仕事を辞めたい理由がわからない... つらさを切り分けて次を選ぶ方法

最終更新:

2026/9/16 08:25

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仕事を辞めたい理由がわからないときは、なんとなくのまま転職を決めず、何がつらくて何なら耐えられるのかを場面ごとに切り分けてから、次の仕事を選ぶのが基本です。

理由がはっきりしないまま転職すると、次の職場でも同じつらさを感じることがあります。反対に、つらさの中身が分かれば、今の会社で解決できるのか、転職で解決するのかも判断しやすくなります。

この記事では、辞めたい理由を切り分ける手順と、見えた理由をもとに次の仕事を選ぶ方法を、国家資格キャリアコンサルタントが解説します。

仕事を辞めた人や辞めたい人の理由を国の調査で知る

自分の理由を考える前に、ほかの人がどんな理由で仕事を辞めたり、辞めたいと考えたりしているかを知っておくと、切り分けるときの手がかりになります。数字を見るときは、回答が複数選べる形式かどうかにも注目します。

初めての会社を辞めた理由の上位

厚生労働省の令和5年若年者雇用実態調査で、初めて勤務した会社を辞めた若年労働者の理由(3つまで回答)を見ると、「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」が28.5%、「人間関係がよくなかった」が26.4%、「賃金の条件がよくなかった」が21.8%、「仕事が自分に合わない」が21.7%の順でした。年齢別に見ると、20~24歳では「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」が31.0%、「人間関係がよくなかった」が30.0%、25~29歳では「人間関係がよくなかった」が27.1%、「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」が26.8%でした。

3つまで回答する形式のため、一つの理由だけで辞めているとは限りません。自分の辞めたい理由も、いくつかが重なっていないかを考えます。

転職したいと考える若手正社員の理由

同じ調査で、今後転職したいと思っている若年正社員の理由(複数回答)を見ると、「賃金の条件がよい会社にかわりたい」が59.9%、「労働時間・休日・休暇の条件がよい会社にかわりたい」が50.0%と高くなっています。

複数回答のため、理由が一つに限らない点は同じです。辞めた人の理由と、これから転職したい人の理由は対象が違うため、数字を並べて比べるのではなく、自分に当てはまる理由を探す手がかりとして使います。

辞めたい理由がわからないときに起きていること

辞めたい理由がわからないのは、つらさがないからではなく、いくつかのつらさが重なって、一つの言葉にまとまっていないことがあります。つらさの中身が見えないまま、自分が弱いだけかもしれないと考えてしまう方もいます。

いくつかのつらさが重なっている

仕事の量、人間関係、仕事内容、将来への不安などが少しずつ重なると、どれか一つが決定的な理由とは言えず、「なんとなくつらい」と感じます。一つずつ取り出して見ると、それぞれのつらさの大きさが違うことに気づきます。たとえば、残業が少し多い、上司の言い方が少しきつい、仕事にやりがいを感じにくいといった小さな不満は、一つずつなら我慢できても、重なると大きな負担になります。どれか一つを解決しても、ほかのつらさが残ることもあります。

先が見えない不安が一番つらいこともある

MyStyle転職の支援事例では、製造業で夜勤のある不規則なシフトに限界を感じていた28歳の方が、面談で今の仕事の何がつらくて何なら耐えられるのかを一つずつ切り分けました。すると、夜勤の負担そのものより、この働き方がいつまで続くのか分からない先の見えなさが一番つらかったことが分かりました。

目の前の負担だけでなく、この先への不安も、辞めたい理由の一つになります。先の見えなさは、毎日の具体的な出来事ではないため、自分でも気づきにくいつらさです。「このまま5年後も同じ働き方をしているとしたらどう感じるか」を考えると、将来への不安が理由に含まれているかを確かめられます。理由がわからないと感じるときほど、辞めるかどうかを急いで決めず、中身を書き出すことから始めます。

仕事を辞めたい理由を場面ごとに切り分ける3つの手順

辞めたい理由を言葉にするには、つらいと感じた場面を書き出して、種類ごとに分けていきます。頭の中で考えるだけでは、つらさが重なったまま整理しにくいため、紙やスマートフォンのメモに書き出して目で見て分けます。

つらいと感じた場面を1週間書き出す

1週間ほど、仕事中につらいと感じた場面を、時間や相手、作業の内容とあわせてメモします。その場で書けない場合は、仕事が終わった後に思い出して書きます。書くときは、「つらかった」だけでなく、「上司に急な残業を頼まれて、予定していた用事に行けなかった」のように、何があって、どう感じたかまで書きます。少しほっとした場面や、楽しかった場面もあわせて書いておきます。

条件、人間関係、仕事内容、将来に分ける

書き出した場面を、休日や勤務時間などの条件、人間関係、仕事内容、将来への不安の4つに分けます。どこに多く集まっているかで、辞めたい理由の中心が見えてきます。一つの場面が2つ以上に当てはまる場合は、両方に入れて構いません。分けた結果は、次の手順で使うため、一枚の紙にまとめておきます。

つらいことと耐えられることを並べる

支援事例の28歳の方は、つらいことだけでなく、耐えられることも並べたことで、土日祝休みという条件に加えて、人と話す仕事への興味も見えてきました。条件面と適性面の両方を満たす営業職に絞り、土日祝休みの営業職に転職しています。耐えられることは、次の仕事でも続けられる強みや、我慢できる条件の手がかりになります。つらいことしか見えないときは、「この作業なら続けてもいい」と思える場面を一つでも探します。

切り分けた辞めたい理由から次の仕事を選ぶ方法

理由が見えたら、それをもとに、今の会社に残るか、転職するか、どんな仕事を選ぶかを考えます。理由をもとに選ぶと、次の仕事で何を確かめればいいかがはっきりします。

今の会社で解決できる理由かを確かめる

部署の異動や上司への相談で変えられる理由なら、転職する前に今の会社で解決できるかを確かめます。会社全体の決まりで変えにくい理由なら、転職で解決する方法を考えます。たとえば、特定の上司との関係が中心なら部署の異動で変わる可能性がありますが、休日の少なさが会社全体の決まりなら、残っても変わりにくいと考えられます。

理由に合わせて求人で確かめることを決める

条件が理由なら求人票の休日や残業時間、人間関係が理由なら面接で配属先の人数や教え方、仕事内容が理由なら一日の仕事の流れ、将来が理由なら研修や経験を積める道筋を確かめます。確かめる項目は、切り分けた理由の多い順に並べ、面接の前にメモしておきます。求人票だけで分からないことは、面接の最後の質問の時間を使って確かめます。

いろいろな仕事を経験した人も共通点を探す

支援事例の24歳の方は、飲食、不動産の営業、土木作業と仕事を変えてきました。3社でよかったこととつらかったことを一緒に言葉にすると、人と話すのは好きだが押しの強い営業は向いていない、夜勤もきついという条件が見え、楽器の買取を担当する営業職で内定を得て、長く働いています。経験した仕事が多いほど、比べられる場面も多くなります。それぞれの仕事で共通してつらかったことと、共通して苦にならなかったことを探すと、次の仕事で大切にしたい条件が見えてきます。

切り分けた辞めたい理由を面接で伝えるときの例文

面接で退職理由を聞かれたときは、切り分けて見えた理由を短く伝え、次の仕事で大切にしたいことにつなげます。理由がいくつも重なっていた場合は、すべてを話すのではなく、次の仕事選びに一番関係する理由を中心にまとめます。

先の見えなさが理由のときの例文

「前職では夜勤のある交替制で働いていました。仕事を振り返ると、夜勤の負担そのものより、この働き方を続けた先の自分の姿が思い描けないことが一番の悩みでした。今後は、決まった時間に働きながら人と話す仕事で経験を積み、長く成長していきたいと考え、御社の営業職を志望しました。」

つらかったことを「体力の問題」ではなく、これからの働き方の問題として話しています。支援事例の28歳の方も、面接対策の中で夜勤のつらさを、今後大事にしたい働き方として言葉にし、内定を得ています。先の見えなさを理由にするときは、次の会社でどう成長したいかまで話すと、前向きな理由として伝わります。

いくつかの理由が重なっていたときの例文

「前職を振り返ると、残業が多いことと、仕事内容が自分の得意なことと合っていないと感じる場面が重なっていました。一つずつ整理した結果、決まった手順を正確に進める仕事で力を発揮しやすいと気づきました。御社の事務の仕事で、その強みを生かしながら長く働きたいと考えています。」

重なっていた理由を整理したことと、そこから見えた強みを伝えています。複数の理由を話す場合も、最後は応募先で生かしたい強みにつなげると、不満を並べている印象になりにくくなります。

まとめ

  • 辞めたい理由がわからないときは、つらさが重なっていないかを考える

  • つらいと感じた場面を書き出し、条件、人間関係、仕事内容、将来に分ける

  • つらいことと耐えられることを並べ、次の仕事で確かめることを決める

  • 面接では、切り分けて見えた理由と、次に大切にしたいことを伝える

まずは、明日から1週間、仕事中につらいと感じた場面を、時間と相手とあわせてメモしてみてください。

よくある質問

Q. 辞めたい理由がはっきりしないまま転職してもいいですか。

転職することはできますが、理由がはっきりしないと、面接で退職理由を聞かれたときに答えにくくなり、次の職場を選ぶ基準も決めにくくなります。すべてを言葉にできなくても、次の職場で避けたいことを一つは決めてから応募します。

Q. 仕事に行きたくない日が続くのは、辞めたいサインですか。

行きたくない日が続く理由は人によって違います。行きたくないと感じる日の前後に何があったかを書き出すと、理由の手がかりになります。体や気持ちの不調が続く場合は、辞めるかどうかを考える前に休むことを優先し、医療機関に相談する方法もあります。

Q. 書き出してみても、つらいことが見つかりません。

つらいことが見つからない場合は、仕事の後に疲れを強く感じた日や、休みの前日に気持ちが軽くなる理由を振り返ります。楽しくない、やりがいを感じないという気持ちも、辞めたい理由の一つとして書き出して構いません。

Q. 周りに相談すると、甘えだと言われそうで不安です。

辞めたい気持ちを話すときは、つらい場面を具体的に伝えると、相手も状況を理解しやすくなります。「なんとなく辞めたい」ではなく、「夜勤が続いて先が見えないことがつらい」のように話します。身近な人に話しにくい場合は、キャリアの相談先を使う方法もあります。

Q. 今の会社で様子を見るとしたら、どのくらい待てばいいですか。

決まった期間はありませんが、「3か月後にもう一度つらい場面を書き出して比べる」など、見直す時期を自分で決めておきます。つらい場面が減っていれば続ける理由になり、変わらなければ転職を考える材料になります。