正社員よりバイトが楽しいけどこのままでいい?将来の考え方を解説

最終更新:

2026/9/16 06:35

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正社員よりバイトが楽しいと感じるなら、その楽しさが「仕事内容」「人間関係」「自由な時間」のどれから来ているのかを分けたうえで、10年後の収入と働き方を正社員と比べてから決めるのが基本です。

今が楽しいことは大切な事実です。ただ、正社員とそれ以外の働き方の賃金の差は、20代では小さく見えても、年齢が上がるにつれて広がっていきます。楽しさを手放さずに正社員として働ける道がないかを探すと、このままでいいかどうかを落ち着いて判断できます。

この記事では、バイトが楽しいと感じる理由の分け方と、将来を比べて働き方を決める方法を、国家資格キャリアコンサルタントが解説します。

正社員よりバイトが楽しいと感じる理由を分解する

「バイトが楽しい」という気持ちには、いくつかの理由が混ざっていることがあります。理由を分けると、正社員になっても残せる楽しさと、アルバイトだから得られている楽しさが見えてきます。理由ごとに、正社員になったときに残せるかどうかが違うためです。

仕事内容と人間関係と自由な時間に分ける

楽しさの理由を、次の3つに分けて書き出します。

  • 仕事内容:接客で喜ばれる、体を動かす仕事が好きなど

  • 人間関係:同年代の仲間が多い、店長との相性がいいなど

  • 自由な時間:シフトを選べる、責任が重すぎないなど

仕事内容や人間関係が楽しさの中心なら、同じ仕事や似た雰囲気の職場を選ぶことで、正社員になっても楽しさを残せる可能性があります。自由な時間が中心なら、正社員の中でも休日や勤務時間の条件を重視して探すことになります。3つのうち、どれが一番大きいかに印をつけておくと、正社員の求人を見るときの基準になります。

アルバイトだから得られている楽しさを知る

シフトを自由に選べることや、任される責任の範囲が限られていることは、アルバイトという働き方だから得られている面があります。こうした楽しさは、正社員になると形が変わる可能性があります。

ただし、正社員でも休みの希望を出しやすい職場や、残業が少ない職場はあります。アルバイトだから得られていると思っていた楽しさが、実は今の職場の環境によるものではないかも確かめます。環境によるものなら、正社員の求人でも同じ環境を探せます。たとえば、今の店長の教え方が合っているから楽しいのであれば、面接で教育の仕組みや上司との関わり方を聞くことで、同じような環境かどうかを確かめられます。

バイトと正社員の収入の差は年齢とともに広がる

このままでいいかを判断するには、今の楽しさだけでなく、10年後、20年後の収入の違いも知っておく必要があります。収入の差は、生活の選択肢や将来の貯えにも関わります。

雇用形態による月の賃金の差は40代で広がる

厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査で、フルタイムで働く一般労働者の雇用形態別の賃金(男女計)を見ると、20〜24歳では正社員・正職員が247.5千円、正社員・正職員以外が203.5千円で、差は約4万円でした。25〜29歳では285.0千円と227.9千円で約6万円、40〜44歳では379.0千円と230.6千円で、差は約15万円に広がっています。

正社員・正職員以外の賃金は、25〜29歳から40〜44歳にかけてほとんど変わっていません。一方で、正社員・正職員の賃金は年齢とともに上がっているため、差が開いていきます。この賃金は賞与を含まない月の所定内給与額なので、年間の収入で比べると、差がさらに広がる可能性があります。

短時間で働く人の時給は30代でほぼ横ばい

同じ調査で、短時間労働者の1時間当たり賃金(男女計)を見ると、20〜24歳は1,287円、25〜29歳は1,513円、30〜34歳は1,772円、35〜39歳は1,782円、40〜44歳は1,692円でした。

20代から30代前半にかけては上がっていますが、30代では横ばいになり、40代前半では下がっています。年齢が上がっても時給が伸び続けるわけではないため、アルバイトを続ける場合は、収入を増やす方法を別に考えておく必要があります。時給で働く場合は、働く時間を増やさない限り収入が増えにくいことも、10年後を考えるときの材料になります。

バイトを続けるか決めるために10年後を比べる方法

今の楽しさと将来の収入の両方を並べて、このままでいいかを判断します。

10年後の働き方を具体的に書き出す

アルバイトを続けた場合と、正社員になった場合のそれぞれで、10年後にどんな毎日を送っているかを書き出します。住んでいる場所、月の収入、休日の過ごし方、任されている仕事などを、できるだけ具体的に想像します。

書き出した2つの姿を比べて、どちらに近づきたいかを考えます。アルバイトを続けた場合の10年後に不安が出てくるなら、その不安が何なのかを言葉にしておくと、正社員を選ぶ理由がはっきりします。

漠然とした不安を「なぜ正社員か」に置き換える

MyStyle転職の支援事例に、派遣社員として製造ラインで働いていた25歳の方がいます。派遣という働き方そのものより、「この先もこのままでいいのか分からない」という漠然とした不安のほうが大きかった方です。

過去の仕事を振り返り、モノを黙々と扱う作業より、人とやり取りする場面のほうが楽しかったことを一つずつ確かめました。そのうえで、雇用形態を変えることを目的にせず、「なぜ正社員になりたいのか」を先に明確にしてから求人を選び、営業職の正社員に転職しています。

NG例(このままでいいか迷っているとき)

  • 「今が楽しいから」と、10年後の収入や働き方を考えないまま決める

  • 「正社員はつまらなそう」と、楽しさを残せる仕事があるかを調べずに諦める

OK例(このままでいいか迷っているとき)

  • アルバイトを続けた場合と正社員になった場合の10年後を書き出して比べる

  • 楽しさの理由を分け、正社員でも残せる楽しさがあるかを確かめる

バイトの楽しさを残したまま正社員になる選び方

バイトが楽しいからといって、正社員をあきらめる必要はありません。楽しさの理由を残せる正社員の仕事を探す方法があります。楽しさの理由ごとに、確かめる点を変えるのがポイントです。

楽しい仕事内容と同じ職種の正社員を探す

楽しさの中心が仕事内容なら、同じ職種や似た仕事の正社員求人を探します。支援事例では、お酒の配達のアルバイトで配達先の店長と仲良くなるのが楽しかった23歳の方が、その関係づくりの力を生かして、配送と営業を兼ねる正社員の仕事に就きました。

アルバイトで楽しかった場面を、「お客さんと話す」「チームで忙しい時間を乗り切る」といった行動の言葉にすると、同じ楽しさを得られる仕事を探しやすくなります。求人を見るときは、仕事内容の欄に、自分が楽しいと感じる行動がどのくらい含まれているかを確かめます。

人間関係の良さは面接や見学で確かめる

楽しさの中心が人間関係なら、応募先の職場の雰囲気を確かめることが大切です。面接で配属先の人数や年齢層を聞いたり、職場見学ができるかを相談したりすると、一緒に働く人のイメージをつかめます。今の職場で楽しいと感じている人間関係の特徴、たとえば「困ったときに相談しやすい」「年齢の近い人が多い」といった点を書き出しておくと、面接で聞く内容も決めやすくなります。

自由な時間を大切にしたい場合は、年間休日の日数や残業時間、有給休暇の取りやすさを、求人票と面接で確かめます。楽しさの理由ごとに確かめる点を決めておくと、正社員になっても今の楽しさを失いにくくなります。入社後の研修や配属先の雰囲気は、内定後の面談で改めて聞いても構いません。

バイトが楽しかった経験を正社員の面接で伝える例文

アルバイトが楽しかったことは、面接で隠す必要はありません。何が楽しかったのかを、応募する仕事への意欲につなげて伝えます。楽しさを伝えるときは、どの場面が楽しかったのかを具体的に話すことが大切です。

楽しかった理由を仕事の意欲につなげる例文

「カフェのアルバイトを4年間続けてきたのは、常連のお客さまと会話をしながら、好みに合う商品をすすめる時間が楽しかったからです。自分のすすめた商品を気に入って、何度も来てくださる方が増えたことに大きなやりがいを感じていました。この楽しさを仕事として深めるため、正社員として販売の仕事に挑戦したいと考えています。」

楽しかった理由を具体的な場面で話し、それを正社員として続けたい理由につなげています。楽しさを仕事への意欲として伝えると、アルバイトを長く続けてきたことも前向きに受け取ってもらえます。

今まで正社員にならなかった理由を聞かれた例文

「アルバイトの仕事が楽しく、居心地の良さから、働き方を深く考えないまま続けてきました。ただ、これから先の10年を考えたとき、任される仕事の幅を広げ、責任を持って成果を出せる働き方をしたいと考えるようになりました。アルバイトで身につけた接客の力を土台に、正社員として長く経験を積みたいです。」

正社員にならなかった理由を正直に短く伝え、考えが変わったきっかけと、これからの目標を話しています。過去を言い訳せずに、今の意欲に話の重心を置くことが大切です。アルバイトで身につけた力を添えると、これまでの期間も経験として受け止めてもらいやすくなります。

まとめ

  • バイトが楽しい理由を、仕事内容、人間関係、自由な時間に分けて書き出す

  • 雇用形態による賃金の差が、年齢とともに広がることを知っておく

  • アルバイトを続けた場合と正社員になった場合の10年後を具体的に比べる

  • 楽しさの理由を残せる正社員の仕事を、職種や職場の雰囲気から探す

まずは、今のアルバイトで楽しいと感じる場面を3つ書き出し、仕事内容、人間関係、自由な時間のどれに当たるかを分けてみてください。

よくある質問

Q. アルバイトのまま働き続けるのは悪いことですか。

アルバイトという働き方を選ぶこと自体は、悪いことではありません。大切なのは、将来の収入や働き方の見通しを知ったうえで選んでいるかどうかです。10年後の生活を具体的に想像し、それでもアルバイトを続けたいと思えるなら、収入を増やす方法や身につけたい経験も合わせて考えておきます。

Q. 正社員になったら、今の楽しさはなくなりますか。

なくなるとは限りません。楽しさの理由が仕事内容や人間関係にあるなら、同じ職種や雰囲気の合う職場を選ぶことで残せる場合があります。一方で、責任の範囲が広がるため、アルバイトのときとは違う大変さも加わります。その大変さも含めて続けたいと思えるかを考えます。

Q. 楽しいバイト先で正社員に誘われたら、どうすればいいですか。

仕事内容と人間関係に満足しているなら、前向きに考える価値があります。返事をする前に、正社員になった後の給与や休日、異動の有無などの条件を書面で確かめます。同じ地域の似た職種の正社員求人とも比べてから決めると、納得して返事ができます。

Q. 何歳までにアルバイトから正社員になるべきですか。

決まった年齢はありません。労働政策研究・研修機構の調査(東京都在住の25〜34歳が対象)では、正社員になろうとしたフリーター経験者のうち正社員になれた割合は、25〜29歳で63.6%、30〜34歳で68.5%でした。年齢より、フリーターを続けた期間が長くなるほど割合が下がる傾向に注意します。

Q. 楽しいと感じられる正社員の仕事は、どうすれば見つかりますか。

今のアルバイトで楽しいと感じる場面を行動の言葉に直し、その行動が中心になる仕事を探します。求人の仕事内容の欄で一日の流れを読み、楽しい場面が含まれているかを確かめます。気になった会社では、面接で先輩社員の一日の過ごし方を聞くと、入社後の姿を想像しやすくなります。