がよいから」が28.6%、「賃金が高いから」が22.2%でした。

一番の理由は人によって分かれている

選んだ理由のうち一番の理由を見ると、「仕事の内容・職種に満足がいくから」が18.8%で最も高く、「自分の技能・能力が活かせるから」が18.3%、「労働条件(賃金以外)がよいから」が13.5%と続きます。25~29歳でも、一番の理由は「仕事の内容・職種に満足がいくから」が24.8%、「労働条件(賃金以外)がよいから」が14.5%、「自分の技能・能力が活かせるから」が12.3%、「賃金が高いから」が12.1%と分かれています。何を一番にして会社を選ぶかは、人によって違います。

転職した後の満足度は賃金が最も低い

同じ調査で、今の勤め先への満足度を、「満足」「やや満足」とする人の割合から「不満」「やや不満」とする人の割合を引いた値で見ると、「職業生活全体」は42.0ポイントでした。項目ごとでは「仕事内容・職種」が60.5ポイントで最も高く、「賃金」が19.5ポイントで最も低くなっています。すべての項目で満足が不満足を上回っていますが、転職した後も、すべての条件に満足しているとは限りません。

内定辞退を繰り返してしまうときに考えられる理由

内定辞退が続く理由は、一つとは限りません。自分に当てはまるものがないかを見ていきます。

条件の優先順位が決まっていない

希望の条件がいくつもあり、どれを優先するかが決まっていないと、内定をもらった会社の足りない点ばかりが気になりやすくなります。年収は満たしていても休日が気になる、休日は満たしていても仕事内容が気になる、と迷いが続くと、どの会社にも決められなくなります。辞退した会社と比べて、次の会社にはそれ以上の条件を求めてしまい、応募先に求める基準が少しずつ上がっていくこともあります。条件の数が多いこと自体より、順番が決まっていないことが迷いにつながっている場合があります。

周りの目を基準にして選んでいる

MyStyle転職の支援事例では、販売や事務などの仕事を短期間で3社離職し、向いている仕事が分からず不安を抱えていた28歳の方が、自己分析の面談を14回重ねる中で、これまでの仕事選びを、周りからどう見られるか、親が喜ぶかという他人の軸で決めていたことに気づきました。自分の軸で探し直したことで、次の仕事や環境を選ぶ基準がぶれなくなり、転職を決めています。周りの目を基準にしていると、内定をもらっても自分の気持ちが追いつかず、迷いが残ることがあります。

内定の後に初めて条件を確かめている

応募する前や面接の段階で条件を確かめず、内定の連絡を受けてから初めて年収や勤務時間などを詳しく見ると、思っていた条件と違うことに気づき、辞退につながることがあります。たとえば、面接の雰囲気が良く入社したい気持ちが高まったものの、内定後に休日の数を見て迷う、といった流れです。内定の段階で迷いが出るのは、条件を確かめる順番が後ろにずれていることが原因の場合もあります。

自分の基準が高すぎるかを見直す4つの手順

基準が高すぎるかどうかは、感覚ではなく、書き出して確かめます。次の4つの手順で見直します。

希望の条件を思いつく限りすべて書き出す

仕事内容、年収、休日、勤務時間、勤務地、雇用形態、会社の規模や雰囲気など、希望の条件を思いつく限り書き出します。辞退した会社があれば、その会社のどの点が合わなかったのかも書き加えます。辞退した理由を並べると、自分が何を大切にしているのかが見えてきます。書き出すときは、条件の良し悪しを判断せず、数を出すことを優先します。

譲れない条件とあればよい条件に分ける

書き出した条件を、これがなければ入社しない譲れない条件、あればうれしいあればよい条件、なくても構わない条件の3つに分けます。譲れない条件は、多くても2つか3つに絞ります。譲れない条件が多すぎる場合は、それぞれについて、なぜ譲れないのかを書き、理由が弱いものはあればよい条件に移します。分け方に迷う条件は、その条件がない会社で1年働く場面を想像し、続けられるかどうかで分けます。

条件の理由が自分の考えかを確かめる

条件ごとに、なぜその条件を求めているのかを書きます。「友人の会社より年収が高くないと恥ずかしい」「家族に説明しやすい会社がいい」など、理由が周りの目にある条件は、自分にとって本当に譲れないのかを考え直します。自分の生活や働き方から出てきた理由がある条件は、譲れない条件として残します。

譲れない条件だけで求人を検索する

譲れない条件だけを入れて求人を検索し、どのくらいの件数があるかを見ます。件数がほとんどない場合は、譲れない条件の組み合わせが厳しい可能性があるため、条件の中身を見直します。件数が十分にある場合は、譲れない条件そのものを大きく下げる必要はなく、応募する前の確かめ方を見直します。

内定後に迷わないために応募前から確かめること

見直した基準は、内定をもらってからではなく、応募する前から使います。確かめる順番を前に移すと、内定後に迷う場面を減らせます。見直した基準はメモにして手元に置き、応募のたびに見返します。

応募前に求人票で譲れない条件を確かめる

応募する前に、求人票で譲れない条件が満たされているかを確かめます。求人票に書かれていない条件は、応募する前に担当者に聞くか、面接で確かめる項目としてメモしておきます。求人票の休日欄や給与欄は、年間休日の日数や固定残業代の有無など、数字や書き方まで細かく見ます。譲れない条件を満たさない求人には、ほかの条件が魅力的でも応募しないと決めておきます。応募する数は減っても、一社ごとの準備に時間をかけられます。

面接の逆質問で気になる点を聞いておく

面接の最後に質問の機会があれば、職場の雰囲気や1日の仕事の流れ、残業の実態など、求人票だけでは分からない点を聞きます。聞きにくい条件は、「入社後に長く働くために確かめておきたい」と理由を添えると、聞きやすくなります。面接で聞いた内容は、その日のうちに書き残しておきます。複数の会社で同じ質問をしておくと、会社どうしを同じ物差しで比べられます。

内定の返事の前に条件を書面で確かめる

内定の連絡を受けたら、年収や勤務時間、休日などの条件を書面で確かめ、書き出した譲れない条件と一つずつ照らし合わせます。条件が書面で示されていない場合は、どのような形で確認できるかを会社に問い合わせます。迷う点がある場合は、辞退を決める前に、担当者や会社に質問して確かめます。確かめたうえで譲れない条件を満たしているなら、あればよい条件が足りないことだけを理由に辞退するかどうかは、慎重に考えます。

内定を辞退するときと次の面接で軸を伝える例文

辞退することを決めた場合は、早めに誠実に連絡します。辞退の理由を整理しておくと、次の面接で自分の軸を伝えるときにも役立ちます。

内定を辞退するときの連絡の例文

「このたびは内定のご連絡をいただき、ありがとうございました。大変ありがたいお話でしたが、自分の希望する働き方と照らし合わせて検討した結果、今回は辞退させていただきたく、ご連絡いたしました。選考に時間を割いていただいたにもかかわらず、このようなお返事となり申し訳ございません。」

辞退の理由を細かく説明する必要はなく、検討した結果であることと、お礼とお詫びを伝えます。連絡は、返事の期限を待たずに、決めた時点でできるだけ早くします。転職エージェントを通して応募した場合は、担当者に辞退の意向を伝えます。電話で伝えた場合も、あとからメールで同じ内容を送っておくと、行き違いを防げます。

転職の面接で会社を選ぶ軸を伝える例文

「私が会社を選ぶうえで大切にしているのは、お客様と直接関わり、自分の工夫が成果として見える仕事ができることです。以前は周りからの見られ方を気にして仕事を選んでいましたが、転職活動を通してこの軸に気づきました。御社は少人数のチームで企画から販売まで関われるため、この軸に合うと考えて応募いたしました。」

会社を選ぶ軸を一つに絞って伝えると、話す内容がまとまりやすくなります。軸は、辞退した理由を書き出した内容から見つけると、自分の言葉で話しやすくなります。内定を辞退したことを自分から話す必要はありませんが、ほかの選考状況を聞かれた場合は、事実と違うことを言わないようにします。

まとめ

  • 転職者が今の勤め先を選んだ一番の理由は、仕事の内容・職種が18.8%、技能・能力が18.3%と、人によって分かれている

  • 辞退が続く理由は、基準の高さだけでなく、優先順位や確かめる順番にある場合もある

  • 希望の条件を書き出し、譲れない条件とあればよい条件に分け、理由が周りの目にある条件を見直す

  • 譲れない条件は応募前に求人票や面接で確かめ、内定の返事の前に書面で照らし合わせる

まずは、これまでに辞退した会社ごとに、辞退した理由を書き出してみてください。

よくある質問

Q. 内定辞退を何回もすると、転職エージェントに紹介してもらえなくなりますか。

対応は相談先によって違います。辞退が続く場合は、辞退した理由を担当者に正直に伝え、次の応募先選びで何を確かめればよいかを一緒に整理します。理由を共有しておくと、紹介される求人と自分の希望とのずれを減らしやすくなります。

Q. 内定を辞退した会社に、あとから応募し直すことはできますか。

応募を受け付けるかどうかは会社によって違います。辞退してから時間がたっていない場合や、辞退した理由が変わっていない場合は、応募し直すかどうかを考え直します。応募し直す場合は、前回辞退した理由と、考えが変わった理由を説明できるように準備します。

Q. 基準を下げると、入社後に後悔しませんか。

基準を見直すときも、下げるのは、あればよい条件やなくても構わない条件にとどめ、譲れない条件は守ります。どの条件を譲り、どの条件を守ったのかを書き残しておくと、入社後に迷ったときに、自分で選んだ理由を思い出せます。

Q. 内定をもらうと不安になり、辞退したくなります。

内定をもらった後に、本当にこの会社でよいのかと不安になることがあります。不安を感じたら、何が不安なのかを書き出し、条件の問題なのか、新しい環境への不安なのかを分けて考えます。条件の問題なら会社に確かめ、環境への不安なら、入社前にできる準備を考えます。

Q. 複数の内定から1社を選べません。

複数の内定で迷うときは、それぞれの会社が譲れない条件を満たしているかを表にして比べます。どちらも満たしている場合は、あればよい条件をいくつ満たしているかで比べます。それでも決められない場合は、返事の期限を確かめたうえで、相談できる人に話を聞いてもらいます。