退職代行を使うと転職に不利?面接で聞かれたときの答え方と例文

最終更新:

2026/9/17 08:10

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退職代行を使って辞めたことが、それだけで転職の結果を決めるとは限りません。面接では、退職の方法より、なぜ辞めたのか、次にどう働きたいのかを自分の言葉で説明できるように準備し、退職代行について聞かれたら事実を短く伝えるのが基本です。

退職代行を使ったことに引け目を感じ、応募する前から不利になると思い込んでしまうこともあります。ただ、面接で伝える内容を整理しておけば、落ち着いて答えやすくなります。

この記事では、転職者が前の会社を辞めた理由のデータと、面接で聞かれたときの答え方を、国家資格キャリアコンサルタントが解説します。

転職者が前の会社を辞めた理由を数字で知る

退職代行を使ったかどうかにかかわらず、転職者はそれぞれの理由で前の会社を辞めています。ほかの転職者がどのような理由で辞めたのかを見ておくと、自分の退職理由を整理する手がかりになります。

自己都合で辞めた転職者は76.6%

厚生労働省の令和2年転職者実態調査で、転職者が前の勤め先を辞めた主な理由を見ると、「自己都合」が76.6%で最も高くなっています。年齢別では、20~24歳で87.3%、25~29歳で87.4%でした。この調査は退職の方法を調べたものではありませんが、自分の都合で前の会社を辞めて転職した人は多くいます。

20代は人間関係や仕事内容を理由に辞めた人も

自己都合で辞めた人の理由(3つまでの複数回答)を見ると、全体では「労働条件(賃金以外)がよくなかったから」が28.2%、「満足のいく仕事内容でなかったから」が26.0%、「賃金が低かったから」が23.8%でした。20~24歳では「人間関係がうまくいかなかったから」が38.4%で最も高く、25~29歳では「満足のいく仕事内容でなかったから」が31.4%、「賃金が低かったから」が31.3%です。

企業は中途採用で職業意識を最も重視

厚生労働省の令和5年若年者雇用実態調査で、若年正社員の中途採用の選考をした事業所のうち、選考で重視した点(複数回答)を見ると、「職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神」が72.7%で最も高く、「コミュニケーション能力」が66.9%、「マナー・社会常識」が58.1%でした。「業務に役立つ職業経験・訓練経験」は42.3%です。面接では、これから働く意欲や、相手と円滑にやり取りできることを伝えられるように準備します。

面接で退職代行について話すときの基本の考え方

退職代行を使ったことを、面接でどこまで話すかは迷うところです。引け目があると、必要以上に説明したくなったり、反対に隠したくなったりすることがあります。次の3つを基本に考えます。

退職の方法を自分から話す必要はない

面接で伝えるのは、主に退職の理由とこれからの働き方で、退職の方法を自分から話す必要はありません。退職代行の話を先にすると、面接の時間の多くを退職の経緯の説明に使うことになりかねません。聞かれた質問に合わせて、退職の理由と次にどう働きたいかを中心に話します。志望動機や自己PRの質問で、退職代行の話を持ち出す必要もありません。

聞かれたら事実を短く正直に伝える

退職代行を使ったかを聞かれた場合は、ごまかしたり事実と違うことを言ったりせず、使ったことを短く伝えます。事実と違う説明をすると、あとで話が合わなくなったときに、退職代行を使ったこと以上に信頼を損ねるおそれがあります。伝えるときは、使った理由を一言添え、そこから何を学んだかに話を移します。使った事実、当時の状況、今の考えの3つを一文ずつにまとめておくと、慌てずに話せます。

前の職場を責める話し方にしない

退職代行を使うほど追い詰められた事情があっても、面接で前の職場への不満を長く話すと、話を聞く側に、辞めた経緯ばかりが印象に残ることがあります。事実は短く伝え、自分がどうすればよかったか、次にどうするかを中心に話します。たとえば「上司が話を聞いてくれなかった」ではなく、「上司に相談するきっかけをつかめなかった」のように、自分の側から見た言い方に変えます。

退職代行を使った理由を自分の中で整理する

面接で落ち着いて答えるには、なぜ退職代行を使うことになったのかを、先に自分の中で整理しておきます。整理した内容は、面接の答えだけでなく、次の応募先を選ぶ基準にもなります。

自分で伝えられなかった理由を書き出す

上司に辞めたいと言い出せなかった、引き止められて話が進まなかった、体調を崩して職場に行けなくなったなど、自分で退職を伝えられなかった理由を書き出します。理由を書き出すと、自分を責める気持ちと、実際に起きていたことを分けて見られるようになります。書き出した理由のうち、自分で変えられることと、職場の状況によるものを分けておくと、面接で話す内容を選びやすくなります。

入社前の話と実際の違いを振り返る

MyStyle転職の支援事例では、入社して半年で退職代行を使って辞めた22歳の方が、退職代行を使ったことに強い引け目を感じていました。担当者は本人を責めず、なぜそこまで追い詰められたのかを丁寧に聞きました。すると、入社前に聞いていた話と、実際の業務や教育体制に大きな違いがあったことが分かりました。自分で振り返るときも、入社前に求人票や面接で聞いた内容と、入社後に実際にあったことを並べて書くと、違いが分かりやすくなります。

次の職場で確かめたいことに言い換える

振り返って見えたことは、次の職場で確かめたいことに言い換えます。先ほどの事例では、条件より先に、入社後にどのように育ててもらえるかを確かめるという軸を作り、研修体制が整った会社を選んで、事務職に転職しています。退職代行を使った過去を否定するのではなく、何を学び、次にどう生かすかに目を向けます。次の職場で困ったときに誰に相談するかを考えておくことも、振り返りを生かす方法の一つです。

退職代行を使った後の応募先の選び方と準備

退職代行を使った経験から見えたことは、応募先を選ぶときにも役立ちます。同じ状況を繰り返さないための準備をしておきます。応募先を選ぶ段階から準備しておくと、面接でも一貫した説明がしやすくなります。

教育体制や相談できる相手を確かめる

求人票や面接で、入社後の研修の内容や期間、仕事を教えてくれる担当者がいるか、困ったときに相談できる相手がいるかを確かめます。面接で聞くときは、「早く仕事を覚えて長く働きたいので」と理由を添えると、聞きやすくなります。入社前の話と実際が違った経験がある場合は、配属先や最初に任される仕事の内容も具体的に聞いておきます。口コミサイトの情報は参考にとどめ、気になる点は面接で直接確かめます。

心身の疲れが残るなら休んでから始める

退職代行を使ったときに心身ともに疲れていた場合は、無理に活動を急がず、休む時間を取ってから始めます。休む期間の長さは、生活費や体調を見ながら決めます。MyStyle転職の支援事例では、退職代行を使って辞め、心身ともに疲れ切っていた28歳の方に、担当者がまず休むことを勧め、そこから時間をかけて自己分析を進めて、未経験からエンジニアとして内定を得ています。

在籍期間が短い理由の説明も準備する

入社して間もなく退職代行を使った場合は、在籍期間の短さについても聞かれることがあります。退職の理由と合わせて、次の職場では何を確かめ、どう長く働くつもりかを説明できるようにしておきます。説明は1分ほどで話せる長さにまとめ、声に出して練習しておきます。在籍期間が短くても、職歴は省かずに正確に書きます。

退職代行について聞かれたときの答え方の例文

例文は、自分の状況に合わせて言葉を置き換えて使います。事実と違う内容にならないように注意します。続けて質問された場合も、同じ内容を繰り返さず、聞かれたことに答えます。

退職代行を使ったかを聞かれたときの例文

「はい、前職は退職代行を利用して退職しました。当時は業務についていけない状況が続き、上司に相談することもできないまま、自分で退職を伝えられなくなっていました。今振り返ると、困ったときに早めに相談するべきだったと考えています。次の職場では、分からないことを自分から聞き、長く働けるように取り組みたいと考えています。」

退職代行を使ったことは短く認め、当時の状況を一言で伝えたうえで、振り返りと次にどう働くかに話を移しています。前の職場を責める言葉を使わず、自分がどうすればよかったかを話すことで、同じことを繰り返さないための考えを伝えています。

入社半年で辞めた理由を聞かれたときの例文

「前職では、入社前に伺っていた研修の内容と、実際の業務の進め方に違いがあり、仕事を覚える前に一人で対応する場面が続きました。この経験から、入社前に教育の体制を確かめることの大切さを学びました。御社では入社後の研修が整っていると伺い、基礎から身につけて長く働きたいと考え、応募いたしました。」

在籍期間の短さの理由を、前の職場への不満としてではなく、自分が学んだこととして伝えています。応募先を選んだ理由とつなげると、同じ理由で辞めないための考え方を示せます。例文の研修の話のように、応募先について伝える内容は、求人票や面接で実際に確かめた事実にします。

まとめ

  • 令和2年転職者実態調査では、前の勤め先を自己都合で辞めた転職者は76.6%

  • 退職の方法を自分から話す必要はないが、聞かれたら事実を短く正直に伝える

  • 退職代行を使った理由を整理し、次の職場で確かめたいことに言い換える

  • 教育体制や相談できる相手を確かめ、在籍期間の短さの説明も準備する

まずは、自分で退職を伝えられなかった理由と、次の職場で確かめたいことを書き出してみてください。

よくある質問

Q. 退職代行を使ったことは、応募先に知られますか。

応募先が前の職場の事情をどこまで知るかは状況によって違うため、必ず知られないとは言い切れません。知られるかどうかを気にするより、聞かれたときに事実と違うことを言わずに答えられるよう、伝える内容を準備しておきます。

Q. 履歴書に退職代行を使ったことを書く必要はありますか。

厚生労働省の履歴書様式例にある記入欄は、学歴・職歴、免許・資格、志望の動機やアピールポイント、本人希望記入欄などで、退職の方法を書くための欄は設けられていません。職歴欄には、会社名と入社や退職の年月などを書きます。応募先から独自の書式や記入の指示がある場合は、それに従います。

Q. 退職代行を使ったことを後悔しています。

自分で伝えられないほど追い詰められていたなら、そのときに取れる方法を選んだと考えることもできます。後悔の気持ちがある場合は、何をすれば違う結果になったかを書き出し、次の職場での行動に少しずつ変えていきます。

Q. 転職エージェントには、退職代行を使ったことを伝えたほうがいいですか。

伝えるかどうかは自分で決められます。伝えておくと、面接で聞かれたときの答え方や、応募先で確かめたいことを、担当者と一緒に準備しやすくなります。伝えるときは、使った理由もあわせて話しておくと、応募先選びの相談につなげやすくなります。

Q. 退職代行を使ってから、働くことが怖くなりました。

前の職場で何がつらかったのかを書き出すと、仕事そのものへの不安なのか、特定の状況への不安なのかを分けて考えやすくなります。特定の状況への不安なら、その状況を避けられる職場かを応募前に確かめます。一人で抱えず、相談できる相手に話を聞いてもらうのも一つの方法です。