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夜勤を転職理由にしても構いませんが、面接では「体力がもたない」という話で終わらせず、夜勤の何がつらかったのかを整理したうえで、これから大切にしたい働き方として伝えるのが基本です。
夜勤のある仕事を続けるうちに、生活のリズムが崩れたり、この働き方がいつまで続くのかと不安になったりすることがあります。ただ、そのまま「夜勤がきつい」とだけ伝えると、仕事への意欲が伝わりにくくなることがあります。
この記事では、仕事を辞めた理由に関する国の調査と、夜勤を理由にした転職理由の伝え方を、国家資格キャリアコンサルタントが解説します。
働く時間帯や休みの取り方を理由に仕事を変えたいと考えるのは、特別なことではありません。国の調査で、働く時間や休日などの条件を理由に仕事を辞めた人がどのくらいいるのかを見ておきます。
厚生労働省の令和5年若年者雇用実態調査で、在学していない若年労働者が初めて勤務した会社を辞めた理由(3つまでの複数回答)を見ると、「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」が28.5%で最も高く、「人間関係がよくなかった」が26.4%、「賃金の条件がよくなかった」が21.8%、「仕事が自分に合わない」が21.7%でした。年齢別では、「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」は20~24歳で31.0%、25~29歳で26.8%です。
令和2年転職者実態調査で、自己都合で前の勤め先を辞めた転職者の理由(3つまでの複数回答)を見ると、「労働条件(賃金以外)がよくなかったから」が28.2%で最も高くなっています。25~29歳では25.5%、20~24歳では22.3%でした。調査の項目は「労働条件(賃金以外)」で、夜勤かどうかを分けた数字ではありません。
どちらの調査も、夜勤そのものを理由として調べたものではありません。ただ、働く時間や休みなどの条件を理由に仕事を変える人が一定の割合でいることは、数字から分かります。面接で働き方の条件を転職理由に挙げること自体を、過度に心配する必要はありません。転職理由を考えるときは、数字を支えにしすぎず、自分の場合に何がつらかったのかを具体的にすることを優先します。
夜勤を転職理由にするときは、「体力的にきつい」という話だけで終わらせない伝え方を考えます。夜勤の経験を否定的に話すのではなく、そこから見えた自分の希望を伝えることを意識します。
「夜勤で体力がもたなかった」とだけ伝えると、応募先の仕事でも、忙しい時期に続けられるかを気にされることがあります。体力のことを隠す必要はありませんが、つらさの中心が体力なのか、生活のリズムなのか、先の見通しなのかを分けて考えます。「朝起きて夜に眠る生活に戻したい」「週ごとに変わる勤務時間を固定したい」のように、何を変えたいのかまで言葉にすると、体力の話だけになりにくくなります。
MyStyle転職の支援事例では、製造業で夜勤のある不規則なシフトで働いていた28歳の方が、限界を感じていました。話を聞くと、夜勤の負担そのものより、この働き方がいつまで続くのか分からないという先の見えなさが一番つらかったことが分かりました。今の仕事の何がつらく、何なら耐えられるのかを一つずつ切り分けていきました。自分で切り分けるときも、夜勤の日と休みの日の過ごし方を書き出し、どの場面で負担を感じたのかを見ていくと整理しやすくなります。
先ほどの事例では、切り分ける中で、土日祝休みという条件だけでなく、人と話す仕事への興味も見えてきました。面接対策を20回を超えて重ねる中で、夜勤のつらさを体力の問題ではなく、今後のキャリアで大事にしたい働き方として言葉にでき、土日祝休みの営業職で内定を得ています。
転職理由は、次の3つの手順で組み立てると、前向きな内容にまとめやすくなります。書き出す、決める、つなげるの順番で進めます。
夜勤のある職場では、限られた人数で対応する、決められた手順を守る、交代の相手に正確に引き継ぐなど、身につけた経験があることがあります。転職理由を考える前に、夜勤の仕事で身につけたことを書き出しておくと、前の仕事を否定するだけの話になりにくくなります。引き継ぎのメモを工夫した、トラブルに少ない人数で対応したなど、具体的な場面を一つ添えられると話に説得力が出ます。書き出した経験のうち、応募先の仕事で生かせそうなものには印をつけておきます。
日中に働いて生活のリズムを整えたい、休日を決まった曜日に取りたい、先の見通しを持って経験を積みたいなど、次の職場で実現したい働き方を具体的にします。働き方だけでなく、どのような仕事に関わりたいかも合わせて考えると、条件だけで選んだ印象になりにくくなります。先の見通しを持って働きたい場合は、何年後にどのような仕事ができるようになりたいかまで考えておくと、面接で深く聞かれても答えやすくなります。
最後に、応募先の求人でその働き方ができることと、応募先の仕事内容に関心を持った理由をつなげます。求人票で勤務時間や休日を確かめ、応募先に夜間の勤務がないかも事前に確かめておきます。つなげるときは、夜勤で身につけたこと、次に実現したい働き方、応募先を選んだ理由の順に並べると、一つの話としてまとまりやすくなります。1分ほどで話せる長さを目安に、声に出して確かめます。
夜勤を理由に転職する場合は、応募先で同じ悩みが起きないように、働き方の条件を事前に確かめます。転職理由で夜勤を挙げた場合、応募先に夜間の勤務があると、話の筋が通らなくなります。確かめる内容は、求人票で分かることと、面接で聞くことに分けておきます。
求人票の就業時間や勤務形態の欄で、交替制やシフト制、夜間の勤務がないかを確かめます。「日勤のみ」と書かれていても、繁忙期や欠員のときに夜間の勤務があるかは、面接で聞いておきます。勤務時間の欄に複数の時間帯が書かれている求人もあるため、どの時間帯で働くことになるのかまで確かめます。
入社時は日中の勤務でも、部署の異動や役割の変化によって勤務時間が変わる職場もあります。面接で、入社後の配属先や、将来の働き方の変化について聞いておきます。聞くときは、「長く働き続けたいので、将来の勤務の形も教えていただけますか」のように、長く働きたい気持ちと合わせて聞くと、条件だけを気にしている印象になりにくくなります。
夜勤のある仕事では、深夜の時間帯に働いた分の手当が給与に含まれていることがあります。日中の仕事に移ると、月の収入が変わることがあるため、生活に必要な金額と比べて確かめます。収入が下がる場合でも、生活のリズムが整うことや、休日を決まった曜日に取れることなど、得られるものと合わせて考えます。先ほどの事例の方は、夜勤のない営業職に移って年収が50万円上がっていますが、収入の変化は職種や会社によって違います。
例文は、自分の状況に合わせて言葉を置き換えて使います。応募先の仕事内容や働き方に合わせて、最後の一文を変えます。どちらの例文も、夜勤で身につけたことや気づいたことを入れ、前の仕事を否定する言葉は使っていません。
「前職では製造の現場で、夜勤を含む交替制の勤務をしていました。決められた手順を守り、交代の相手に正確に引き継ぐことを大切にしてきました。一方で、勤務時間が週ごとに変わる働き方を続ける中で、生活のリズムを整え、長く安定して働ける環境で経験を積みたいと考えるようになりました。」
夜勤で身につけたことを先に伝え、そのうえで大切にしたい働き方を話しています。体力がもたなかったという表現は使わず、長く安定して働くための選択として伝えています。応募先が日中の勤務であることを確かめたうえで使います。
「前職では夜勤のある工場で働いていましたが、働き方を見直す中で、休日を決まった曜日に取り、先の見通しを持って働きたいと考えるようになりました。あわせて、休憩時間に同僚の相談に乗ることが多く、人と話す仕事に興味があると気づきました。御社の営業職は土日祝休みで、お客様と直接関わりながら経験を積める点に魅力を感じています。」
働き方の条件だけでなく、人と話す仕事への興味という仕事内容の理由も合わせて伝えています。条件と仕事内容の両方を話すことで、休みの多さだけで選んだ印象になりにくくなります。同僚の相談の話のように、仕事内容への興味のきっかけには、自分が実際に経験した場面を使います。
令和5年若年者雇用実態調査では、初めて勤務した会社を辞めた理由で「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」が28.5%で最も高い
夜勤のつらさが体力なのか、生活のリズムなのか、先の見通しなのかを切り分ける
夜勤で身につけたこと、次に実現したい働き方、応募先を選んだ理由の順に組み立てる
応募先の勤務時間やシフト、将来の働き方の変化、収入の変化を事前に確かめる
まずは、夜勤の仕事の何がつらく、何なら続けられたのかを書き出してみてください。
Q. 夜勤で体調を崩したことは、面接で話すべきですか。
体調についてどこまで話すかは、自分で決められます。今は問題なく働ける状態であれば、夜勤のない働き方で長く働きたいという話を中心にします。働くうえで配慮が必要な点がある場合は、入社後に困らないよう、伝え方を事前に整理しておきます。
Q. 夜勤を辞めたいと思うのは甘えですか。
夜勤のある働き方が合うかどうかは、人によって違います。甘えかどうかで考えるより、今の働き方を続けた場合と変えた場合で、生活や将来の見通しがどう変わるかを比べて考えます。比べた結果を書き出しておくと、面接で理由を話すときの材料にもなります。
Q. 夜勤専従から日勤に変えたい場合も、同じ伝え方でいいですか。
基本の考え方は同じで、夜勤で身につけたことと、次に大切にしたい働き方を伝えます。夜勤専従を選んだ理由を聞かれることもあるため、そのときの事情と、今は考えが変わった理由を説明できるように、事前に準備しておきます。
Q. 今の会社で日勤の部署に異動することはできませんか。
会社によっては、日勤の部署への異動を相談できる場合があります。転職を決める前に、今の会社で働き方を変えられるかを上司や人事に確かめておくと、転職するかどうかを判断しやすくなります。面接で異動を考えたかを聞かれたときの答えにもなります。
Q. 転職理由と志望動機は、どう分けて話せばいいですか。
転職理由では、なぜ今の働き方を変えたいのかを話し、志望動機では、なぜその会社を選んだのかを話します。夜勤を理由にする場合は、転職理由で働き方を、志望動機で仕事内容への関心を中心にすると、話が重なりにくくなります。
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