【事例10人】転職の決め手は何だった? 未経験20代の選び方を解説

最終更新:

2026/9/15 06:40

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転職の決め手は人によって違いますが、未経験から転職した20代の決め手は、「働き方の条件」「自分の強みや好きなこと」「入社後の育ち方や将来の節目」に大きく分けられます。

他の人の決め手を知ることは、自分の決め手を考える手がかりになります。ただ、同じ決め手を選べば同じようにうまくいくわけではありません。大切なのは、なぜその人がそれを決め手にしたのかを知り、自分に置き換えて考えることです。

この記事では、国の調査と支援事例10人の決め手を紹介し、自分の決め手の見つけ方と面接での伝え方を、国家資格キャリアコンサルタントが解説します。

国の調査で見る転職者が今の勤め先を選んだ理由

他の人が何を決め手に転職先を選んだのかを知ると、自分の決め手を考えるヒントになります。最初に、国の調査で転職者全体の傾向を確かめます。

仕事内容への満足が最も多い決め手

厚生労働省の令和2年転職者実態調査で、転職者が現在の勤め先を選んだ理由(3つまでの複数回答)を見ると、「仕事の内容・職種に満足がいくから」が41.0%で最も高く、「自分の技能・能力が活かせるから」が36.0%、「労働条件(賃金以外)がよいから」が26.0%と続きました。一番の理由に絞っても、「仕事の内容・職種に満足がいくから」が18.8%で最も高くなっています。

賃金や休日などの条件も大切ですが、転職した人は、条件と並んで、仕事の中身に納得できるかどうかを重く見て勤め先を選んでいることが分かります。

20代は仕事内容と技能を生かせるかを重視

年齢別に見ても、20代で「仕事の内容・職種に満足がいくから」を選んだ割合は高くなっています。

  • 20〜24歳:仕事の内容・職種に満足がいくから46.1%、自分の技能・能力が活かせるから25.1%、労働条件(賃金以外)がよいから23.4%

  • 25〜29歳:仕事の内容・職種に満足がいくから44.9%、自分の技能・能力が活かせるから32.9%、労働条件(賃金以外)がよいから28.6%

25〜29歳では、20〜24歳よりも「自分の技能・能力が活かせるから」を選んだ割合が高くなっていました。働いた経験が増えるほど、これまでの経験を生かせるかどうかも決め手に加わっていく様子がうかがえます。

働き方の条件が転職の決め手になった3人の事例

ここからは、MyStyle転職で未経験の仕事に転職した20代10人の支援事例を、決め手の種類ごとに紹介します。最初は、働き方の条件が決め手になった3人です。3人に共通するのは、今の働き方で何がつらいのかを具体的に言葉にしていたことです。

夜勤のない土日祝休みで営業職を選んだ28歳

製造業で夜勤のある不規則なシフトに限界を感じていた28歳の男性は、今の仕事の何がつらくて何なら耐えられるのかを一つずつ切り分けました。一番つらかったのは、夜勤そのものより「この働き方がいつまで続くのか分からない」ことでした。土日祝休みという条件に加えて、人と話す仕事への興味も見えたため、条件と適性の両方を満たす営業職に絞り、年収も50万円上がりました。

研修で補える事務職を選んだ26歳

長く接客業を続けてきた26歳の女性は、「事務職はパソコンが得意な人がやるもの」と思い込み、事務職を選択肢から外していました。入社後の研修でスキルを補える求人もあり、選考の時点で完璧である必要はないと知って、担当者と一緒にExcelの基本操作から練習し、土日祝休みの事務職に転職しました。決め手は、休日の条件と、完璧でなくても入社後に学べる環境でした。

人と話せて好きなことに関われる24歳

飲食、不動産営業、夜勤のある土木作業員と職を転々とし、自信をなくしていた24歳の男性は、夜勤が続いて疲労がたまり、日勤の仕事を希望していました。3社のよかったことと辛かったことを一緒に言葉にすると、人と話すのは好きでも強引な営業は向いていないこと、趣味の音楽に関わる仕事に興味があることが見えてきました。決め手は、人と話せて好きな音楽にも関われる楽器の買取営業職だったことです。

自分の強みや適性が決め手になった3人の事例

次は、自分の強みや適性、好きなことが決め手になった3人です。本人が当たり前だと思っていたことが、転職の軸になっています。

配達バイトの関係づくりを生かした23歳

接客や事務の仕事を短期間で辞め、お酒の配達のアルバイトをしていた23歳の男性は、アルバイトの経験はアピールにならないと思い込んでいました。話を聞くと、配達するだけでなく、配達先の飲食店の店長と雑談を通じてとても仲良くなっていました。この関係づくりの力を強みとして言葉にし、配送と営業を兼ねる正社員の求人を選んで、年収200万円アップで正社員に戻りました。

人と関わる仕事への適性に気づいた25歳

派遣社員として製造ラインで働いていた25歳の男性は、正社員になりたい一方で、自分に何が向いているのか分からずにいました。過去の仕事を振り返ると、モノを黙々と扱う作業より、人とやり取りする場面のほうが楽しかったことが分かりました。「なぜ正社員になりたいのか」を先に明確にしてから求人を選び、営業職の正社員に転職して年収も50万円上がりました。

好きなことを仕事の軸にした28歳

SNSマーケティングの求人に応募して入社したものの、コールセンターに配属され、毎日のクレーム対応で心身ともに疲れ切って退職した28歳の女性がいます。休むことから始め、時間をかけて自己分析をすると、子どもの頃の工作や家が建っていく過程、パソコンを自分で組み立てることなど、ものづくりに共通する「好き」が見えてきました。この方向で活動し、既往歴にも理解がある社長のもとで、未経験からエンジニアとして内定を得ました。

入社後の育ち方や将来の節目が決め手になった事例

最後は、入社後にどう育ててもらえるかや、将来の節目、叶えたい条件への思いが決め手になった3人です。どの事例も、条件の良し悪しだけでなく、自分がどう働いていきたいかを先に考えています。

研修体制を最初に確かめた22歳

入社前に聞いていた話と実際の業務や教育体制に大きな差があり、入社半年で退職した22歳の女性は、退職代行を使って辞めたことに強い引け目を感じていました。次の会社選びでは、条件より先に「入社後にどう育ててもらえるか」を確認する軸を作り、研修体制の整った事務職に転職しました。退職代行を使った過去を否定せず、何を学んで次に生かすかに目を向けたことが、新しい軸につながりました。

結婚を見据えて条件を整理した24歳

ずっとフリーターを続け、結婚を見据えて正社員を決意した24歳の男性は、最初はフリーター期間の長さを「もう手遅れ」と捉えていました。結婚という具体的な節目があったことで、譲れる条件と譲れない条件を整理しやすくなり、アルバイトの接客経験を営業の強みとして言葉にして、面接練習を20回以上重ねた末に営業職の正社員に内定しました。

一度落ちた第一志望に再挑戦した25歳

大学卒業後に契約社員として2年働き、期間満了で離職した25歳の男性は、1年ほど活動しても不採用が続いていました。質問と答えがずれる、答えが長すぎたり短すぎたりするという課題を、自分の話し言葉で作った原稿を直しながら毎日練習して改善しました。理想の条件を叶えたいという強い思いから、一度面接で落ちた第一志望の企業に再応募し、内定を得ました。本人は、他社で難しいと言われた企業に再挑戦できたのは、粘り強いサポートのおかげだったと振り返っています。

事例から学ぶ自分の転職の決め手を見つける手順

10人の決め手はそれぞれ違いますが、どの事例でも、自分にとって何が大切かを言葉にしてから求人を選んでいます。自分の決め手を見つける手順を整理します。

つらかったことと楽しかったことを書き出す

これまでのアルバイトや仕事を一つずつ振り返り、つらかったことと楽しかったことを、具体的な場面とあわせて書き出します。夜勤がつらかった、人と話す時間が楽しかったといった内容で構いません。

書き出したら、つらかったことは「避けたい条件」、楽しかったことは「生かしたい強みや好きなこと」に分けます。夜勤に限界を感じていた28歳の男性のように、つらさの中身を細かく分けると、本当に避けたいことが見えてきます。

周りの評価ではなく自分の基準で順位をつける

支援事例には、販売、事務、携帯販売と3社を短期間で辞め、向いている仕事が分からずに悩んでいた28歳の女性もいます。自分史を作り、過去の出来事に加えて当時の感情や考えまで振り返ると、それまでの仕事選びが、周りからどう見られるかや親が喜ぶかという基準で決めていたことに気づきました。自分の基準で探し直した結果、面接で短期離職の経歴を聞かれながらも熱意が伝わって内定し、年収も100万円上がりました。

書き出した条件や強みには、周りの評価ではなく自分にとっての大切さで順位をつけます。上位の2〜3個が、自分の転職の決め手の候補になります。

NG例(転職の決め手を考えるとき)

  • 「友達が選んでいたから」「親が安心するから」と、周りの基準だけで応募先を決める

  • 求人の条件を見比べるだけで、自分が何を大切にしたいかを考えない

OK例(転職の決め手を考えるとき)

  • 過去の仕事でつらかったことと楽しかったことから、自分の基準を書き出す

  • 書き出した基準に順位をつけ、上位の基準を満たす求人を選ぶ

転職の決め手を面接の志望動機で伝える例文

転職の決め手は、そのまま面接の志望動機の土台になります。決め手を自分の経験と結びつけて話す例文を紹介します。決め手をそのまま話すのではなく、応募先の仕事内容と自分の経験を結びつけることがポイントです。

働き方の条件が決め手のときの例文

「前職では夜勤を含む交代勤務で働いてきましたが、この先も長く働き続けるには、生活のリズムを整えられる働き方が大切だと考えるようになりました。御社は土日祝休みで、人と話しながら提案する営業の仕事ができる点に魅力を感じています。製造現場で身につけた段取りの力を生かし、お客さまとの約束を守る営業を目指します。」

働き方の条件を決め手にする場合、条件だけを話すと「休みが多ければどこでもいいのでは」と受け取られることがあります。条件に加えて、その会社の仕事内容に惹かれた理由と、これまでの経験をどう生かすかを添えると、長く働く意欲が伝わります。

強みを生かせることが決め手のときの例文

「アルバイトでは配達を担当しながら、配達先の店長さんと会話を重ねて顔なじみになり、困りごとを聞く機会が増えていきました。この経験から、人と関係を築いて信頼してもらうことが自分の強みだと気づきました。御社の仕事は配送と営業を兼ねていると伺い、この強みを最も生かせると考えて応募しました。」

アルバイトの経験でも、具体的な場面と、そこから気づいた強みを話せば、十分に説得力があります。最後に、応募先の仕事内容と強みが結びつく理由を伝えることで、なぜその会社を選んだのかが明確になります。決め手になった強みが入社後にどう役立つかまで話せると、面接官も働く姿を想像しやすくなります。

まとめ

  • 条件だけでなく、仕事の中身に納得できるかも決め手に入れる

  • つらかったことと楽しかったことを書き出し、避けたい条件と生かしたい強みに分ける

  • 周りの評価ではなく、自分にとっての大切さで順位をつける

  • 決め手を自分の経験と結びつけ、面接の志望動機として話す

まずは、これまでの仕事でつらかったことと楽しかったことを3つずつ書き出してみてください。

よくある質問

Q. 転職の決め手が給料だけでもいいですか。

給料を決め手にすること自体は問題ありません。令和2年転職者実態調査でも、25〜29歳の転職者の22.2%が「賃金が高いから」を勤め先を選んだ理由に挙げています。ただし、仕事内容が合わないと長く続けにくいため、給料に加えて、仕事の中身が自分に合うかも確かめてから決めます。

Q. 決め手が見つからないまま応募してもいいですか。

応募しながら決め手を見つけていく方法もあります。面接で仕事内容や職場の雰囲気を聞くうちに、惹かれる点と引っかかる点が見えてきます。ただ、決め手がないまま内定を承諾すると入社後に迷いやすいため、承諾する前に、なぜその会社を選ぶのかを自分の言葉で説明できるか確かめます。

Q. 家族や友人の意見は、決め手にどこまで入れていいですか。

意見は参考にしながら、最後は自分の基準で決めます。家族や友人が心配しているのが給料なのか休日なのかを具体的に聞き、自分でも大切だと思えるものだけを基準に加えます。周りの意見だけで決めた仕事は、つらくなったときに続ける理由を見つけにくくなります。

Q. 未経験の職種でも、仕事内容に満足できるか事前に分かりますか。

入社前に完全に分かるわけではありませんが、求人票の仕事内容に加えて、面接で1日の流れや最初に任される業務を聞くと、働く姿を具体的に想像できます。職場見学ができるか相談するのも一つの方法です。見学や質問で分かったことを、自分の決め手の候補と照らし合わせます。

Q. 決め手にした条件が、入社後に違っていたらどうすればいいですか。

求人票や入社時に受け取った書面の内容と、実際の違いを整理し、上司や人事の担当者に確認します。事情を聞いても解消されない場合は、その条件が自分にとってどれだけ大切だったかを振り返り、働き続けるか、次の職場を探すかを考えます。決め手を書き出しておくと、この判断もしやすくなります。