正社員の内定を断って契約社員を選ぶのはあり?4つ比較ポイントを解説

最終更新:

2026/9/17 07:05

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正社員の内定を断って契約社員を選ぶか迷ったら、雇用形態の名前だけで決めず、契約期間と更新、賃金、仕事内容、正社員登用の4つを比べ、数年後にどう働いていたいかから決めるのが基本です。

内定の辞退が続いて焦りが出ると、正社員でなくてもいいから決めたいという気持ちになることがあります。反対に、契約社員の求人のほうが、自分のやりたい仕事や働き方に近い場合もあります。

この記事では、正社員の内定と契約社員の求人を比べる4つの点と、迷ったときの決め方を、国家資格キャリアコンサルタントが解説します。

正社員以外で働く若手の今後の働き方の希望

契約社員を選ぶかどうかを考える前に、正社員以外で働いている若手が、今後どのような働き方を望んでいるのかを見ておきます。正社員を目指す人もいれば、正社員以外の働き方を続けたい人もいます。自分の希望に近い数字を探しながら見ていきます。

正社員として働きたい人は35.7%

厚生労働省の令和5年若年者雇用実態調査で、正社員以外で働いている在学していない若年労働者の今後の働き方の希望を見ると、「正社員として働きたい」が35.7%、「正社員以外の労働者として働きたい」が32.5%、「独立して事業を始めたい」が1.4%でした。正社員として働きたい人のうち、今の会社で正社員になりたい人は15.7%、別の会社で正社員として働きたい人は19.9%です。今の会社で正社員を目指す人と、別の会社に移って正社員を目指す人に分かれています。

25~29歳の男性では59.5%が正社員を希望

性別と年齢別に見ると、「正社員として働きたい」は、男性の20~24歳で42.8%、25~29歳で59.5%、女性の20~24歳で41.8%、25~29歳で27.8%でした。女性の25~29歳では、「正社員以外の労働者として働きたい」が39.5%で、正社員として働きたい割合を上回っています。性別や年齢によって、望む働き方に差があることが分かります。

どちらの働き方を望むかは人によって違う

数字から分かるように、正社員を望む人もいれば、正社員以外の働き方を続けたい人もいて、どちらが正しいというものではありません。大切なのは、なぜその働き方を選ぶのかを自分で説明できることです。周りの目や焦りではなく、自分の事情や目標から働き方を選ぶと、入社後に迷いにくくなります。

正社員の内定を断って契約社員を考え始める理由

正社員の内定を断って契約社員を考えるときは、その理由が仕事内容や働き方から来ているのか、焦りや不安から来ているのかを確かめます。理由によって、確かめるべきことが変わります。理由が一つとは限らないため、当てはまるものをすべて書き出します。

仕事内容や働き方が契約社員の求人のほうが合う

やりたい仕事の求人が契約社員でしか出ていない、勤務時間や勤務地が自分の事情に合っているなど、仕事内容や働き方を理由に契約社員を選ぶ場合があります。この場合は、雇用形態より仕事の中身を優先した選択と考えられます。そのうえで、契約期間が終わったあとにどう働くかまで考えておきます。やりたい仕事に近い正社員の求人がほかにないかも、あわせて探しておきます。

正社員の内定先の仕事や職場に不安がある

正社員の内定先の仕事内容や職場の雰囲気に不安があり、断りたい気持ちがある一方で、次に正社員の内定が出るか心配で、契約社員でもよいと考えることもあります。この場合は、契約社員を選ぶ前に、正社員の内定先への不安の中身を確かめます。不安が質問で解消できるものなら、判断が変わることもあります。内定先に聞けば分かることなのか、入社してみないと分からないことなのかも分けて考えます。

内定の辞退が続いて決めること自体に疲れている

内定を辞退することが続くと、どこかに決めなければという焦りから、条件を下げてでも決めたい気持ちになることがあります。焦りから選んだ場合、入社後に同じ迷いが出ることもあるため、なぜ辞退が続いたのかを先に振り返ります。辞退した理由に共通点があれば、それが自分の譲れない条件の手がかりになります。

正社員の内定と契約社員の求人を比べる4つの点

比べるときは、雇用形態の名前ではなく、実際の条件を並べます。内定先から受け取った労働条件の書面や求人票をもとに、次の4つを確かめます。

契約期間と更新されるかどうかの条件

契約社員は契約期間が決まっていることが多く、期間が終わったときに更新されるかどうかで、働き続けられるかが変わります。契約期間の長さ、更新があるか、更新するかどうかを何で判断するのかを、労働条件の書面や面接で確かめます。支援事例では、契約社員として2年勤めた後に期間満了で離職し、そこから正社員を目指して転職活動をした25歳の方もいます。

年齢とともに開きやすい賃金の差

厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査で、一般労働者の月の所定内給与額について、正社員・正職員を100としたときの正社員・正職員以外の水準を見ると、20~24歳で82.2、25~29歳で80.0、30~34歳で72.8でした。年齢が上がるほど差が開いています。今の月給だけでなく、賞与や昇給があるかも、求人票や労働条件の書面で確かめます。

任される仕事内容と経験を積める範囲

同じ職種でも、正社員と契約社員で任される仕事の範囲が違うことがあります。契約社員でも、次の転職で伝えられる経験を積めるのか、担当する業務が決まった作業に限られるのかを、面接で確かめます。

正社員登用の制度と実際に登用された人数

正社員登用の制度がある場合は、制度があるかだけでなく、過去に何人が登用されたか、どのような条件で登用されるのかを確かめます。制度があっても、登用された人が少ないこともあるため、実績を聞いておくと判断しやすくなります。

迷ったときに数年後の働き方から決める方法

4つの点を比べても決めきれない場合は、数年後にどう働いていたいかから考えます。今の条件の良し悪しだけでなく、その先の働き方につながるかを見ます。どちらを選んでも、自分で決めたと思える選び方をすることが大切です。

3年後にどう働いていたいかを書き出す

3年後にどのような仕事をしていて、どのくらいの収入で、どのような働き方をしていたいかを書き出します。そのうえで、正社員の内定先と契約社員の求人のどちらが、その姿に近づきやすいかを比べます。書き出した姿が、どちらの選択肢でも近づけるものなら、仕事内容で選ぶことも考えます。書き出した姿に近づくために必要な経験や資格があれば、それを積める環境かどうかも比べます。

なぜその雇用形態を選ぶのかを言葉にする

MyStyle転職の支援事例では、派遣で製造ラインの仕事をしていた25歳の方が、雇用形態を変えることを目的にせず、まずなぜ正社員になりたいのかを明確にしてから求人を選び、納得のいく転職につなげています。契約社員を選ぶ場合も同じで、なぜ契約社員なのかを言葉にできると、入社後に迷いにくくなります。理由を言葉にするときは、周りの意見ではなく、自分がどう働きたいかを中心に考えます。

内定先に質問して判断の材料を増やす

正社員の内定先に不安がある場合は、返事の前に、仕事内容や配属先、働き方について分からない点を質問します。答えを聞くことで不安が小さくなれば、正社員の内定を受ける選択も見えてきます。返事の期限がある場合は、期限内に質問できるよう早めに連絡します。質問するときは、不安に感じている点を具体的に伝え、入社後の働き方が想像できるように聞きます。

内定を辞退するときと契約社員の面接で伝える例文

正社員の内定を辞退すると決めたら、早めに丁寧に連絡します。契約社員の面接では、雇用形態ではなく仕事内容を選んだ理由を中心に伝えます。どちらも、相手への感謝と、自分の考えを分かりやすく伝えることを意識します。

正社員の内定を辞退するときの例文

「このたびは内定のご連絡をいただき、ありがとうございました。大変ありがたいお話でしたが、今後の働き方を改めて考え、別の会社でお世話になることを決めました。貴重なお時間をいただいたにもかかわらず、このようなお返事となり申し訳ございません。御社の今後のご発展をお祈り申し上げます。」

辞退の理由を詳しく書かなくても構いませんが、感謝とお詫びは伝えます。辞退を決めたら、返事の期限を待たずに早めに連絡すると、内定先も次の採用の準備を進めやすくなります。

契約社員の面接で志望理由を伝えるときの例文

「これまで事務の仕事を中心に経験してきましたが、今後は経理の専門的な経験を積みたいと考えています。御社の契約社員の募集は、経理の実務を基礎から担当できる内容で、私が身につけたい経験と一致していました。まずは任された業務を正確にこなし、正社員登用の制度にも挑戦できるよう経験を積みたいと考えています。」

雇用形態を理由にするのではなく、仕事内容が自分の目標に合っていることを志望理由にしています。正社員登用を目指す場合も、まず任された仕事で成果を出す姿勢を伝えると、前向きな印象になります。契約社員の面接でも、長く働く意欲があることを伝えると、採用する側も安心しやすくなります。

まとめ

  • 正社員以外で働く若手のうち、正社員として働きたい人は35.7%、正社員以外で働きたい人は32.5%

  • 契約社員を考え始めた理由が、仕事内容か、焦りや不安かを確かめる

  • 契約期間と更新、賃金、仕事内容、正社員登用の4つを比べる

  • 決めきれないときは、3年後の働き方と、なぜその雇用形態を選ぶのかから決める

まずは、正社員の内定先と契約社員の求人の条件を、4つの点ごとに並べて書き出してみてください。

よくある質問

Q. 契約社員から正社員を目指すことはできますか。

正社員登用の制度がある会社で登用を目指す方法や、契約社員として積んだ経験を生かして、別の会社の正社員に応募する方法があります。どちらを目指すにしても、契約期間中にどのような経験を積むのかを先に決めておきます。

Q. 契約社員として働いた期間は、職歴として評価されますか。

契約社員として働いた期間も、職歴として履歴書に書けます。面接では雇用形態より、どのような仕事を担当し、どのような成果を出したかが伝わるように話します。契約期間が終わって次に進む場合は、期間満了で退職したことを伝えます。

Q. 内定を辞退するときは、電話とメールのどちらで伝えればいいですか。

内定先の担当者とやり取りしてきた方法に合わせて連絡します。返事の期限が近い場合は電話で伝え、あわせてメールでも送っておくと、行き違いを防げます。どちらの場合も、感謝とお詫びを伝えます。メールでは、件名に内定辞退の連絡であることを書いておきます。

Q. 契約社員の求人のほうが、仕事内容が魅力的に見えます。

仕事内容に魅力を感じるなら、契約社員を選ぶ理由になります。そのうえで、契約期間が終わったあとにどう働くかを考えておきます。更新が見込めるのか、次の転職でその経験をどう生かせるのかを確かめてから決めます。

Q. 内定の返事を待ってもらうことはできますか。

返事の期限までに決められない場合は、理由とあわせて、いつまでに返事ができるかを内定先に相談します。待ってもらえるかどうかは会社によって違うため、早めに相談することが大切です。相談するときは、比べている点を整理したうえで、判断に必要な期間を伝えます。