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転職活動はゆっくり進めても構いませんが、在職中か退職後か、生活費や体調を踏まえて期間の目安を決め、途中で進み具合を見直す時期も決めておくのが基本です。
周りが早く決めているように見えると、自分だけ遅れているようで焦ることがあります。一方で、期限をまったく決めずにいると、気づかないうちに活動が止まってしまうこともあります。
この記事では、転職活動の期間の考え方と、自分のペースで進めるための期間の決め方を、国家資格キャリアコンサルタントが解説します。
自分のペースを決める前に、ほかの転職者が前の仕事を辞めてから次の仕事に就くまで、どのくらいの期間があったのかを見ておきます。短い人もいれば、時間をかけた人もいることが分かります。
厚生労働省の令和2年転職者実態調査で、前の勤め先を辞めてから今の勤め先に就職するまでの期間を見ると、「1か月未満」が27.6%、「離職期間なし」が26.1%、「1か月以上2か月未満」が13.3%でした。「1か月未満」と「離職期間なし」を合わせると53.7%で、半分を超えています。同じ調査で、転職活動をした期間があった人に限ると、「離職期間なし」が20.2%、「1か月未満」が34.3%で、合わせると54.5%でした。
一方で、「4か月以上6か月未満」が4.6%、「6か月以上8か月未満」が3.5%、「8か月以上10か月未満」が1.7%、「10か月以上」が5.5%で、合わせると4か月以上かかった人は15.3%でした。同じ調査の年齢別の数字を合わせると、4か月以上かかった人は、20~24歳で15.7%、25~29歳で12.8%です。時間をかけて次の仕事に就いた人も、一定の割合でいます。
この数字は、実際に転職を終えた人の、前の仕事を辞めてから就職するまでの期間です。在職中に活動していた期間は含まれず、まだ活動を続けている人の期間も含まれません。短い期間で決めた人が多いからといって、自分も急がなければならないわけではありません。数字はほかの人の結果として参考にとどめ、自分の状況に合わせて期間を考えます。
ゆっくり進めることが合っている場合もあれば、注意しておきたい点もあります。自分の状況と照らして、どのくらいのペースで進めるかを考えます。
在職中に転職活動をしている場合は、収入が途切れないため、応募のペースを落としても生活への影響は小さくなります。今の仕事を続けながら、自分の軸に合う求人が出るのを待つ進め方もできます。応募する会社を絞り、一社ごとの準備に時間をかける進め方にすると、仕事と両立しながら無理なく続けやすくなります。ただし、今の職場のつらさが強い場合は、時間をかけるほど負担が続くことも考えます。つらさが強いときは、在職中に続けるか、先に退職して休むかを、体調や生活費と合わせて比べます。
MyStyle転職の支援事例では、退職代行を使って退職し、心身ともに疲れ切っていた28歳の方に、担当者がまず休むことを勧めました。本人は、転職を急かされると思っていたので驚いたと話しています。そこからゆっくり時間をかけて自己分析をし、自分に合う仕事の方向を見つけて、未経験からエンジニアとして内定を得ています。体調を整える時間が必要なときは、活動の期間とは別に、休む期間を先に取ります。
退職してから活動する場合は、生活費がいつまで続くのかを先に確かめ、その期間の中で活動を進められるかを考えます。離職期間が長くなる場合に備えて、休んでいた期間や自己分析をしていた期間に何をしたのかを、日付と一緒に簡単に記録しておきます。1日の予定が決まっていないと生活のリズムが崩れることもあるため、起きる時間や求人を見る時間を決めておきます。
ゆっくり進める場合も、期間の目安を決めておくと、進み具合を確かめやすくなります。次の3つの手順で決めます。
在職中なら今の職場を辞めたい時期、退職後なら生活費が続く時期などをもとに、いつまでに次の仕事を始めたいかを決めます。はっきり決められない場合は、半年後、1年後など、大まかな時期でも構いません。時期を決めるときは、今の職場の忙しい時期や、住まいの契約の更新時期など、自分の予定も合わせて書き出しておくと、無理のない時期を選びやすくなります。
働き始めたい時期から逆算し、自己分析や求人探しに使う期間、応募と面接に使う期間、内定から入社までの期間に分けて考えます。ゆっくり進めたい場合は、自己分析に長めの期間を取り、応募を始めたら面接の準備に時間をかけられるようにします。在職中なら、内定から入社までの期間に、今の職場での引き継ぎの期間も含めて考えます。どの段階にどれだけかけるかは人によって違うため、最初に決めた配分は、見直す日に実際の進み具合を見て調整します。
期間を決めたら、1か月ごとなど、進み具合を見直す日を決めておきます。見直す日には、応募した数だけでなく、自分の軸がはっきりしてきたか、面接の準備が進んだかを振り返ります。予定より遅れていても、理由が分かっていれば、期間を延ばして構いません。理由が分からないまま大きく遅れている場合は、どの段階で止まっているのかを書き出します。自己分析で止まっているなら誰かに話を聞いてもらう、応募で止まっているなら探す条件を見直すなど、止まっている段階に合わせて手を打ちます。
ゆっくり進める場合も、少しずつ前に進んでいる実感があると続けやすくなります。無理のない範囲で続けるための工夫をしておきます。途中で止まってしまっても、気づいた時点で小さく再開すれば問題ありません。
1週間に求人を5件見る、書き出しを1つ進めるなど、無理なく続けられる小さな目標を決めます。大きな目標だけを立てると、達成できなかったときに気持ちが落ち込みやすくなるため、できたことを数えられる目標にします。目標はカレンダーや手帳に曜日と一緒に書き込み、週の終わりにできたことに印をつけて振り返ると、少しずつ進んでいることを自分で確かめられます。
友人がすぐに内定を得たと聞くと、自分だけ遅れていると感じることがあります。転職活動の進み方は、在職中かどうかや、どの職種を目指すかなどによって違うため、周りと比べず、自分で決めた予定表に対して進んでいるかを見ます。SNSでほかの人の転職の報告を見て焦りが強くなる場合は、活動中は見る時間を減らすのも一つの方法です。比べる相手は、周りの人ではなく先月の自分にします。
転職エージェントなどの相談先を使う場合は、最初にどのくらいのペースで進めたいかを伝えておくと、ペースに合わせた進め方を相談しやすくなります。伝えるときは、いつ頃までに働き始めたいか、1週間にどのくらいの時間を使えるか、先に休む期間を取りたいかを具体的に話します。伝えたペースと合わない進め方を求められる場合は、相談先を変えることも考えます。家族や友人に予定を話しておくと、進み具合を気にかけてもらえることもあります。
ゆっくり進めて離職期間が長くなった場合は、面接で期間中に何をしていたかを聞かれることがあります。期間の長さを隠すのではなく、何を考え、何をしてきたのかを伝えます。
「前職を退職した後、同じ理由で転職を繰り返さないよう、半年ほどかけてこれまでの仕事を振り返りました。うまくいった場面と苦しかった場面を書き出す中で、手を動かして形にする仕事にやりがいを感じることに気づきました。その期間に基礎の学習も進め、御社のものづくりの仕事に挑戦したいと考えています。」
期間の長さを言い訳にせず、何のために時間を使い、何に気づいたのかを伝えています。期間中にした学習や準備があれば、具体的に添えると、前向きな期間だったことが伝わります。期間中にアルバイトをしていた場合は、その仕事で気づいたことを添えることもできます。
「前職を退職した後、しばらくは体調を整えることを優先し、生活のリズムを戻す期間に充てました。体調が安定してからは、自分に合う働き方を考え直し、長く働ける環境で経験を積みたいと考えるようになりました。現在は問題なく働ける状態で、御社で腰を据えて仕事に取り組みたいと考えています。」
体調を整えていたことは短く伝え、今は働ける状態であることと、これからの意欲を中心に話しています。体調についてどこまで話すかは自分で決めて構いませんが、働くうえで配慮が必要な点がある場合は、伝え方を事前に整理しておきます。どちらの例文も、自分が実際にしてきたことに置き換え、事実と違うことは話さないようにします。
前の仕事を辞めてから就職するまで、1か月未満と離職期間なしを合わせると53.7%、4か月以上は15.3%
在職中か退職後か、体調や生活費を踏まえて、ゆっくり進めてよいかを考える
働き始めたい時期から逆算し、見直す日を決めて期間の目安を立てる
小さな目標と自分の予定表で、周りと比べずに進める
まずは、いつまでに次の仕事を始めたいかを決め、1か月ごとに見直す日をカレンダーに書き込んでみてください。
Q. 離職期間が長いと、選考で不利になりますか。
選考の結果は、離職期間の長さだけで決まるわけではありません。その期間をどう過ごし、今どのように働きたいかを説明できるかが大切です。面接で聞かれたときに慌てないよう、話す内容を前もって短くまとめておきます。
Q. 在職中と退職後、どちらで転職活動をするのがいいですか。
どちらが良いかは人によって違います。在職中は活動に使える時間が限られます。退職後は時間を取りやすい一方で、生活費や離職期間を気にしやすくなります。迷う場合は、それぞれの進め方で困りそうなことを書き出して、どちらが自分にとって負担が少ないかを比べます。
Q. 期限を決めると、焦ってしまいそうです。
期限は、自分を追い込むためではなく、進み具合を確かめるための目安です。細かい予定を最初から立てる必要はなく、進めながら足していきます。決めた期限は周りに宣言する必要はなく、自分のためのものとして持っておけば十分です。
Q. ゆっくり進めていたら、良い求人を逃しませんか。
募集が終わってしまう求人もありますが、軸に合う求人は、時期を変えて出てくることもあります。気になる求人は保存しておき、条件の近い新しい求人の通知を受け取るように設定しておくと、見逃しを減らせます。応募したい求人が見つかったときにすぐ動けるよう、履歴書や職務経歴書を先に準備しておくのも一つの方法です。
Q. 休んでいる間も、何かしておいたほうがいいですか。
休んでいる間は、転職のことを考えない日があっても構いません。体調が落ち着いてきたら、これまでの仕事を振り返って書き出す、気になる職種について調べるなど、負担の少ないことから始めます。無理に予定を詰め込まず、1日に一つできれば十分と考えます。
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