正社員の責任が重くてつらい... フリーターに戻る前に考える働き方

最終更新:

2026/9/17 06:44

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正社員の責任が重くてつらいと感じたら、フリーターに戻ると決める前に、つらいのが責任の中身なのか量なのかを分け、責任の範囲が合う職場や職種で正社員を続けられるかを考えるのが基本です。

責任の重さから離れたいと感じるのは自然なことですが、雇用形態を変えるだけでは、つらさの原因が残ることもあります。反対に、原因が分かれば、働き方を大きく変えなくても負担を減らせる場合があります。

この記事では、責任が重いと感じる理由の分け方と、フリーターに戻る場合と正社員を続ける場合の比べ方を、国家資格キャリアコンサルタントが解説します。

責任の重さを理由に辞めた人や転職したい人の割合

責任の重さに悩む人がどのくらいいるのかを、国の調査で見ておきます。自分だけが弱いのではないかと感じているときも、数字を知ると落ち着いて考えやすくなります。数字は辞めた人や転職を考えている人の回答で、責任の重さを感じながら働き続けている人の気持ちまでは表していません。

初めての会社を辞めた人の15.2%があげた理由

厚生労働省の令和5年若年者雇用実態調査で、初めて勤務した会社を辞めた若年労働者の理由(3つまで回答)を見ると、「ノルマや責任が重すぎた」は15.2%でした。年齢別では、20~24歳が12.9%、25~29歳が15.9%です。最も高い「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」の28.5%や、「人間関係がよくなかった」の26.4%と比べると低いものの、辞めた理由の一つとしてあげられています。

転職したい若手正社員の13.1%も責任の重さが理由

同じ調査で、今後転職したいと思っている若年正社員の理由(複数回答)を見ると、「ノルマや責任が重すぎるからかわりたい」は13.1%でした。最も高いのは「賃金の条件がよい会社にかわりたい」の59.9%で、複数回答のため、責任の重さはほかの理由と重なって出てくることもあります。

数字はノルマと責任をまとめた選択肢

調査の選択肢はノルマと責任の重さをまとめたもので、責任の中身までは分かりません。売上の目標がつらいのか、任される仕事の範囲が広いのか、ミスが許されない緊張がつらいのかによって、次に選ぶ働き方は変わります。自分のつらさがどれに近いかを、次の手順で分けていきます。ノルマがつらいのか、責任がつらいのかを分けるだけでも、選ぶ仕事の方向が変わります。

責任が重いと感じる理由を中身と量に分ける

一口に責任が重いといっても、つらさの原因は人によって違います。最近つらかった場面を書き出し、次の4つのどれに当てはまるかを見ていくと、変えるべきものが見えてきます。

数字の目標やノルマが負担になっている

売上や件数の目標があり、達成できないと評価や周りの目が気になる場合は、ノルマの重さがつらさの中心です。目標があること自体がつらいのか、目標の高さや追い立てられ方がつらいのかも分けて考えます。目標があっても、チームで達成を目指す形なら続けられると感じる人もいます。

任される範囲が広く一人で抱えている

後輩の指導や、判断を求められる場面が増え、一人で抱える仕事が多くなっている場合は、量や範囲の大きさがつらさの中心です。相談できる相手がいない、分担が決まっていないといった職場の仕組みが、責任を重く感じさせていることもあります。何をどこまで担当しているのかを、仕事ごとに書き出してみます。

ミスが許されない緊張が続いている

お金や人の安全に関わる仕事など、ミスが大きな影響につながる仕事では、常に緊張が続きます。仕事の量が多くなくても、この緊張の強さが責任の重さとして感じられることがあります。一日の中で特に緊張する作業がどれかを書き出すと、負担の中心が見えてきます。

正社員という立場そのものが重い

仕事の中身より、正社員だから長く勤めなければならない、簡単には辞められないといった立場の重さを感じている人もいます。このつらさは、雇用形態への気持ちの問題なのか、今の会社の働き方の問題なのかを分けて考えます。立場の重さが中心なら、雇用形態よりも、長く働けそうだと思える職場かどうかを基準に考えます。

フリーターに戻る前に比べておきたい3つのこと

フリーターに戻ると、責任の重さからは離れやすくなる一方で、変わることもあります。戻るかどうかを決める前に、次の3つを比べておきます。どれか一つで決めるのではなく、3つを並べて考えます。

年齢が上がるほど開く正社員との賃金の差

厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査で、一般労働者の月の所定内給与額を雇用形態別に見ると、20~24歳では正社員・正職員が247.5千円、正社員・正職員以外が203.5千円でした。25~29歳では285.0千円と227.9千円、30~34歳では321.1千円と233.8千円で、年齢が上がるほど差が大きくなっています。正社員・正職員以外には、アルバイトだけでなく契約社員なども含まれ、所定内給与額には残業代は含まれません。

責任が軽くなっても残るつらさを確かめる

今のつらさのうち、人間関係や仕事内容に関わるものは、アルバイトになっても同じ職種や職場なら残ることがあります。書き出したつらさを見直し、雇用形態を変えれば軽くなりそうなものと、変えても残りそうなものに分けておきます。責任の重さだけでなく、ほかのつらさも重なっていないかを確かめてから、雇用形態を変えるかどうかを決めます。

数年後にどう働いていたいかを考える

MyStyle転職の支援事例では、派遣で製造ラインの仕事をしていた25歳の方が、雇用形態を変えることを目的にせず、まずなぜ正社員になりたいのかを明確にしてから求人を選び、納得のいく転職につなげています。フリーターに戻るかどうかも同じで、雇用形態を変えること自体を目的にせず、数年後にどのような働き方をしていたいかから考えます。

正社員を続けながら責任の重さを減らす方法

フリーターに戻る以外にも、正社員のまま責任の重さを減らす方法があります。書き出したつらさの中心に合わせて、方法を選びます。すぐに結論を出さず、できることから試してみます。

今の会社で分担や役割を相談する

任される範囲の広さが理由なら、抱えている仕事を書き出して上司に見せ、優先順位や分担を相談します。後輩の指導などの役割が負担なら、いつまで、どこまで担当するのかを確かめるだけでも、見通しが立ちやすくなります。相談しても変わらない場合は、職場を変えることを考える材料になります。相談するときは、つらいという気持ちだけでなく、どの仕事にどのくらい時間がかかっているかを具体的に伝えると、上司も分担を考えやすくなります。

個人のノルマがない求人や責任の範囲が合う職種を探す

数字の目標が負担なら、個人の売上目標がない求人を探す方法があります。職種名だけで判断せず、求人票の仕事内容や面接で、個人の数字の目標があるか、チームで評価されるのかを確かめます。任される範囲の広さが負担なら、担当する仕事がはっきり決まっている職種や、チームで分担して進める職場を選ぶと、一人で抱える量を減らせます。

どこまでの責任なら引き受けられるかを言葉にする

支援事例では、ずっとフリーターだった24歳の方が、結婚という節目をきっかけに、譲れる条件と譲れない条件を整理し、面接練習を重ねて営業職で正社員の内定を得ています。責任の重さについても、どこまでなら引き受けられるのかを先に言葉にしておくと、応募先を選ぶ基準になります。たとえば、自分の担当業務には責任を持てるが、部下の管理までは引き受けにくいというように、範囲を具体的に分けて書き出します。

責任の重さを理由にした転職を面接で伝える例文

面接で責任の重さを理由にするときは、責任から逃げたいという印象にならないよう、自分が力を発揮しやすい働き方と、次の職場で引き受けたい役割を伝えます。

個人のノルマが負担だったときの例文

「前職では個人ごとに売上の目標がある営業を担当していました。お客様の困りごとを聞き、長く取引を続けてもらうための対応にやりがいを感じていた一方、数字を追うことを優先する働き方には迷いがありました。御社の営業事務として、お客様や営業担当を支える立場から、丁寧な対応で役に立ちたいと考えています。」

ノルマがつらかったとだけ伝えるのではなく、やりがいを感じた場面を先に伝え、次の職場で担いたい役割につなげています。支える立場を選んだ理由を具体的に話すと、仕事への意欲も伝わります。営業の経験で身につけたお客様への対応を、応募先でどう生かすかまで話せるようにしておきます。

任される範囲が広すぎたときの例文

「前職では入社2年目から店舗の責任者を任され、売上の管理、スタッフのシフト作成、お客様対応まで一人で担当していました。幅広い仕事を経験できた一方、一つひとつの仕事に十分な時間をかけられないことに悩みました。今後はチームで役割を分担しながら、担当する仕事の質を高めていきたいと考え、御社を志望しました。」

責任者を任された経験を前向きに伝えたうえで、次の職場で大切にしたい働き方を話しています。責任を引き受けてきた事実を話すと、責任から逃げたい人ではないことが伝わります。責任者の経験は、応募先でもチームの中で周りを支える力として伝えられます。

まとめ

  • 責任の重さは、初めての会社を辞めた人の15.2%があげた理由の一つ

  • つらいのがノルマか、任される範囲か、緊張か、立場かを分ける

  • フリーターに戻る前に、賃金の差や、雇用形態を変えても残るつらさを比べる

  • 正社員のまま、分担の相談や責任の範囲が合う職場への転職で負担を減らす方法もある

まずは、最近つらいと感じた場面を書き出し、ノルマ、任される範囲、緊張、立場のどれに当てはまるかを分けてみてください。

よくある質問

Q. 正社員からフリーターに戻ると、また正社員になれますか。

フリーターの期間があっても、正社員を目指すことはできます。その際は面接で、なぜ正社員を辞めてアルバイトになったのか、今はなぜ正社員を目指すのかを聞かれることがあります。戻る前に、その理由を自分の言葉で説明できるかを考えておきます。

Q. 責任のある仕事を任されるのは、評価されている証拠ですか。

仕事を任される理由は職場によって違い、評価されている場合もあれば、人手が足りずに任されている場合もあります。任された理由を上司に聞いてみると、どこまで引き受けるかを考える材料になります。引き受けられない場合は、その理由も具体的に伝えます。

Q. 責任が重いと感じるのは、自分の能力が足りないからですか。

能力だけが原因とは限りません。任される範囲が一人で担える量を超えていたり、相談できる相手がいなかったりすることもあります。つらさの中身を書き出し、自分の力で改善できることと、職場の仕組みの問題を分けて考えます。

Q. アルバイトでも責任のある仕事を任されることはありますか。

アルバイトでも、長く働くうちにバイトリーダーや新人の指導などを任されることがあります。アルバイトなら責任がないと考えるのではなく、どこまでの責任なら引き受けられるのかを基準に、働き方を選びます。応募の前に、求人票や面接で任される仕事の範囲を確かめておきます。

Q. 正社員を続けるか迷っている間に、転職活動を始めてもいいですか。

在職中でも転職活動は始められます。求人を見たり相談したりするだけでも、責任の範囲が今と違う働き方にどのような選択肢があるかが分かります。応募するかどうかは、つらさの中身を整理してから決めても構いません。