最終更新:
2026/8/27 06:54

次こそは長く働きたいと思っても、入ってみないとわからないのではないかと不安になる方は多いのではないでしょうか。短期離職を経験している方ほど、同じことを繰り返したくないという気持ちは強くなるはずです。
実は、人が定着しているかどうかは、完全にはわからないまでも、応募前にある程度推し量ることができます。公的な仕組みや統計を使えば、口コミだけに頼らない判断もできるようになります。
この記事では、転職支援実績を持つ国家資格キャリアコンサルタントが、離職率が高い会社の特徴と、応募前に調べる方法を解説します。
まずは、人が定着しにくい職場に見られやすい傾向を整理しておきましょう。
人が辞めると残った人の負担が増え、その負担がまた離職を生むという循環が起きやすくなります。長時間労働が常態化している職場では、この循環が背景にあることも少なくありません。
未経験で入った人を育てる体制がない場合、仕事を覚えられないまま孤立してしまい、早めに辞めてしまうということが起きます。受け入れ体制の有無は、未経験から転職する方にとっては特に大切な点です。
何をすれば評価されるのかがはっきりしない職場では、頑張っても報われないと感じやすくなります。昇給や評価の仕組みが具体的に説明されるかどうかは、選考の段階でも確かめておきたいところです。
応募前でも、求人票の見方で拾える手がかりはあります。
同じ会社の同じ職種の求人が常に出ている場合、人が定着していない可能性も考えられます。ただし事業拡大による継続募集という場合もありますので、断定せず、気になったら面接で募集の背景を尋ねてみましょう。
採用ページや求人票に、平均勤続年数を載せている企業があります。数字を公開していること自体が、情報を開示する姿勢の表れと見ることもできますので、記載の有無は確認してみましょう。
採用予定人数が規模に対して大きい場合、背景には事業拡大もありますが、入れ替わりが前提になっている場合もあります。ここも単独では判断せず、他の情報とあわせて見ていきましょう。
NG例(離職率の調べ方)
口コミサイトの書き込みだけで良し悪しを決める
継続募集を見てすぐにブラック企業だと断定する
OK例(離職率の調べ方)
求人票・公的統計・面接での確認を組み合わせる
気になった点は募集の背景として直接尋ねる
あまり知られていませんが、企業が職場の情報を提供する制度があります。
若者雇用促進法に基づく職場情報の提供制度では、企業が直近3事業年度の新卒採用者数と離職者数、平均勤続年数、研修の有無、前事業年度の月平均所定外労働時間や有給休暇の平均取得日数などを提供することとされています(厚生労働省「職場情報の提供制度」より)。
ただしこの制度の対象は新卒向けの求人で、学校を卒業見込みの方や職業訓練を修了見込みの方、およびその卒業者・修了者に限られます。中途採用の求人にはそのままは適用されません。
とはいえ、この制度があることは、平均勤続年数や残業時間、有給の取得日数といった項目が、本来企業が開示しうる情報として制度上も想定されているということを意味します。つまり中途採用であっても、これらを面接で尋ねることは失礼なことではありません。
個別の企業ではなく、業界全体の傾向を知りたい場合もあると思います。
厚生労働省の雇用動向調査では、産業別の入職率や離職率が公表されています。これを見ておくと、自分が検討している業界が、そもそも人の出入りが多めな分野なのかどうかが見えてきます。もし業界全体として出入りが多めの分野であれば、その中で定着している会社を探すという視点に切り替えることもできるはずです。
数字だけを見て判断すると、選択肢を狭めすぎてしまうこともあります。
人の出入りが多い業界のなかには、未経験者を広く受け入れているがゆえに出入りも多くなっているという分野もあります。つまり、入りやすいことと離職が多いことは、ある程度表裏の関係にあるということです。大切なのは、業界の数字ではなく、自分が応募する会社に育てる仕組みがあるかを見ることです。未経験から入った方がどのように仕事を覚えていったのかを尋ねれば、その会社が人を育てる意思を持っているかはかなり見えてくるはずです。
ここまでの内容を振り返りましょう。
離職率が高い職場には、人手不足の循環、育てる体制の不足、評価基準の不透明さが見られやすい
求人票では継続募集、平均勤続年数の記載、採用規模をあわせて見る
若者雇用促進法の職場情報提供制度は新卒向け求人が対象だが、項目は面接で尋ねる際の参考になる
産業別の傾向は厚生労働省の雇用動向調査で確認できる
完璧に見抜くことはできませんが、調べる方法を知っておけば後悔は減らせます。落ち着いて確かめていきましょう。
Q. 応募したい会社の離職率は必ず調べられますか。
すべての企業が公開しているわけではありません。公開されていない場合は、平均勤続年数や新人の定着状況を面接で尋ねてみましょう。
Q. 面接で離職率を聞いてもいいですか。
直接的な聞き方よりも、未経験で入った方がどのように仕事を覚えていったのかと尋ねる形のほうが、自然に実態を知れます。
Q. 離職率が高い業界は避けるべきですか。
未経験者を広く受け入れているがゆえに出入りが多い分野もあります。業界で除外せず、個々の会社の受け入れ体制を見て判断しましょう。
Q. 自分では見極めがつきません。
20代・未経験者向けの転職支援に強いMyStyle転職であれば、定着状況や職場の雰囲気といった、求人票だけではわからない部分も含めて確認しながら探せます。一人で悩まず、まずは気軽に相談してみましょう。
この記事を書いた人
池田 康希 | Koki Ikeda
国家資格キャリアコンサルタント / 転職支援事業責任者
全国3万社の中から、信頼できるエージェント14社に選出
日本最大手通信キャリアでの就業を経てAITAIDに参画。 転職支援サービス『MyStyle転職』の立ち上げを行い、事業推進に加えて自身もキャリアコンサルタントとして累計 1,000名以上 のキャリア支援に従事。 主に「未経験者」や「短期離職経験者」の支援を得意としている。
関連記事
2026/9/9
面接で希望年収を聞かれたときの答え方|例文と準備の手順
面接で希望年収を聞かれて困る方へ。未経験の場合の答え方の型と、求人票から準備する手順を、そのまま使える例文で解説します。
2026/9/9
退職代行でバイトを辞めてもいい? 判断基準と使う前の注意点を解説
バイトを辞めるのに退職代行を使うか迷う方へ。運営元が一般企業・労働組合・弁護士のどれかでできることが変わります。法律の根拠と確認点を解説します。
2026/9/9
試用期間で本採用されないことはある? 法律上の扱いと備え方を解説
試用期間で本採用されるか不安な方へ。打ち切りは法律上解雇として扱われ、14日と30日で手続きが変わります。根拠となる条文と、入社前の確認の仕方を解説します。
2026/9/9
複数社から内定が出たときの決め方は? 比べる順番と辞退の例文
複数社から内定が出て迷っている方へ。返事の期限の確かめ方、比べる順番、承諾後でも辞退できる法的な根拠、角を立てずに伝える例文までを解説します。