最終更新:
2026/8/27 06:55

「辞めたいのに、言い出せない」という状況が続いていると、毎朝の出社がどんどん苦しくなっていきます。上司に切り出すタイミングを見計らったまま何日も経ち、体が限界に近づいていても「もう少し頑張れば」と先送りしてしまう。20代で初めて会社を辞める場面では、特にそのプレッシャーが強く出やすいものです。
退職代行サービスを利用すれば、本人が上司に退職を告げる必要がなくなります。退職代行の認知度は若年層を中心に年々高まっており、実際に利用する人も増加傾向にあります。翌日には退職の手続きを進めてもらえるケースも多く、心身の負担を抑えながら退職に踏み出せる手段のひとつです。
この記事では、転職支援実績を持つ国家資格キャリアコンサルタントが、退職代行の使い方と費用の仕組みをわかりやすく解説し、20代が後悔しないサービス選びのポイントをお伝えします。
退職代行サービスは大きく「民間企業型」「労働組合型」「弁護士型」の3種類に分かれます。タイプによってできること・費用・向いているケースが異なるため、まずここを把握することが、失敗しないサービス選びの第一歩です。
民間企業が運営する退職代行は、費用の安さとスピードが最大のメリットです。費用相場は1万5000〜2万5000円程度で、最安水準のサービスなら1万円台で利用できるものもあります。
ただし、民間企業型は「退職の意思を会社に伝える」ことしかできません。残業代・有給消化の交渉や退職日の調整といった会社との折衝が必要な場面では動けない点に注意が必要です。パワハラや未払い給与がなく、純粋に「辞めたいが言い出せない」という状況には向いています。
労働組合が運営する退職代行は、費用相場2万〜2万8000円で、会社との交渉(団体交渉権)も行使できます。有給消化の申請や退職日の調整なども対応可能で、費用と機能のバランスが最も取れているタイプです。
「言い出せない」だけでなく、有給をちゃんと使い切りたい・退職日を早めたいといった希望がある場合は、労働組合型が特に使いやすいです。
弁護士事務所が提供する退職代行は、費用は4万〜6万円と高めですが、法的トラブルへの対処が可能です。未払い残業代の請求・ハラスメントへの対応・訴訟への備えが必要な場面では、弁護士型が唯一対応できる選択肢になります。
一般的な退職シーン(「辞めたいが言い出せない」)であれば弁護士型は費用対効果が合いにくいですが、会社側が法的に問題のある対応をとっている場合は迷わず選ぶべきです。
タイプ | 費用相場 | 交渉可否 | 向いているケース |
|---|---|---|---|
民間企業型 | 1.5万〜2.5万円 | 不可 | ただ辞めたい・複雑な交渉不要 |
労働組合型 | 2万〜2.8万円 | 可 | 有給消化・退職日の調整あり |
弁護士型 | 4万〜6万円 | 可(法的対処) | 未払い給与・ハラスメントあり |
費用は後払い・分割払いに対応しているサービスも増えており、「今月お金がない」という場合でも利用できるケースがあります。申し込み前に支払い条件を確認しておくと安心です。
なお、費用の安さだけで選ぶと「対応範囲が狭すぎた」「思っていた交渉をしてもらえなかった」という失敗につながります。まず自分の退職状況に何が必要かを整理してから選ぶことが大切です。
退職代行を使う手順はシンプルです。申し込みから退職完了まで、最短で翌日に完結するケースもあります。
公式サイトやLINEから申し込みを行います。ほとんどのサービスが24時間受付で、深夜・休日でも対応可能です。申し込みと同時に、自分の状況(雇用形態・辞めたい理由・会社の対応への懸念)を簡単に伝えます。
申し込み後、担当者から連絡があり、退職に際しての希望(退職日・有給消化の希望・貸与物の返却方法など)をヒアリングされます。この段階で疑問点をすべて確認しておくと、後の手続きがスムーズです。
担当者が会社に対して退職の意思を伝えます。本人は会社と直接やり取りする必要がなく、電話やLINEで進捗を確認するだけです。会社から本人への連絡がある場合は、退職代行のサービス担当者を通してもらうよう依頼するのが一般的です。
退職が受理されると、離職票や源泉徴収票などの書類が後日郵送されます。健康保険の切り替えや失業給付の手続きなど、退職後の事務手続きについても、サービスによっては案内してもらえます。
退職代行は便利なサービスですが、使い方によっては後悔につながることもあります。20代特有の状況に合わせて、事前に確認しておくべきポイントを整理します。
退職代行を使っても、法的に問題になることはありません。退職は労働者の権利であり、退職代行はその意思を代わりに伝えるサービスです。ただし、会社から貸与されているもの(PC・携帯・制服など)の返却は必ず行う必要があります。返却を怠ると、後々トラブルになるケースがあります。
また、退職代行を利用したこと自体が転職先にバレることは、基本的にありません。転職先が確認できるのは在職期間と退職理由(源泉徴収票・雇用保険被保険者証)であり、「退職代行を使った」という情報は含まれていません。
ただし、同業界・狭い業界での転職の場合は、前職の担当者との人脈的なつながりから伝わるリスクがゼロではないため、業界の狭さを考慮したうえで判断することが現実的です。
退職代行は「言い出せない」を解消してくれる、現実的な選択肢のひとつです。最後に、この記事の要点を振り返ります。
退職代行は民間・労働組合・弁護士の3タイプがあり、状況に合ったものを選ぶことが大切
費用相場は民間2万円前後、労働組合2万5000円前後、弁護士4万〜6万円が目安
使い方は「申し込み→ヒアリング→会社への連絡→退職完了」の4ステップ
転職先にバレることは基本なく、合法的に使えるサービス
「辞めたいが言えない」状況が続くほど、体と心への負担は積み重なります。退職代行は、その状況に踏み込む一つの手段として、知っておいて損はありません。
Q. 退職代行を使うと、会社から損害賠償を請求されますか
損害賠償を請求されるケースはほとんどありません。退職は労働者の権利であり、民法627条によって2週間前に告知すれば退職は認められます。退職代行はその意思を伝えるサービスであるため、それ自体が違法になることはありません。ただし、契約内容に特殊な条項がある場合は、弁護士に相談するのが安心です。
Q. 退職代行を使った後、転職活動に影響しますか
基本的に影響しません。退職代行を使ったという情報は、転職先には伝わりません。離職票や源泉徴収票には退職理由の詳細は記載されず、「一身上の都合」や「会社都合」といった区分が記載されるだけです。
Q. 退職代行の費用は後払いできますか
サービスによっては後払い・分割払いに対応しています。ただし対応状況はサービスにより異なるため、申し込み前に公式サイトまたは問い合わせで確認してください。後払い対応を明示しているサービスを選ぶと安心です。
Q. 即日退職は本当にできますか
退職代行に申し込んだ当日に会社への連絡を完了し、その日から出社不要になるケースはあります。ただし法的には、退職が確定するまでに一定の期間が必要なこともあります。「当日から出社しなくていい状態にする」という意味での即日退職は、多くのサービスで対応可能です。
この記事を書いた人
池田 康希 | Koki Ikeda
国家資格キャリアコンサルタント / 転職支援事業責任者
全国3万社の中から、信頼できるエージェント14社に選出
日本最大手通信キャリアでの就業を経てAITAIDに参画。 転職支援サービス『MyStyle転職』の立ち上げを行い、事業推進に加えて自身もキャリアコンサルタントとして累計 1,000名以上 のキャリア支援に従事。 主に「未経験者」や「短期離職経験者」の支援を得意としている。
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