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やりたい仕事をさせてもらえないと感じたら、まず希望を会社に伝え、異動の見込みと時期を確かめます。そのうえで、転職した場合に本当にその仕事に就けるかと比べて決めるのが基本です。
入社前に聞いていた仕事と違う部署に配属されたり、希望を出しても同じ仕事が続いたりすると、このまま待っていていいのか不安になります。ただ、転職しても、希望の仕事にすぐ就けるとは限りません。
この記事では、異動を待つか転職するかの判断基準と、希望の仕事に就けるかの確かめ方を、国家資格キャリアコンサルタントが解説します。
やりたい仕事ができないことは、転職を考える理由として珍しいものではありません。国の調査で、仕事内容を理由に転職した人と、仕事内容を重視して転職先を選んだ人の割合を確かめます。
厚生労働省の令和2年転職者実態調査で、自己都合で前の勤め先を辞めた転職者の離職理由(3つまで回答)を見ると、「満足のいく仕事内容でなかったから」が26.0%でした。「労働条件(賃金以外)がよくなかったから」の28.2%に次いで高く、男性に限ると28.4%で最も高くなっています。
同じ調査で、転職者が現在の勤め先を選んだ理由(3つまで回答)を見ると、「仕事の内容・職種に満足がいくから」が41.0%で最も高く、一番の理由としても18.8%で最も高くなっています。やりたい仕事ができるかどうかは、辞める理由にも、次の会社を選ぶ理由にもなりやすい条件だと分かります。
MyStyle転職の支援事例では、SNSマーケティングの求人に応募して採用された28歳の方が、入社後にコールセンターに配属され、マーケティングの仕事には就けませんでした。毎日のクレーム対応で心身ともに疲れ切り、退職しています。この方はその後、時間をかけて自己分析をし、ものづくりの方向で未経験からエンジニアとして内定を得ています。
やりたい仕事ができない状態に、つらい業務が重なると、負担が大きくなることがあります。気持ちや体の不調が続いている場合は、異動を待つか転職するかを考える前に、休むことを優先します。
異動を待つか転職するかは、次の3つを確かめてから判断します。一つでも確かめていないことがあれば、決める前に確かめます。
上司がこちらの希望を知らないまま、今の配置が続いていることもあります。面談や自己申告の機会があれば、やりたい仕事と、その理由、そのために今取り組んでいることを具体的に伝えます。今の仕事で出している結果もあわせて話すと、異動しても力を発揮できる人だと受け取ってもらいやすくなります。
「いつかは」ではなく、「次の人事異動のタイミングで」など時期も含めて相談すると、会社も検討しやすくなります。
希望を伝えたら、その仕事に就くために何が必要か、いつ頃なら可能性があるかを聞きます。「あと1年、今の仕事で結果を出せば検討できる」のように、条件と時期が示されれば、待つ期間の見通しが立ちます。聞いた内容は日付とあわせてメモしておくと、後で待つか決めるときの材料になります。
一方で、「今は分からない」という答えが続く場合や、希望の仕事を担当する部署が社内にない場合は、待っても実現しない可能性があります。
今の仕事の中にも、やりたい仕事につながる経験があるかを考えます。たとえば、マーケティングを希望しているなら、今の仕事でお客さまの声を集めて改善につなげる経験は、希望の仕事でも生かせる可能性があります。
今の仕事がやりたい仕事への準備になっているなら、期限を決めて待つ選択肢もあります。まったくつながらない場合は、転職で直接その仕事に就く方法も考えます。
転職すれば必ずやりたい仕事ができるわけではありません。特に未経験の職種に挑戦する場合は、入社してすぐに希望の業務を任されるとは限りません。応募する前と内定の後に、希望の仕事に就けるかを確かめます。
やりたい仕事の求人を探し、応募資格に「未経験可」「経験者のみ」のどちらが書かれているかを確かめます。経験者のみの求人が多い職種では、今の会社で経験を積んでから転職したほうが、選べる求人が増える場合もあります。
応募資格に書かれた経験年数や資格は、必須なのか歓迎なのかも見分けます。未経験で応募できる求人がある場合は、入社後の研修や、最初に担当する仕事の内容まで読みます。仕事内容の欄に「まずは電話対応から担当」のように入社後の流れが書かれている場合は、希望の業務を担当するまでの期間も面接で聞いておきます。
労働基準法施行規則では、労働契約を結ぶときに示す労働条件として、就業の場所と従事すべき業務に関する事項(変更の範囲を含む)が定められています。内定の後に受け取る労働条件通知書で、最初に担当する業務と、将来変わる可能性がある業務の範囲を確かめます。
希望の仕事が「変更の範囲」にしか書かれていない場合は、最初はほかの業務を担当する可能性があります。配属先がどのように決まるのかを、入社を決める前に聞いておきます。面接の段階で「入社後に担当する業務と、将来担当する可能性がある業務を教えてください」と聞いておくと、内定後に通知書を受け取ったときに内容を照らし合わせられます。
やりたい仕事を理由にした転職は、前向きな理由として伝えやすい一方で、準備が足りないと入社後にずれが起こることがあります。やりたい仕事を理由に転職するときは、次の点に気をつけます。
やりたい仕事の中身は、厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)で仕事内容を調べたり、実際に働いている人の話を聞いたりして確かめます。支援事例の28歳の方も、在宅でできそう、キラキラしていそうというイメージで仕事を選んでいたことを、後から振り返っています。仕事内容を調べるときは、やりがいを感じそうな場面だけでなく、地道な作業や大変な場面も含めて確かめると、入社後のずれを減らせます。
「やりたい仕事をさせてもらえなかった」とだけ伝えると、次の会社でも希望が通らなければ辞めてしまうのではと心配されることがあります。今の会社で希望を伝えたことや、今の仕事で身につけたことも整理しておくと、面接で前向きに説明しやすくなります。「上司に希望を伝え、今の仕事でもお客さまの声をまとめる工夫に取り組んできた」のように具体的に話せるよう、行動したことを時系列で書き出しておきます。
異動を待つと決めた場合も、「次の人事異動まで」「あと1年」など、自分で期限を決めておきます。期限が来ても見込みが立たない場合に転職活動を始めると決めておくと、迷い続けずに済みます。期限までの間に、希望の仕事の求人を時々確かめておくと、転職を考えるときに動きやすくなります。決めた期限は家族や信頼できる人に話しておくと、自分の中で守りやすくなります。
面接では、今の会社で希望を伝えたことと、応募先でその仕事にどう取り組みたいかをあわせて話します。今の会社への不満だけに聞こえないよう、今の仕事で身につけたことを先に話し、その経験がやりたい仕事にどうつながるかを伝えます。
「現職では営業事務として受発注の管理を担当しています。お客さまの問い合わせ内容をまとめて営業担当に共有するうちに、自分でお客さまに提案する仕事に挑戦したいと考え、上司にも希望を伝えてきました。社内で営業職への異動が難しい状況のため、未経験から営業に挑戦できる御社を志望しました。」
今の仕事で感じたことから、やりたい仕事への関心が生まれたことを話しています。上司に希望を伝えたことを添えると、すぐに辞めることを選んだのではなく、今の会社でもできることを試したことが伝わります。
「入社時はWebの広告運用に携わる予定でしたが、配属先はお客さまからの電話対応を担当する部署でした。1年間、お問い合わせの内容を記録し、よくある質問をまとめる工夫を続けてきました。この経験で知ったお客さまの声を生かし、御社の広告運用の仕事で、伝わる広告づくりに取り組みたいと考えています。」
配属の違いを会社への不満として話すのではなく、その中で工夫したことと、応募先で生かしたいことにつなげています。1年間続けた工夫を具体的に話すことで、配属先でも投げ出さずに取り組んできた姿勢が伝わります。応募先の仕事内容と、前職で知ったことのつながりを一文で言えるように準備しておきます。
やりたい仕事の希望と理由を、時期も含めて会社に伝える
異動の見込みと時期を確かめ、待つなら自分で期限を決める
転職先で未経験から応募できるか、業務の変更の範囲まで確かめる
面接では、今の会社で伝えたことと身につけたことをあわせて話す
まずは、やりたい仕事の求人を3件探し、応募資格と最初に担当する業務を書き出してみてください。
Q. 入社してすぐに異動の希望を出してもいいですか。
希望を伝えること自体は構いませんが、入社直後は今の仕事を覚えている途中と受け取られることもあります。まずは任された仕事に取り組み、面談など希望を話せる機会に伝えます。会社によっては自己申告制度や社内公募制度があるため、就業規則や社内の案内で確かめます。
Q. 副業でやりたい仕事を始めるのはどうですか。
会社が副業を認めているかを就業規則で確かめたうえで、副業でやりたい仕事に近い経験を積む方法もあります。副業での経験は、転職の応募書類や面接で、自分から取り組んできたこととして伝えられます。本業に支障が出ない範囲で続けることが前提です。
Q. 異動の希望を出したら、上司との関係が悪くなりませんか。
伝え方によって受け取られ方は変わります。今の仕事への不満ではなく、やりたい仕事に挑戦したい理由と、そのために今の仕事で取り組んでいることを伝えると、前向きな相談として受け止めてもらいやすくなります。忙しい時期を避け、面談など落ち着いて話せる場を選びます。
Q. やりたい仕事がはっきりしていない場合はどうすればいいですか。
「今の仕事ではない何か」だけでは、転職しても同じ迷いが続くことがあります。今の仕事で楽しかった場面とつらかった場面を書き出し、共通点から興味のある仕事を探します。気になる職種が見つかったら、仕事内容を調べ、実際の業務を具体的に思い描けるかを確かめます。
Q. 転職先で希望の部署に配属されなかったらどうすればいいですか。
入社前に配属の決まり方を確かめていても、希望と違う配属になることはあります。その場合もすぐに辞めると決めず、配属先で身につけられることと、希望の業務に移る条件や時期を上司に確かめます。そのうえで、この記事の判断基準に沿って考えます。
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