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少人数の職場がきつい・疲れると感じたら、つらさが人数の少なさから来ているのかを切り分け、次は事業所の規模や配属先の人数、年齢層を確かめて職場を選ぶのが基本です。
少人数の職場は、一人ひとりの役割が大きく、周りとの距離も近くなります。それがやりがいになる人もいれば、逃げ場のなさや同年代がいない寂しさを負担に感じる人もいます。
この記事では、少人数の職場がきついと感じる理由の整理の仕方と、次の職場の人数や年齢層の確かめ方を、国家資格キャリアコンサルタントが解説します。
少人数の職場で働く人が必ず辞めるわけではありませんが、国の資料では、事業所の規模によって若手の離職率に差があります。次の職場を選ぶ前に、規模と離職率の関係を知っておきます。
厚生労働省が令和7年10月に公表した令和4年3月卒業者の離職状況で、就職後3年以内の離職率を事業所の規模別に見ると、高校卒では5人未満が63.2%、5~29人が54.6%、30~99人が45.2%、100~499人が36.7%、500~999人が29.9%、1,000人以上が26.3%でした。大学卒では5人未満が57.5%、5~29人が52.0%、30~99人が41.9%、100~499人が33.9%、500~999人が31.5%、1,000人以上が27.0%です。高校卒、大学卒ともに、規模が小さくなるほど離職率が高くなっています。全体の3年以内離職率は、高校卒が37.9%、大学卒が33.8%です。
厚生労働省の令和2年転職者実態調査で、転職者が今の勤め先を選んだ理由(3つまで回答)を見ると、「仕事の内容・職種に満足がいくから」が41.0%で最も高く、「自分の技能・能力が活かせるから」が36.0%で続きます。「会社の規模・知名度のため」は7.9%でした。規模や知名度だけを理由に選んだ人は多くありません。
離職率の数字は、会社全体の人数ではなく事業所の規模で分けたもので、新卒で就職した人の平均です。同じ規模でも会社によって違い、規模の小さい事業所がすべて働きにくいわけではありません。数字は、職場の規模が働きやすさに関わる手がかりの一つとして使います。
少人数の職場のつらさには、いくつかの種類があります。どのつらさが強いかによって、次の職場で確かめることが変わるため、自分のつらさを切り分けます。最近つらいと感じた場面を思い出し、どの種類に当てはまるかを一つずつ分けていきます。
人数が少ないと、一人が休むとほかの人の仕事が増えたり、自分が休むと周りに迷惑をかけると感じて休みを取りにくくなったりすることがあります。担当する仕事の幅が広く、一人で抱える量が多いことが負担になっていないかを振り返ります。このつらさが中心なら、人数そのものより、仕事を分担する仕組みや休みの取り方が、次の職場選びで確かめる点になります。
関わる人が限られるため、合わない人がいても距離を取りにくいことがあります。毎日同じ顔ぶれで過ごすため、小さな行き違いが気まずさとして続きやすく、疲れの原因になります。社長や上司との距離が近く、仕事の進め方が一人の考えで決まりやすいと感じる人もいます。このつらさが中心なら、配属先の人数や、上司のほかに相談できる相手がいるかを確かめます。
同年代がいないと、仕事の悩みを気軽に相談できる相手がいなかったり、数年後の自分の姿を思い描きにくかったりします。周りが年上ばかりの職場では、自分の意見を言いにくいと感じることもあります。入社から数年たっても後輩が入らず、いつまでも一番下の立場のままという状況に不安を感じる人もいます。このつらさが中心なら、配属先の年齢層や、若手の採用が続いているかを確かめます。
少人数の職場には負担がある一方で、そこで身についた経験は次の職場でも生かせます。つらさだけを理由に転職すると、面接で前向きな話がしにくくなるため、経験も一緒に振り返っておきます。
少人数の職場では、一人が担当する仕事の幅が広くなりやすく、受注から納品、請求までの一連の流れや、電話対応と事務作業を並行して進めることを経験していることがあります。仕事の全体の流れを知っていることや、状況に合わせて優先順位を決めて動いてきたことは、次の職場でも伝えられる経験です。担当してきた仕事を、一日の流れに沿って書き出してみます。
年上の人に囲まれて働いてきた経験は、目上の人への言葉づかいや、相手の立場を考えて動く力として伝えられます。社長や取引先と直接話す機会が多かった場合は、その場面で気をつけてきたことも書き出します。また、年齢の違う人と仕事を進めるために、自分から声をかけて確認してきた場面があれば、それも強みの材料になります。
MyStyle転職の支援事例では、お酒の宅配のアルバイトをしていた23歳の方が、配達先の飲食店の店長と雑談を通じて仲良くなっていました。本人は当たり前にやっていたことでしたが、関係をつくる力と、配るだけで終わらせない姿勢を強みとして言葉にし、配送と営業を組み合わせた正社員の求人に進み、正社員に復帰しています。少人数の職場で当たり前にこなしてきたことも、書き出して見直すと、次の職場で伝えられる強みが見つかることがあります。
次の職場を選ぶときは、会社全体の規模だけでなく、実際に働く場所の人数や年齢層を確かめます。少人数の職場でつらかったことが、次の職場で起こりにくいかを入社前に確かめるのが目的です。
求人票に書かれた従業員数が、会社全体の人数なのか、実際に働く場所の人数なのかを確かめます。本社と働く場所が違う求人では、会社全体の人数が多くても、働く場所は少人数ということがあります。求人票で分からない場合は、応募前に転職エージェントに聞くか、面接で確かめます。会社のホームページの社員紹介や採用ページも、年齢層を知る手がかりになります。
面接の最後の質問の時間に、配属先は何人くらいで、どのような年齢層の方が働いているかを聞きます。同年代がいるか、若手の採用が続いているかも、このときに確かめます。仕事量が負担だった場合は休みを取るときの仕事の分担の仕方、人間関係が負担だった場合は上司のほかに相談できる人がいるかのように、自分のつらさに合わせて質問を選びます。
支援事例では、入社半年で退職した22歳の方が、入社前に聞いていた話と実際の業務や教育体制に大きな違いがあったことを振り返りました。次は条件より先に、入社後にどう育ててもらえるかを確かめる軸を作り、研修体制が整った会社を選んで事務職に転職しています。少人数の職場では、決まった研修がなく、仕事をしながら覚えることもあります。人数や年齢層とあわせて、入社後に誰がどのように教えるのかを聞いておくと、入社後の違いを減らせます。
面接では、前の職場の規模や人間関係への不満を話すのではなく、そこで身についた経験と、次の職場で挑戦したいことを伝えます。規模を変えること自体を目的にせず、なぜ次の職場を選ぶのかまで話せるように準備します。
「前職は社員5名の会社で、受注から発送の手配、請求書の作成まで一人で担当してきました。幅広い業務を経験する中で、一つの仕事を深く身につけ、専門性を高めたいと考えるようになりました。御社の経理部門で、前職で身につけた数字を正確に扱う力を生かしながら、経験を積みたいと考えています。」
少人数の職場で担当した業務を具体的に話し、そこから考えた次の目標を伝えています。人が少なくて大変だったという話ではなく、幅広く担当したからこそ一つの仕事を深めたいという流れにすると、前の職場を否定する印象になりにくくなります。
「前職では、年上の方々に仕事を教わりながら3年間働き、目上の方とのやり取りや、先を読んで動く大切さを学びました。一方で、同じ立場で相談したり刺激を受けたりする仲間がいない環境だったため、同年代の社員と協力しながら成長できる環境で働きたいと考えています。」
前の職場で学んだことを先に伝え、同年代と働きたい理由を前向きな言葉で話しています。同年代がいないことを寂しかったとだけ伝えるより、仲間と協力して成長したいという目標として話すほうが、入社後の姿を伝えやすくなります。
前の会社は人数が少なく人間関係が息苦しかったので大きな会社で働きたい、という伝え方では、面接官に入社後にどんな仕事をしたいのかが伝わりません。職場の環境が合わないと、また辞めてしまうのではないかと受け取られることもあります。規模について話すときは、その環境で何をしたいのかとあわせて伝えます。
事業所の規模が小さいほど若手の離職率は高い傾向があるが、規模だけで決まるわけではない
少人数の職場のつらさを、仕事量、人間関係、同年代がいないことに分ける
少人数の職場で当たり前にこなしてきた仕事も、強みとして書き出す
次の職場では、働く場所の人数と年齢層、入社後の教え方を確かめる
まずは、今の職場でつらいと感じることを、仕事量、人間関係、同年代がいないことの3つに分けて書き出してみてください。
Q. 大きな会社に転職すれば、人間関係の悩みはなくなりますか。
関わる人が増える分、合わない人と距離を取りやすくなることはありますが、部署の人数や上司との相性によって悩みが生まれることもあり、なくなるとは限りません。次の職場で避けたい人間関係の状況を具体的に書き出しておくと、面接で確かめたいことが決まります。
Q. 少人数の職場で働いた経験は、職務経歴書にどう書けばいいですか。
担当した業務を並べるだけでなく、どの業務にどのくらいの時間を使っていたかや、一人で任されていた範囲を書くと、経験の幅が伝わりやすくなります。応募先の仕事に近い業務を先に書き、その業務でどう工夫したかを一文添えます。
Q. 同年代がいない職場に長くいたことは、不利になりますか。
職場の年齢層だけで不利になるとは限りません。面接では、職場の年齢層よりも、その職場で何を担当し、どう取り組んできたかを具体的に話すことが大切です。同年代がいない環境で、自分から仕事を覚えるために工夫したことがあれば、あわせて伝えます。
Q. 少人数の職場だと、辞めると伝えにくいです。
人数が少ないと、自分が辞めた後の影響を心配して言い出しにくくなります。転職先が決まってから、就業規則に書かれた申し出の時期を確かめ、引き継ぎに必要な期間を考えて早めに伝えます。引き継ぎの資料を用意しておくと、残る人への配慮を示せます。
Q. 今の会社のまま、少人数の職場のつらさを減らす方法はありますか。
仕事量が負担なら、担当している業務を書き出して上司に見せ、優先順位や分担を相談する方法があります。人間関係や年齢層は自分だけでは変えにくいため、相談しても状況が変わらない場合は、次の職場を探すかどうかを考える材料にします。
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